幸せの名言集

本田宗一郎の名言3選

本田技研工業創業者(1906-1991)

「得手に帆あげて」

— 本田宗一郎 著書の題名・座右の言葉

得意なこと(得手)という帆に、順風を受けて一気に進め。苦手の克服に人生を費やすより、得意なことが生きる場面を見つけてそこに全力を注ぐ方が、本人も周囲も幸せになる、という本田流の人材観

心理学では
「得手に帆あげて」は、心理学でいう強みの活用(自分らしい長所を日々の行動で使うこと)を勧める言葉である。Seligmanら(2005)は成人を対象とした無作為化実験で、自分の代表的強みを毎日新しいやり方で使う課題が、幸福感を高め、抑うつ症状を減らすことを示した。Harzer & Ruch(2012)は働く人を対象とした研究で、仕事の中で代表的強みを多く使える人ほど、仕事を天職と感じていることを見いだした。得意なことを発揮する経験は、有能感(自分はやれるという手応え)を育てる土台にもなる。自分の得手を書き出し、それが生きる役割や場面を一つ選んで引き受けることが、成果と充実感の両方につながる。 参考:Seligmanら(2005)「Positive Psychology Progress: Empi…」/Harzer & Ruch(2012)「When the job is a calling: The rol…」 ↗
「失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れよ」

— 本田宗一郎 著書・講演での趣旨

挑戦しないことこそ最大のリスク

心理学では
この名言は、失敗という損失を過大に見積もる「損失回避」(同じ大きさなら、得るものより失うものを重く感じる傾向)に流されず、行動を選べという教えである。Kahneman & Tversky(1979)のプロスペクト理論は、仮想的な選択課題を用いて、人が利益より損失に強く反応することを示し、挑戦をためらう心の仕組みを説明した。一方、Gilovich & Medvec(1994)は人々に人生の後悔を尋ねる調査を行った。その結果、直後には「やって失敗したこと」を悔やむが、長い目で見ると「やらなかったこと」の後悔のほうが多く、心に長く残ることが分かった。迷ったときは、十年後の自分がどちらを悔やむかを想像してみる。それが小さな一歩を踏み出す助けになる。 参考:Kahneman & Tversky(1979)「Prospect Theory: An Analysis of De…」 ↗/Gilovich & Medvec(1994)「The temporal pattern to the experi…」 ↗
「私の成功は、99%の失敗に支えられた1%だ」

— 本田宗一郎 発言として伝わる

成功の背後には膨大な試行錯誤がある

心理学では
この名言は、心理学でいう試行錯誤学習(失敗を手がかりに少しずつやり方を修正していく学び方)と、失敗を成長の材料とみなす「失敗観」を言い表している。Yinら(2019)は、研究費の申請や起業などに繰り返し挑んだ膨大な記録を分析し、最終的に成功した人ほど、失敗を重ねるたびに次の挑戦が速く的確になり、前の失敗から学んでいる跡が見られることを示した。またHaimovitz & Dweck(2016)の研究では、親が失敗を「伸びる機会」ではなく「害になるもの」と捉えているほど、子どもが能力を変わらないものと考えやすいという関連が見いだされた。失敗は、そこから学びを引き出した分だけ成功の土台になる。うまくいかなかった日に「次に変える一点」を書き留めておくことが、次の挑戦を確かなものにする。 参考:Yinら(2019)「Quantifying the dynamics of failur…」 ↗/Haimovitz & Dweck(2016)「Parents’ Views of Failure Predict …」 ↗

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あわせて読む 世界の主要ウェルビーイング研究 → 名言が言ってきたことを、研究はどう確かめてきたか。幸せの研究の著名論文2,358本を、要旨と研究の系譜で。 思想ごとの名言も 世界の思想と宗教の幸福観マップ → 47の思想・宗教それぞれを代表する名言を、思想の幸福観とあわせて。
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