幸せの名言集

ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの名言2選

オーストリア出身の哲学者(1889-1951)。20世紀最大の哲学者の一人

「幸福な者の世界は、不幸な者の世界とは、別の世界である」

The world of the happy man is a different one from that of the unhappy man.

— ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン 『論理哲学論考』6.43(1921)

世界の中の事実(収入・出来事)は同じでも、幸福な人と不幸な人とでは「世界そのもの」の現れ方が違う。幸不幸は世界の内容ではなく、世界全体の相貌を変える ── という20世紀哲学の名句

心理学では
この名言は、幸福感の「トップダウン理論」(幸福は個々の出来事の積み重ねよりも、世界を受け止める見方の枠組みに左右されるという考え)と重なる。Lyubomirsky & Tucker(1998)は、幸福度の高い人と低い人に同じ架空の出来事や自身の体験を評価させる研究を行い、幸福な人ほど同じ出来事を好意的に解釈し、思い返すことを示した。またLyubomirsky & Ross(1997)の実験では、他者が自分より良い成績を取る場面で、不幸な人ほど気分や自己評価が揺らぎやすかった。事実は同じでも、映る世界は人によって異なるのである。日々の出来事に別の見方はないかと問い直す習慣が、自分の世界を変える助けになる。 参考:Lyubomirsky & Tucker(1998)「Implications of Individual Differe…」 ↗/Lyubomirsky & Ross(1997)「Hedonic consequences of social com…」
「彼らに伝えてくれ。私は素晴らしい人生を送った、と」

Tell them I've had a wonderful life.

— ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン 臨終の言葉(1951)

医師フォン・ウリクトらの記録による

生涯にわたり苦悩し、家族の自死、戦争、孤独を経験した哲学者が、意識を失う直前に残した最後の言葉。苦悩の多さと人生の総合的な肯定が両立しうることを示す、哲学史上有名な臨終の記録

心理学では
この言葉は、人生の評価が日々の快・不快の合計だけでは決まらないことを示している。心理学でも、その時々の気分(感情的幸福)と、人生全体を振り返る判断(人生満足感や人生の意味)は別の次元として扱われる。Baumeisterら(2013)の成人を対象にした調査では、ストレスや心配の多さは幸福感とは負に、人生の意味の感覚とは正に関連していた。McAdamsら(2001)も、つらい出来事が良い方向へ転じる「救済の物語」(苦難に価値を見出す語り方)で人生を語る人ほど、心の健康が良好であると報告している。苦しい時期の経験が自分に何をもたらしたかを言葉にすることが、人生全体を肯定する力につながる。 参考:Baumeisterら(2013)「Some key differences between a hap…」/McAdamsら(2001)「When Bad Things Turn Good and Good…」

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