幸せの名言集

ヴォルテールの名言2選

フランスの啓蒙思想家(1694-1778)

「労働は、退屈・悪徳・貧困という三つの大きな悪を我々から遠ざける」

Work keeps at bay three great evils: boredom, vice, and need.

— ヴォルテール 『カンディード』(1759)

働くことには生活と心を守る複数の機能がある

心理学では
この名言は、Jahoda(1981)が唱えた仕事の潜在的機能(収入以外に、時間の枠組み・人とのつながり・目的や活動を与える働き)とよく重なる。Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)は、働く成人の日常を経験抽出法(1日に何度も状態を記録する方法)で調べた。その結果、フロー(没頭の状態)は余暇より仕事中に多く生じていた。またPaul & Moser(2009)のメタ分析では、失業中の人ほど心の不調が多く、縦断研究では再就職とともに改善する傾向が見られた。仕事を収入源としてだけでなく、一日に張りと仲間をもたらす場として捉え直すことが、働く意欲を支える。 参考:Jahoda(1981)「Work, employment, and unemployment…」 ↗/Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)「Optimal experience in work and lei…」 ↗/Paul & Moser(2009)「Unemployment impairs mental health…」
「完璧は、善の敵である」

Le mieux est l'ennemi du bien.

— ヴォルテール 『哲学辞典』所収の格言(イタリアの諺として引用)

直訳は「より良きは良きの敵」

理想との比較が現実の良さを殺す

心理学では
この名言は、心理学でいう「最大化傾向」(常に最善を求める傾向)と「満足化」(基準を満たす十分によいもので納得する姿勢)の対比に重なる。Schwartzら(2002)は質問紙による相関研究を行い、最大化傾向の強い人ほど幸福感や生活満足度が低く、後悔や他人との比較が多いことを示した。Iyengarら(2006)は就職活動中の大学生を追跡する縦断研究を行った。その結果、最大化傾向の強い学生ほど給与の高い職に就きながらも、結果への満足度が低く、不安や落胆を強く感じていた。選ぶ前に「これで十分」という基準を決め、それを満たしたら探すのをやめる。そうすることが、目の前の良さを味わう助けになる。 参考:Schwartzら(2002)「Maximizing versus satisficing: Hap…」/Iyengarら(2006)「Doing Better but Feeling Worse」 ↗

← 人物の一覧

あわせて読む 世界の主要ウェルビーイング研究 → 名言が言ってきたことを、研究はどう確かめてきたか。幸せの研究の著名論文2,358本を、要旨と研究の系譜で。 思想ごとの名言も 世界の思想と宗教の幸福観マップ → 47の思想・宗教それぞれを代表する名言を、思想の幸福観とあわせて。
名言の収集・分類・解説はAI(Claude)を活用し、はぴテックが確認したものです。「出典に諸説あり」の名言は、その人物の言葉として流通しているものの一次資料での確認が難しいもの、「要旨」は趣旨を短くまとめたものです。心理学の補足は、名言の知恵を心理学・幸福研究の知見で読み解いたもので、引用した論文は学術データベースで実在を照合しています。 解説付き全選(PDF) / 一覧(Excel)
© 株式会社はぴテック