幸せの名言集

アラン(エミール・シャルティエ)の名言3選

フランスの哲学者(1868-1951)。三大幸福論の一つの著者

「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する」

Le pessimisme est d'humeur; l'optimisme est de volonté.

— アラン(エミール・シャルティエ) 『幸福論』(1925)

仏語原文

悲観は放っておいても自然に湧いてくる「気分」だが、楽観は意志の力で選び取る「態度」である、という区別。楽観的であることは能天気な性格のことではなく、意識的な決断と日々の実践の問題だとする

心理学では
アランの言う「意志としての楽観」は、セリグマンの学習性楽観主義(出来事の受け止め方は練習で変えられるという考え)を先取りしている。Meevissenら(2011)は大学生を対象に、「最高の未来の自分」を毎日思い描く課題を2週間続けてもらう実験を行い、比較群に比べて将来への前向きな期待が高まることを見いだした。さらにMalouff & Schutte(2017)のメタ分析(複数の研究を統合する手法)でも、心理的な介入によって楽観性が高まることが確かめられている。悲観が湧いたときは無理に打ち消さず、望む未来を数分かけて具体的に書き出すことが、楽観を選び直す助けになる。 参考:Meevissenら(2011)「Become more optimistic by imaginin…」 ↗/Malouff & Schutte(2017)「Can psychological interventions in…」 ↗
「上機嫌であることは、他人に対する礼儀である」

— アラン(エミール・シャルティエ) 『幸福論』の趣旨

機嫌は私事ではなく、場への贈り物である

心理学では
アランの言う上機嫌は、感情伝染(表情や声を通じて気分が周囲に移る現象)を踏まえると、場全体への配慮である。Barsade(2002)は、小集団に明るく振る舞う協力者を加える実験を行った。その結果、快い気分がメンバーに広がり、協力が増えて対立が減ることを示した。Fowler & Christakis(2008)も、地域住民を長期にわたって追った縦断研究で、幸福な人とつながる人ほど後に幸福になりやすいという関連を見いだした。ただし作り笑いで無理をする場面では、休息など自分の気分の手当てと組み合わせるとよい。人に会う前に一呼吸おいて表情を整えることが、周りへのささやかな贈り物になる。 参考:Barsade(2002)「The Ripple Effect: Emotional Conta…」 ↗/Fowler & Christakis(2008)「Dynamic spread of happiness in a l…」
「幸福になることは、自分自身への義務であるだけでなく、他人に対する義務でもある」

— アラン(エミール・シャルティエ) 『幸福論』(1925)の趣旨

不機嫌は伝染して周囲を害するのだから、上機嫌でいる努力は礼儀であり義務である ── 幸福を「権利」や「運」ではなく「義務」と言い切ることで、幸福を意志的な実践の領域に引き込んだアランの幸福論の核心

心理学では
この名言は、感情伝染(他者の表情や声の調子に無意識に同調し、気分がうつる現象)の考え方と重なる。幸福は個人の内側にとどまらず、周囲の人の気分にまで及ぶのである。Fowler & Christakis(2008)は、米国の地域住民の人間関係を長期にわたって追跡した縦断研究で、幸福な人と身近につながっている人ほど、のちに自分も幸福になりやすいことを示した。またKramerら(2014)はSNS上の大規模な実験で、目にする投稿の感情的な調子を変えると、利用者自身の投稿の調子も同じ方向に変わることを確かめた。自分の機嫌を整える努力は、家庭や職場の空気を整えることに直結する。朝の挨拶を明るく交わすことが、周りへの小さな贈り物になる。 参考:Fowler & Christakis(2008)「Dynamic spread of happiness in a l…」/Kramerら(2014)「Experimental evidence of massive-s…」 ↗

← 人物の一覧

あわせて読む 世界の主要ウェルビーイング研究 → 名言が言ってきたことを、研究はどう確かめてきたか。幸せの研究の著名論文2,358本を、要旨と研究の系譜で。 思想ごとの名言も 世界の思想と宗教の幸福観マップ → 47の思想・宗教それぞれを代表する名言を、思想の幸福観とあわせて。
名言の収集・分類・解説はAI(Claude)を活用し、はぴテックが確認したものです。「出典に諸説あり」の名言は、その人物の言葉として流通しているものの一次資料での確認が難しいもの、「要旨」は趣旨を短くまとめたものです。心理学の補足は、名言の知恵を心理学・幸福研究の知見で読み解いたもので、引用した論文は学術データベースで実在を照合しています。 解説付き全選(PDF) / 一覧(Excel)
© 株式会社はぴテック