「人生は、喜ばせごっこ」
— やなせたかし 著書・インタビューで繰り返した信条
自分が喜ばせれば、相手も喜ばせ返してくる ── 人生をこの「ごっこ遊び」の応酬と定義した、アンパンマンの作者の哲学。正義とは、ひもじい人にパンを差し出すこと、という作品の核とひとつながりの言葉
- 心理学では
- この言葉は、向社会的行動(他者のためになる行動)が相手からの返報や「親切の連鎖(受けた親切を別の人に回すこと)」を生み、喜びが人から人へ循環するという見方と重なる。Chancellorら(2018)はスペインの職場で、一部の社員に同僚への小さな親切を数週間続けてもらう実験を行い、親切を受けた人が自分も周囲に親切にするようになり、親切をした側の幸福感も高まることを示した。またWeinstein & Ryan(2010)の実験では、義務感からではなく自分で選んで行う援助ほど、助けた側も助けられた側も満たされることが分かった。「ごっこ」の軽やかさは、この自発性に通じる。今日ひとり、身近な人をささやかに喜ばせてみることが、温かな循環の始まりになる。 参考:Chancellorら(2018)「Everyday prosociality in the workp…」 ↗/Weinstein & Ryan(2010)「When helping helps: Autonomous mot…」