「幸福な者の世界は、不幸な者の世界とは、別の世界である」
The world of the happy man is a different one from that of the unhappy man.
— ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン 『論理哲学論考』6.43(1921)
世界の中の事実(収入・出来事)は同じでも、幸福な人と不幸な人とでは「世界そのもの」の現れ方が違う。幸不幸は世界の内容ではなく、世界全体の相貌を変える ── という20世紀哲学の名句
- 心理学では
- この名言は、幸福感の「トップダウン理論」(幸福は個々の出来事の積み重ねよりも、世界を受け止める見方の枠組みに左右されるという考え)と重なる。Lyubomirsky & Tucker(1998)は、幸福度の高い人と低い人に同じ架空の出来事や自身の体験を評価させる研究を行い、幸福な人ほど同じ出来事を好意的に解釈し、思い返すことを示した。またLyubomirsky & Ross(1997)の実験では、他者が自分より良い成績を取る場面で、不幸な人ほど気分や自己評価が揺らぎやすかった。事実は同じでも、映る世界は人によって異なるのである。日々の出来事に別の見方はないかと問い直す習慣が、自分の世界を変える助けになる。 参考:Lyubomirsky & Tucker(1998)「Implications of Individual Differe…」 ↗/Lyubomirsky & Ross(1997)「Hedonic consequences of social com…」