幸せの名言集

ウィリアム・アイザックスの名言2選

米国の経営学者。MITダイアローグ・プロジェクトを主導。ピーター・センゲの協働者

「対話とは、共に考える技法(the art of thinking together)である」

Dialogue is the art of thinking together.

— ウィリアム・アイザックス 『ダイアローグ ── 対立から共生へ、議論から対話へ』(1999)

一人で考えてから意見を持ち寄るのではなく、「考えること」そのものを一緒に行う ── 誰の発言でもない洞察が場から生まれるとき、対話は成立している。ボームの理論をMITで組織の実践に翻訳した、対話論の標準的定義

心理学では
アイザックスの言う「共に考える」は、集合的知性(集団が個人の足し算を超えて発揮する問題解決力)の考え方に重なる。Woolleyら(2010)は少人数の集団にさまざまな課題を解かせ、集団ごとに一貫した「集団の知性」があることを示した。それはメンバーの知能の高さよりも、発言が一部の人に偏らず、互いの気持ちを察する力が高い集団ほど高かった。Edmondson(1999)も職場のチームを調べ、率直に発言できると感じるチームほど学習行動(質問や失敗の共有)が多いことを見いだした。会議では結論を急がず、全員に話す番が回るよう問いかけることが、場から新しい考えを生む助けになる。 参考:Woolleyら(2010)「Evidence for a Collective Intellig…」 ↗/Edmondson(1999)「Psychological Safety and Learning …」 ↗
「傾聴する(Listening)、尊重する(Respecting)、保留する(Suspending)、そして自分の声で語る(Voicing)── 対話は、この四つの実践でできている」

Listening, Respecting, Suspending, Voicing.

— ウィリアム・アイザックス 『ダイアローグ』(1999)(要旨)

相手の言葉を最後まで聴く、相手を「正すべき対象」ではなく一人の全体として遇する、自分の確信を吊るす、そして借り物でない自分の声で語る ── 対話という抽象的な理想を、訓練可能な四つの行為に分解した実践の設計図

心理学では
アイザックスの四つの実践は、「質の高い傾聴」(評価を挟まず、注意と共感を向けて聴くこと)と「心理的安全性」(率直に発言しても責められないという共有された感覚)を、一人ひとりの行動に分けたものである。Itzchakovら(2017)の実験では、注意深く聴いてもらった話し手は、上の空の聞き手に話した場合より不安が下がり、自分の考えの矛盾も受け止められるようになり、主張が極端でなくなった。Edmondson(1999)の職場チームの調査では、心理的安全性の高いチームほど、意見の表明や失敗の共有が多かった。会議や家庭で、まず最後まで聴き、反論を一呼吸保留することが、相手が自分の声で語る土台をつくる。 参考:Itzchakovら(2017)「I Am Aware of My Inconsistencies b…」 ↗/Edmondson(1999)「Psychological Safety and Learning …」 ↗

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