「自然は、子どもが大人になる前に、子どもであることを望んでいる」
Nature wants children to be children before they are men.
— ジャン=ジャック・ルソー 『エミール』(1762)
子ども時代を「大人の準備期間」としてしか見ない教育への抗議。子ども時代には、そのときにしか熟さない固有の実りがある ── 「子どもの発見」と呼ばれる近代教育思想の出発点
- 心理学では
- この名言は、発達心理学でいう発達段階の固有の課題(その時期にしか育たない力)と、自己決定理論が重んじる内発的動機づけ(やりたいからやる意欲)の考えに重なる。Stipekら(1995)は幼児を対象に、文字や数を一斉に教え込む園と子ども中心の園を比べた。その結果、教え込み型の園の子どもほど自分の能力を低く見積もり、難しい課題への挑戦を避ける傾向があった。またSchweinhart & Weikart(1997)の長期追跡研究では、幼児期に子ども主導の遊びを中心に過ごした群は、教え込み型の群より成人後の情緒的な問題や逮捕歴が少なかった。子どもの「いま」を急かさず、夢中になる時間を守ることが、長い目で見た成長につながる。 参考:Stipekら(1995)「Effects of Different Instructional…」 ↗/Schweinhart & Weikart(1997)「The high/scope preschool curriculu…」 ↗