「元気があれば、何でもできる」
— アントニオ猪木 試合・講演での定番の呼びかけ
理屈の上では「何でも」は言い過ぎである。しかしこの言葉の機能は論証ではなく点火にある ── 「1、2、3、ダーッ!」とセットで数十年繰り返され、聞いた者の身体を実際に起こしてきた、日本で最も有名な活力の呪文
- 心理学では
- この言葉が指す「元気」は、心理学でいう主観的活力(自分の内に使えるエネルギーが満ちているという感覚)にあたる。Ryan & Frederick(1997)は複数の調査研究で、活力の高い人ほど自尊心や自己実現の感覚が高く、抑うつや身体の不調が少ないことを示した。そのうえで、活力を心身の健やかさを映す土台の指標と位置づけている。さらにThayer(1987)の実験では、短い早歩きのほうが甘いお菓子を食べるよりも元気の感覚を高め、その効果も長く続いた。元気は湧くのを待つだけのものではなく、体を動かすことで呼び起こせるのである。気の重い課題の前には、まず立ち上がって声を出し、少し歩いて体に火を入れる。それが「やってみよう」の一歩を軽くする。 参考:Ryan & Frederick(1997)「On Energy, Personality, and Health…」/Thayer(1987)「Energy, tiredness, and tension eff…」 ↗