「不安の誤報が多いのは、故障ではない。煙探知機は、本物の火事を一度も見逃さないために、パンにも鳴るように設計されている」
— ランドルフ・ネシー 「煙探知機の原理」(進化精神医学、『Good Reasons for Bad Feelings』2019)
不安が実際の危険より頻繁に鳴るのは、進化的には正しい設計だという理論。祖先の環境では「危険の見逃し(命を失う)」のコストが「誤報(少し疲れる)」のコストより桁違いに大きかったため、警報は過敏な方に調整された
- 心理学では
- この名言は「煙探知機の原理」(危険を見逃す損失が誤報の損失よりはるかに大きいとき、警報は過敏に設定されるのが合理的だという考え)を表している。Nesse(2005)は、信号検出理論(警報の当たり外れを損得で分析する枠組み)を使って、この原理を理論的に示した。また、Jamiesonら(2012)の実験では、人前で話す課題の前に、緊張を「体が課題に備える有益な反応」と捉え直した人ほど、心臓や血管の反応がより適応的で、脅威への注意の偏りも小さかった。不安を「故障」ではなく「設計通りの働き」と見ることで、不安への不安を和らげられる。胸がざわついたら「探知機がちゃんと働いている」と受け止め、本当に火事かどうかを落ち着いて確かめることが助けになる。 参考:Nesse(2005)「Natural selection and the regulati…」 ↗/Jamiesonら(2012)「Mind over matter: Reappraising aro…」 ↗