「自分らしさ」を感じる瞬間と、人と一緒にいることの関係についての、アメリカの最新研究
294人の調査と、52人に1日6回×7日間スマホで「今どう?」を聞き続けた調査から調べて頂きました。
今回のテーマは「個人表現性(Personal Expressiveness、PE)」。
「これをしてる時って自分らしいなぁ」と感じる感覚のこと。
まさに、ありのままに因子であり、幸せにも効いてきます😊
そんな自分らしさは、
一人の時に感じやすいのか、
みんなといるときに感じやすいのか。という研究。
まず1つ目の調査。
「あなたらしさを表す活動を1つ教えて」と聞いて、
それが「ひとりでやるもの」か「みんなでやるもの」かで比べたところ、
なんと、差なし。
ひとりの趣味も、チームの活動も、自分らしさの点では同じくらい。
年齢でも差なし。
大人は平均18年もその活動を続けていて、
もう活動が自分の一部になってるからかも、とのこと。
でも2つ目の調査で面白いことが。
1日6回スマホで
「今、自分らしいと感じてる?」「今、誰といる?」
を聞き続けたところ、
「いつもより自分らしいなぁ」と感じてる瞬間は、
ひとりでいる時より、誰かと一緒にいる時のほうが1.5倍くらい多かった❗
さらに面白いのが、
自分らしさの感覚の揺れの76%は
「人による違い」じゃなくて「同じ人の中での瞬間ごとの違い」だったこと。
自分らしさって、性格みたいに固定されたものじゃなくて、
その場その場で上がったり下がったりするものなんですね。
というわけで、
- 「自分探し」で何をやるかを探すより、「誰とやるか」「誰といるか」を大事にした方が、自分らしさは見つかりやすいかも。
- 「私は一人が好きなタイプだから」と思っていても、意外と、人といる時のほうが自分らしくいられているかも。(ただし調査では、親しい人か知らない人かまでは区別していないので、そこは要注意)
- 会社視点で言えば、仕事の中身を工夫するのと同じくらい、「誰と一緒にやるか」が社員の「自分らしく働けてる感」を左右するのかも。
という感じでしょうか。
自分らしさって内側にあるものと思いがちですが、
「人と一緒にいる時こそ、より自分になれる」というのが論文のタイトルで、まさにですね😊
感想ですが、自分らしさって複雑で、
一人で自分と向き合って自分を探していく、のが自分らしさっぽいイメージもありますが、
実際の自分らしさって人や周りを知る過程でも気づいていくなぁと感じる所です。
例えばですが、自分とミドリムシしかいない世界だったら、手があることとかデカいこととかが自分らしさですが、
自分と熊しかいない世界だったら、喋れるとかが自分らしさになりますからね。
なお、因果関係(人といるから自分らしいのか、自分らしい活動だから人が集まるのか)はまだ分からない、かつアメリカでの研究ではあります。
With Others, More Myself: Personal Expressiveness as Identity Enactment in Adult Daily Life
他者と共にいると、より自分らしく:成人の日常生活におけるアイデンティティの表現としての個人表現性
Eli A. Waxler(クレアモント大学院大学、アメリカ)
Journal of Adult Development, 2026/9/26
https://link.springer.com/article/10.1007/s10804-026-09579-5
「他者と共にいる時、私はより自分らしくなる」:成人の日常における自己実現と社会的つながり 成人期において「自分らしさの実感」が、日々の「他者と共にいる時間」に肯定的に引き出されるプロセス。 Research Context: Waxler, 2026 ミクロ視点:日常の「他者との時間」が自ららしさを増幅させる 他者と一緒にいる間は、直感的な「自分らしさ」が高まる 4.79 4.31 4.79 4.31 他者と同居している時の日のリアルタイム生態系的(ESM)における自己表現実感スコア マクロ視点:活動の種類だけでは「自分らしさ」は決まらない 個人活動 集団活動 自己実現の感受度に独占約な差は見られていない 活動形式による「自分らしさ」の定義的差異はない 年齢段階を問わず、活動レベルでの「自分らしさ」は一貫して安定している 「自分らしさ」の実感が、さらなる社会的つながりの継続を促す 親密的な高い自己表現の実感 その後の時間に他者と共に行動するモチベが増加 