幸せの名言集

ピーター・ドラッカーの名言3選

オーストリア生まれの経営学者(1909-2005)。「マネジメントの父」

「強みの上に築け」

Build on strengths.

— ピーター・ドラッカー 『経営者の条件』(1966)での趣旨

弱みの克服より強みの活用が成果を生む

心理学では
「強みの上に築け」は、心理学でいう強みの活用(自分の得意な特性を日々の行動で使うこと)の勧めである。得意なことを使う場面では、自己効力感(「やればできる」という見通し)も育ちやすい。Seligmanら(2005)の無作為化実験では、自分の代表的な強みを毎日新しいやり方で使う課題に取り組んだ人は、その後長期にわたって幸福感が高く、抑うつが低かった。Woodら(2011)の縦断研究でも、強みをよく使う人ほど、その後の活力や自尊心の上昇、ストレスの低下と関連していた。仕事でも暮らしでも、弱点の穴埋めより先に、自分の得意をどこで生かせるかを考えることが、成果と充実感の両方につながる。 参考:Seligmanら(2005)「Positive Psychology Progress: Empi…」/Woodら(2011)「Using personal and psychological s…」
「マネジメントとは、人が共同して成果を上げることを可能にし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである」

Management is about human beings. Its task is to make people capable of joint performance, to make their strengths effective and their weaknesses irrelevant.

— ピーター・ドラッカー 『マネジメント』(1973)

マネジメントの目的は管理ではなく、人の強みの解放である。一人ひとりの弱みを組織の仕組みで打ち消し、強みだけが成果に結びつくようにする ── 組織とは本来、人を幸せに働かせるための発明だという思想

心理学では
ドラッカーの言う「強みを発揮させる」は、心理学では強みの活用(自分の得意な資質を日々の仕事で使うこと)にあたる。van Woerkom & Meyers(2015)は、従業員とその上司を対象にした調査を行った。職場が個人の強みを認め、生かす機会を与えていると感じる人(強み志向の風土)ほど前向きな気分が高く、上司から見た仕事ぶりも良かった。Harzer & Ruch(2013)も、自分らしい強みを仕事で多く使える人ほど、仕事に喜びや意味を感じやすいと報告している。弱みを責める前に、得意を生かせる役割分担を考える。チームで互いの強みを言葉にして伝え合うことが、成果と働く喜びの両方につながる。 参考:van Woerkom & Meyers(2015)「My Strengths Count!」 ↗/Harzer & Ruch(2013)「The Application of Signature Chara…」 ↗
「何によって憶えられたいかを、問い続けなさい」

What do you want to be remembered for?

— ピーター・ドラッカー 著書・講演での趣旨(少年期に恩師から受けた問いとして紹介)

人生の目的を定期的に問い直すことが成長を導く

心理学では
「何によって憶えられたいか」という問いは、心理学でいう生成継承性(次の世代や社会に何かを残そうとする関心)やレガシー動機(生きた証を残したいという欲求)を呼び起こす問いである。米国の中高年を対象としたAn & Cooney(2006)の調査では、生成継承性の高い人ほど心理的ウェルビーイングが高かった。またZavalら(2015)の実験では、自分がどう記憶されたいかを文章に書いた人ほど、環境保護への寄付や行動の意図が高まった。この問いは、目先の損得を超えた選択を後押しするのである。誕生日や年始に「何で憶えられたいか」を書き出し、いまの仕事や人間関係と照らし合わせることが、進む方向を確かめる助けになる。 参考:An & Cooney(2006)「Psychological well-being in mid to…」 ↗/Zavalら(2015)「How Will I Be Remembered? Conservi…」 ↗

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あわせて読む 世界の主要ウェルビーイング研究 → 名言が言ってきたことを、研究はどう確かめてきたか。幸せの研究の著名論文2,358本を、要旨と研究の系譜で。 思想ごとの名言も 世界の思想と宗教の幸福観マップ → 47の思想・宗教それぞれを代表する名言を、思想の幸福観とあわせて。
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