幸せの名言集

エーリッヒ・フロムの名言3選

ドイツ出身の社会心理学者・精神分析学者(1900-1980)

「未熟な愛は「必要だから愛する」と言い、成熟した愛は「愛するから必要だ」と言う」

Immature love says: I love you because I need you. Mature love says: I need you because I love you.

— エーリッヒ・フロム 『愛するということ』(1956)

依存と愛の違いを一文で示す

心理学では
この名言は、マズロー(1962)のいう「欠乏愛」(自分の不足を埋めるために相手を求める愛)と「存在愛」(相手の存在そのものを喜ぶ愛)の対比に重なる。Hazan & Shaver(1987)は、愛着理論(人との結びつき方の型を扱う理論)をもとに、成人の恋愛体験を質問紙で調べた。その結果、安定型(相手を信頼し、安心して近づける型)の人ほど愛を幸福や信頼として語り、不安型(見捨てられる不安が強い型)の人ほど執着や嫉妬、相手との一体化への渇望として語っていた。日々の関係では「この人に何をしてもらえるか」より「この人の何を大切に思うか」に目を向けることが、成熟した愛への一歩になる。 参考:マズロー(1962)「Toward a Psychology of Being」 ↗/Hazan & Shaver(1987)「Romantic love conceptualized as an…」 ↗
「愛はまず与えることであり、もらうことではない」

Love is primarily giving, not receiving.

— エーリッヒ・フロム 『愛するということ』(1956)

愛は受動的な感情ではなく能動的な技術である

心理学では
フロムの言う「与える愛」は、心理学でいう共同的志向性(見返りを求めず、相手の必要に応えようとする姿勢)や向社会的行動(他者のためになる行動)に重なる。Brownら(2003)は高齢の既婚者を数年間追跡した縦断研究で、家族や友人に支えを与えていた人ほど死亡リスクが低いことを示した。一方で、支えを受けることにはそうした関連が見られなかった。またDunnら(2008)の実験では、受け取ったお金を自分ではなく他人のために使うよう指示された人のほうが、その日の幸福感が高まった。愛されるのを待つのではなく、身近な人へのささやかな手助けや気づかいを日々の習慣にする。それが、つながりと幸福を自分の手で育てることにつながる。 参考:Brownら(2003)「Providing Social Support May Be Mo…」 ↗/Dunnら(2008)「From wealth to well-being: Spendin…」 ↗
「愛は技術である。学ぶことのできる、そして学ばなければならない技術である」

Love is an art, just as living is an art.

— エーリッヒ・フロム 『愛するということ(The Art of Loving)』(1956)

人は「愛される方法」や「愛する相手」ばかりを問題にし、「愛する能力」を問わない ── 愛は落ちるもの(fall in love)ではなく、配慮・責任・尊重・知という要素を持つ、修練で上達する技術だとした愛の理論の古典。この一冊の中心命題

心理学では
フロムの言う「技術としての愛」は、心理学でいえば関係の暗黙理論(恋愛がうまくいくかについての素朴な信念)のうち「成長信念」(関係は努力で育つという考え)にあたる。Knee(1998)は恋愛中の大学生を追った縦断研究で、成長信念の強い人ほど問題に正面から向き合う対処をとりやすく、「運命の相手か」を重視する運命信念の人は、初めの満足度が低いと関係が短く終わりやすいことを示した。またHawkinsら(2008)のメタ分析では、カップル向けの関係教育プログラムが、コミュニケーションの技能と関係の質を高める効果を持つことが確かめられている。相性まかせにせず、相手の話を最後まで聴く、感謝を言葉にするといった小さな練習を日々重ねることが、愛を深める確かな道になる。 参考:Knee(1998)「Implicit theories of relationships…」 ↗/Hawkinsら(2008)「Does marriage and relationship edu…」 ↗

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