「愛しなさい。そして、望むことをしなさい」
Dilige, et quod vis fac.
— アウグスティヌス 『ヨハネの手紙 講解説教』(5世紀初頭)
規則の羅列の代わりに、たった一つの条件を置いた倫理の極致 ── 根っこに愛があるなら、そこから出てくる行為は信頼してよい。「沈黙するなら愛によって沈黙し、語るなら愛によって語れ」と続く
- 心理学では
- この言葉は、行為の一覧ではなく動機の質を整えよという教えであり、自己決定理論でいう自律的動機(義務や体面でなく、心から望んで行うこと)の重視と重なる。Weinstein & Ryan(2010)は日誌研究と実験で、自ら望んで人を助けたときは助けた側の幸福感が高まり、相手にもよい効果が及ぶ一方、義務感からの援助ではその利点が乏しいことを示した。Crocker & Canevello(2008)の縦断研究でも、思いやり目標(自分をよく見せるより相手の幸せを願う目標)をもつ人ほど、その後に周囲との支え合いや親密さが増していた。迷ったときは「これは相手を思う気持ちから出ているか」と自問することが、行動の確かな指針になる。 参考:Weinstein & Ryan(2010)「When helping helps: Autonomous mot…」/Crocker & Canevello(2008)「Creating and undermining social su…」 ↗