幸せの名言集

ミヒャエル・エンデの名言2選

ドイツの作家(1929-1995)。『はてしない物語』

「モモに話を聞いてもらうと、どうしていいかわからなかった人にも、急に自分の意志が、はっきりしてくる」

— ミヒャエル・エンデ 『モモ』(1973)(要旨)

主人公モモの特技は、助言でも励ましでもなく「ただ、聞くこと」。全身で聞いてもらううちに、話し手の中から答えが立ち上がってくる ── 傾聴の力の、文学史上もっとも美しい描写

心理学では
この一節は、Rogers(1957)が説いた傾聴(評価や助言をはさまず、相手の言葉と気持ちをそのまま受けとめる聴き方)の力を描いている。無条件に受けとめられる安心感の中で、人は自分の考えを自分の力で整理し直せるのである。Itzchakovら(2017)は、聞き手のふるまいを操作した実験で、質の高い傾聴を受けた話し手ほど不安が下がり、自分の考えの多面性に気づいて、偏りの少ない見方をもつようになることを示した。答えを与えるよりも、相手の中から答えが出てくるまで待つ聴き方が助けになる。身近な人が迷っているときは、口をはさみたくなる気持ちをいったんおさえ、うなずきながら最後まで聞くことから始める。 参考:Rogers(1957)「The necessary and sufficient condi…」 ↗/Itzchakovら(2017)「I Am Aware of My Inconsistencies b…」 ↗
「時間を節約すればするほど、生活は、やせ細っていく」

— ミヒャエル・エンデ 『モモ』(1973)の主題(要旨)

「時間貯蓄銀行」の灰色の男たちに時間を節約させられた人々は、豊かになるどころか、余裕と笑いと友情を失っていく ── 効率化の果てに肝心の「生きる時間」が消える逆説を描いた、時間と幸福についての児童文学の最高峰

心理学では
心理学では、この逆説は「時間をお金のように扱う心の構え」の副作用として説明できる。時間を節約すべき資源とみなすほど、時間的豊かさ(ゆとりがあると感じる感覚)が損なわれ、いまの体験を味わう力が弱まる。DeVoe & House(2012)は実験で、自分の時給を計算させた人ほど、余暇に音楽を聴いたときの楽しさが小さくなることを示した。またMogilner(2010)は、お金ではなく「時間」を意識させると、人は友人や家族と過ごす方向に行動を選び、そうした時間の使い方が幸福感の高さと結びつくことを実験で確かめている。浮かせた時間の量よりも、その時間を誰とどう味わうかに目を向けることが、暮らしを豊かにする。 参考:DeVoe & House(2012)「Time, money, and happiness: How do…」 ↗/Mogilner(2010)「The pursuit of happiness: Time, mo…」 ↗

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