「対話(ダイアローグ)の語源は、ギリシャ語のディアロゴス ──「意味(ロゴス)が、人々の間を(ディア)流れ通うこと」である」
Dialogue comes from the Greek word dialogos. Logos means 'the word'... and dia means 'through' — a stream of meaning flowing among and through us.
— デヴィッド・ボーム 『ダイアローグ』(On Dialogue, 1996)
勝敗を決めるために意見を打ち合う議論(discussion ── 語源は「打ち砕く」でパーカッションと同根)と、意味が川のように参加者の間を流れ、誰のものでもない新しい理解が立ち上がる対話は、根本的に別の営みである ── 量子物理学者が晩年に取り組んだ、対話の理論の出発点
- 心理学では
- ボームのいう対話は、心理学でいえば「共有現実」(他者と世界の見方を分かち合っている感覚)を、勝ち負けではなく協働で築く営みである。Woolleyら(2010)は小集団にさまざまな課題を解かせる研究で、発言の機会が一部の人に偏らず均等に回るグループほど、集団全体の問題解決力(集団知性)が高いことを見いだした。Itzchakovら(2017)の実験では、評価をはさまず深く聴いてもらった話し手は、自分の考えの両面を認め、より極端でない見方をするようになった。結論を急ぐ前に一人ずつ話す番を回し、まず聴き切ることが、誰のものでもない新しい理解を生む土台になる。 参考:Woolleyら(2010)「Evidence for a Collective Intellig…」 ↗/Itzchakovら(2017)「I Am Aware of My Inconsistencies b…」 ↗