幸せの名言集

勤労意欲の名言13選

「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」

— 稲盛和夫 『生き方』等

考え方(方向性)は掛け算で効くため最重要

心理学では
この式は、成果が能力だけで決まるのではなく、物事への構え(マインドセット:能力や努力についての信念)と意欲(動機づけ:行動を起こし持続させる力)との組み合わせで決まるという見方と重なる。Blackwellら(2007)は中学生を縦断的に追跡し、能力は努力で伸びると考える生徒ほど成績が上向くことを示した。さらに、その考え方を教える介入によって、成績の低下を食い止める効果も確かめている。またDuckworthら(2007)は、長期目標への情熱と粘り強さ(グリット)が高い人ほど、知能とは別に高い達成を収めていることを報告している。日々の仕事では、まず「何のために、どう取り組むか」という向きを確かめ、そこに熱を注ぐ。それが、持てる力を成果へと変えることにつながる。 参考:Blackwellら(2007)「Implicit Theories of Intelligence …」 ↗/Duckworthら(2007)「Grit: Perseverance and passion for…」 ↗
人物
京セラ・KDDI創業者(1932-2022)。JAL再建
「一日作さざれば、一日食らわず」

— 百丈懐海 『百丈清規』に伝わる

働くことは修行であり、生きることの一部である

心理学では
この言葉は、働くことを生活の手段ではなく生きることそのものと捉える姿勢を示しており、心理学でいう「天職志向」(仕事を人生に意味を与える営みとみなす態度)に重なる。Wrzesniewskiら(1997)は、さまざまな職種の人を対象とした調査で、仕事を天職ととらえる人ほど仕事と人生の満足度が高いことを示した。また Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)は、働く人の日常を経験サンプリング法(一日に何度もその時の状態を記録する方法)で調べ、フロー(没頭して時を忘れる状態)が余暇よりも仕事中に多く生じることを見いだした。目の前の作業を修行のつもりで丁寧にこなすことが、日々の充実につながる。 参考:Wrzesniewskiら(1997)「Jobs, Careers, and Callings: Peopl…」/Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)「Optimal experience in work and lei…」 ↗
人物
唐代の禅僧(749-814)。禅院における労働(作務)の規範を確立
出典に諸説あり
「好きなことを仕事に選べば、一生のうち一日も働かずに済む」

Choose a job you love, and you will never have to work a day in your life.

— 孔子(とされる) 『論語』等に該当句なし

※英語圏の格言が孔子に仮託されたもの

仕事と楽しみが一致すれば労働は苦役でなくなる

心理学では
この名言は、仕事を自分の生き方の一部と感じる「天職志向(コーリング:仕事そのものに意味と喜びを見いだす捉え方)」に重なる。Wrzesniewskiら(1997)は多様な職種の人を対象とした相関研究で、仕事を天職と捉える人ほど職務満足や人生満足が高いことを示した。Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)は、働く人の日常をその場で記録してもらう調査から、没頭感(フロー:時間を忘れて打ち込む状態)が余暇よりも仕事中に多く生じることを見いだした。ただし好きな仕事ほど休みを忘れがちなので、意識して休息をはさむとよい。日々の業務の中で夢中になれる場面を見つけ、少しずつ広げていくことが、働く時間を楽しみに変える一歩になる。 参考:Wrzesniewskiら(1997)「Jobs, Careers, and Callings: Peopl…」/Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)「Optimal experience in work and lei…」 ↗
人物
春秋時代の思想家
「自分の仕事を見つけた者は幸いである。彼はそれ以上の幸福を求める必要はない」

Blessed is he who has found his work; let him ask no other blessedness.

— トーマス・カーライル 『過去と現在』(1843)

自分の仕事の発見はそれ自体が祝福である

心理学では
カーライルのいう「自分の仕事」は、心理学でいう天職観(コーリング:仕事を生計の手段ではなく、自分にとって意味ある使命と感じる見方)に近い。Wrzesniewskiら(1997)は、さまざまな職種の働く人を対象に、仕事を「稼ぎの手段」「出世の道」「天職」のどれと捉えているかを調べた。その結果、天職と捉える人ほど、仕事の満足度だけでなく人生全体の満足度も高かった。同じ事務職の中にも三つの捉え方が混在しており、天職かどうかは職種よりも本人の向き合い方と関連していた。今の仕事の中で誰かの役に立つ場面や没頭できる瞬間を探し、そこに意味を見いだすことが、「自分の仕事」を見つける第一歩になる。 参考:Wrzesniewskiら(1997)「Jobs, Careers, and Callings: Peopl…」
人物
英国の思想家・歴史家(1795-1881)
「労働は、退屈・悪徳・貧困という三つの大きな悪を我々から遠ざける」

Work keeps at bay three great evils: boredom, vice, and need.