双方向的社会的ネットワークに対する リアルタイムの連鎖:データが示す社会的つながりへの影響経路 同時共起 (PE→構造と関連) (時間的継続) 間接効果 (PE→一般的側面) (PE→誘発効果) 1.53 3.42 1.80 オッズ比 (OR) オッズ比 (OR) オッズ比 (OR) 自分らしさを感じた翌時間は、 他者と共にいた翌の時間帯へと継続しやすい 動機的実現行動が、 他者と共にいる確率が 確率が 親密的な社会交流先へとつながり、 1.53倍高まる 3.42倍高まる 能動的につながる 誰かといるとき、 もっと「私」になる 心理学データが明かす、 「本当の自分」と「つながり」の意外な関係 Eli A. Waxler(Claremont Graduate University)の研究に基づく Gemini Notebook 「本当の自分」でいるという感覚 心理学における「ウェルビーイング(本来の自分の開花)」の重要な指標に、 「個人的拡張性(Personal Expressiveness)」があります。これは単なる「楽しさ」ではありません。 内なる可能性/あなたの本質 日々の活動 しっくりくる感覚 (自分に合っている) 本質的な自分らしさの発揮 「これこそが、私のやるべき ことだ」という確信 私たちは、「自分探し」は孤独な旅だと信じてきた 現代社会では、本当の自分を見つけるためには「一人になる時間」が必要だと思われがちです。 Myth List ✗ 一人旅に出る ✗ 誰にも邪魔されないソロキャンプ ✗ 部屋での深い内省 「自分らしさ」は、 他者から切り離された場所にあるのでしょうか? Gemma Notebook あなたが「もっとも自分らしい」と感じるのは、どちらですか? 発達心理学と動機づけの研究は、人間関係がウェルビーイングに不可欠であることを示しています。 しかし、大人の日常生活において、「自分らしさ」が誰かといる時にどう変化するのかは、これまで謎に包まれていました。 「一人でいるとき」 「誰かといるとき」 © Gimenez Notebook 視点1:マクロ(人生の広い活動から見る) まず、294人の大人(平均年齢40歳)を対象に、彼らが長年(平均18年間)続けている「自分らしい活動」を調査しました。 個人活動 (趣書、個人の嗜好) グループ活動 (スポーツチーム、合唱) 両方 (仕事、ボランティア) Gemmas Notebook 何をするかは、決定的な差を生まない 結果は意外なものでした。一人で行う活動も、グループで行う活動も、 「自分らしさ(Personal Expressiveness)」のスコアに有意な差はありませんでした。 Data Highlight Box 個人活動のスコア:5.43 グループ活動のスコア:5.42 (※7点満点中、大人の活動はすでに生活に深く根付いているため、活動の「種類」だけでは違いが出ない) Geminas Notebook 「どんな活動か」ではなく、「その瞬間に何が起きているか」 大人のアイデンティティは、特定の趣味や仕事の種類というより、日の繰り返される役割や関係性の中で発揮されます。 大きく分類するのではなく、日常の「瞬間」「瞬間」にズームインして観察する必要があります。 7:00 9:00 12:00 12:00 15:00 18:00 21:00 Gemesis Notebook 視点2:ミクロ(日常の瞬間を切り取る) 52人の大人を対象に、「経験サンプリング法(ESM)」を実施。1日6回、7日間にわたって スマートフォンの通知を鳴らし、その瞬間の「自分らしさ」と「誰と一緒にいるか」をリアル タイムで記録しました。 【スマートフォンの通知】 「今、この瞬間、あなたは自分らしく生きていますか?」 「今、誰かと一緒にいますか?」 朝 (Morning) 夜 (Night) Gemesis Notebook 「私」の感覚が高まる瞬間、そこには他者がいる 日常の中で「いつもより自分らしい」と感じている瞬間、人は「誰かと一緒にいる」確率が有意に高いことが判明しました。 他者 (Others) 私 (Self) 1.53倍(OR) 自分らしさのスコアが平均を上回る瞬間、誰かと共にいる確率は1.53倍に跳ね上がります。 Genova Notebooks 「自分らしさ」が、つながりの連鎖を生む 統計モデル(マルチレベル媒介分析)が明らかにしたのは、ポジティブな連鎖反応であった。 3. 