「カント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサム ── 天から役目なしに降ろされた物は、一つもない」
— アイヌの言葉 萱野茂らが紹介したアイヌの格言
アイヌ語の格言として広く知られる
人も、草も、石ころも、この世に降ろされたものにはすべて役目がある。「自分に存在する意味などあるのか」という問いに、世界観そのもので答える言葉
- 心理学では
- この言葉は、人生の意味の一側面である「存在意義」(自分が存在する価値の感覚)を、成果より先に与えられたものと見る世界観である。Martela & Steger(2016)は人生の意味を一貫性・目的・存在意義の三つに整理し、存在意義を独立した柱と位置づけた。反対に、自己価値を成果に預ける「自己価値の随伴性」(条件付きの自尊心)について、Crockerら(2002)は大学院を受験する学生を追跡し、学業に自己価値をかける人ほど不合格の日に自尊心が大きく落ち込むことを示した。役目は勝ち取る前からあると考えることは、失敗に揺らぎにくい足場になる。うまくいかない日こそ、自分がすでに何かを支えていると思い出すことが助けになる。 参考:Martela & Steger(2016)「The three meanings of meaning in l…」/Crockerら(2002)「Hopes Dashed and Dreams Fulfilled:…」 ↗