「礼に始まり、礼に終わる」
— 武道の教え 柔道・剣道・空手道などに共通する道場訓
「礼節を重んずるは武道の本義なり」など各流派の道場訓に共通
武道の稽古は、相手への敬意を形にした「礼」で始まり「礼」で終わる。相手は倒すべき敵ではなく、自分を成長させてくれる不可欠の存在であり、強くなるほど礼が深くなるべきだ、という考えが込められている
- 心理学では
- 「礼に始まり、礼に終わる」は、心理学でいう儀礼(決まった手順で繰り返される象徴的な行為)が、競い合う相手に協力の意図を伝え、信頼の土台をつくるという考えと重なる。Hobsonら(2018)のレビューは、儀礼には感情を整え、人と人とのつながりを強める働きがあると整理している。またSchroederら(2019)は交渉場面の実験で、始める前に握手を交わすと協力的なふるまいが増え、双方にとってよい合意に至りやすくなることを示した。利害がぶつかる場面でも、最初に敬意を形にして示すことが、安心して全力を出し合える関係を支える。仕事の会議や話し合いでも、始まりにあいさつを、終わりに感謝のひと言を添えることが、率直に意見を交わせる関係につながる。 参考:Hobsonら(2018)「The Psychology of Rituals: An Inte…」 ↗/Schroederら(2019)「Handshaking promotes deal-making b…」 ↗