継続:次の調査タイミングでも、そのまま他者とのつながりを維持し続ける(OR: 3.42) 2. 共有:その隣間、他者と一緒にいる(OR: 1.53) 1. 実感:「今、私はとても自分らしい」と感じる (Personal Expressiveness) Gemesis Notebook なぜ、他者が「本当の自分」を引き出すのか? 心理学理論(自己決定理論)によれば、人間が最も力を発揮するには3つの欲求が満たされる必要があります。本当の自分を表現しているとき、私たちは同時に「関係性」の欲求も満たし、社会的な絆を強めているのです。 本当の自分 自律性 (自分で選んでいる) 関係性 (他者と深く結びついている) 有能感 (能力を発揮できている) © Gumma Notebook 「本当の自分」に対するパラダイムシフト これまでの考え方 データが示す新しい事実 性質:目的地(見つけて到達するもの) 性質:隣間のプロセス(日々の生活で発揮されるもの) 環境:孤独の中で深まる 環境:社会的つながりの中で際立つ 条件:活動の「種類」に依存する(例:一人旅、特別な趣味) 条件:その隣間の「状況と文脈」に依存する Gemini Notebook 日常のデザイン:より「自分らしく」生きるために 「何をするか」より 「誰とするか」 趣味や仕事を変えなくても、そこに誰を招き入れるかで、活動の意味合いは大きく変わります。 ありのままを 共有する 自分がわかっていない瞬間や、得難なことを している瞬間ごと、他者と時間を共有してみましょう。 つなが
【研究背景】
■ この研究の前提となる【研究背景】
本論文(Waxler, 2026, Journal of Adult Development)は、「自分らしさを感じる体験」が、成人の日常生活の中で「誰といるか」とどう結びつくかを調べたものです。その土台となっている既存研究を、話の流れに沿って整理します。
■ 1. 出発点:エウダイモニアと「パーソナル・エクスプレッシブネス(PE)」
▼ エウダイモニアとは
▼ パーソナル・エクスプレッシブネス(PE)とは
■ 2. 理論的枠組み:エウダイモニック・アイデンティティ理論(EIT)
▼ EITの基本的な考え方
▼ EITを支える実証研究
■ 3. 「人とのつながり」の重要性を示す理論群
本論文が「社会的文脈」に注目する根拠として、以下の理論が挙げられています。
▼ 動機づけと発達の理論
▼ 成人期・加齢に関わる理論
▼ 目標とポジティブ体験に関する理論
■ 4. どんな活動がPEを生みやすいか:年齢層ごとの先行知見
▼ 大学生を対象とした研究
▼ 青年期(adolescents)を対象とした研究
▼ ここまでのまとめ
■ 5. 成人期のアイデンティティ:なぜ「大人」で問い直す必要があるのか
▼ 成人期のアイデンティティの特徴
▼ 成人期のPEに関する既存の知見
▼ 成人期の区分に用いられた先行研究
■ 6. 測定法と方法論に関する先行研究
▼ PEの測定
▼ 経験サンプリング法(ESM)
▼ 日常のエウダイモニック活動に関する先行研究
■ 7. 既存研究の限界と、本論文が埋めようとしたギャップ
■ 補足:研究1のデータの出所
【研究内容】
■ この研究が扱うテーマ:「自分らしさを感じる瞬間」と「人と一緒にいること」
この論文(Waxler, 2026, Journal of Adult Development)は、「パーソナル・エクスプレッシブネス(personal expressiveness、以下PE)」と社会的な場面との関係を、成人を対象に2つの研究で調べたものです。
▼ なぜ社会的文脈に注目するのか
そこで本研究は、
という二段構えで調べています。
■ 研究1:どんな活動が「自分らしい」と感じられるか(横断調査)
▼ 仮説
▼ 方法
▼ 結果
▼ 研究1の考察
■ 研究2:日常の瞬間ごとのPEと「誰かと一緒にいること」(経験サンプリング)
▼ 仮説
▼ 方法
▼ 結果
▼ 研究2の考察
■ 全体の考察
▼ 活動レベルで差が出なかった理由についての解釈
▼ 経験サンプリングの意義
▼ 理論との接続
■ 限界と今後の課題
■ まとめ
動画解説はこちら😊
https://youtu.be/YUBkw5xtHC8
会話形式での紹介はこちら😊
はぴテク相談室:「ひとりの時間が一番わたし」…でも誘われちゃった
https://archive.happytech.co.jp/posts/2026-10-02-1790898781/