— ヴォルテール 『カンディード』(1759)

働くことには生活と心を守る複数の機能がある

心理学では
この名言は、Jahoda(1981)が唱えた仕事の潜在的機能(収入以外に、時間の枠組み・人とのつながり・目的や活動を与える働き)とよく重なる。Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)は、働く成人の日常を経験抽出法(1日に何度も状態を記録する方法)で調べた。その結果、フロー(没頭の状態)は余暇より仕事中に多く生じていた。またPaul & Moser(2009)のメタ分析では、失業中の人ほど心の不調が多く、縦断研究では再就職とともに改善する傾向が見られた。仕事を収入源としてだけでなく、一日に張りと仲間をもたらす場として捉え直すことが、働く意欲を支える。 参考:Jahoda(1981)「Work, employment, and unemployment…」 ↗/Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)「Optimal experience in work and lei…」 ↗/Paul & Moser(2009)「Unemployment impairs mental health…」
人物
フランスの啓蒙思想家(1694-1778)
「仕事が楽しみなら、人生は極楽だ。仕事が義務なら、人生は地獄だ」

— マクシム・ゴーリキー 戯曲『どん底』(1902)

仕事の捉え方そのものが人生の質を決める

心理学では
この名言は、仕事への向き合い方の違いを語っている。心理学では、仕事を収入のための手段とみる「ジョブ志向」と、仕事そのものに意味を見いだす「コーリング志向(天職としての捉え方)」を区別する。Wrzesniewskiら(1997)は、さまざまな職種の人を対象にした相関研究で、同じ事務職のなかにも両方の捉え方の人がいること、そして仕事を天職と捉える人ほど仕事にも人生全体にも満足していることを示した。Wrzesniewski & Dutton(2001)はさらに、仕事の進め方や人との関わり、意味づけを自分で組み替える「ジョブ・クラフティング(仕事の自主的な再設計)」を提唱した。業務の中身をすぐに変えられなくても、「この作業は誰の役に立っているか」と捉え直すことはできる。その小さな意味づけが、義務を楽しみに変える助けになる。 参考:Wrzesniewskiら(1997)「Jobs, Careers, and Callings: Peopl…」/Wrzesniewski & Dutton(2001)「Crafting a Job: Revisioning Employ…」 ↗
人物
ロシアの作家(1868-1936)。社会主義リアリズム文学
「偉大な仕事をする唯一の方法は、自分のやっていることを愛することだ」

The only way to do great work is to love what you do.

— スティーブ・ジョブズ 2005年スタンフォード大学卒業式スピーチ

仕事への愛が卓越の条件。見つかるまで探し続けよ

心理学では
この名言は、心理学でいう調和的情熱(自ら選び、生活のほかの面と両立する形で活動を愛する状態)に重なる。Vallerandら(2007)は競技者らを対象に、調和的情熱の強い人ほど意図的練習(課題を絞った質の高い練習)を多く重ね、それが高い成績と結びつくことを示した。Wrzesniewskiら(1997)の調査でも、仕事を天職(それ自体に意味を感じる営み)ととらえる人ほど、仕事と人生への満足度が高かった。ただし、愛するあまりほかを犠牲にしがちな場面では、休息や人間関係とのバランスを意識するとよい。日々の仕事で心が動く瞬間を書き留め、その要素を少しずつ増やしていくことが、愛せる仕事への近道になる。 参考:Vallerandら(2007)「On the Role of Passion in Performa…」 ↗/Wrzesniewskiら(1997)「Jobs, Careers, and Callings: Peopl…」
人物
Apple共同創業者(1955-2011)
出典に諸説あり
「「働く」とは「はた(傍)を楽にすること」」

— 日本で語られる通俗語源 出典不詳

※言語学的には俗解(実際の語源とは異なる)だが、意味づけの知恵として流通

働くことの本質を他者への貢献と捉える見方

心理学では
この名言は、心理学でいう向社会的動機づけ(他者の役に立ちたいという意欲)や、知覚された社会的インパクト(自分の仕事が誰かに良い影響を与えているという実感)を、働く意味の中心に置く見方である。Grantら(2007)は、大学の寄付を募る電話係を対象にした実験で、奨学金を受けた学生と短く対面した人ほど、その後の通話時間や集めた寄付額が増えることを示した。Grant(2008)も、受益者の感謝の声を読むだけで、仕事への粘り強さや成果が高まることを実験で確かめている。自分の仕事で助かった人の言葉を手元に残したり、成果が誰に届くのかを確かめたりすることが、日々の働く意欲を支える。 参考:Grantら(2007)「Impact and the art of motivation m…」 ↗/Grant(2008)「The significance of task significa…」 ↗
「芸術とは、労働における人間の喜びの表現である」

Art is the expression of man's pleasure in labour.

— ウィリアム・モリス 講演「民衆の芸術」(1879)

芸術を美術館の中の特別なものではなく、「働く喜びが形になったもの」と定義し直した言葉。喜びなしに作られた物は人を幸せにせず、喜んで作られた物は日用品でも芸術になる ── 労働と幸福を直結させた美学

心理学では
モリスの言う「労働の喜び」は、心理学でいう内発的動機づけ(活動そのものの楽しさから生まれる意欲)に当たる。Amabile(1985)は、創作に励む若者を対象にした実験で、書くことの楽しさを思い起こした人は、報酬や評価などの外的な理由を思い起こした人よりも創造的な詩を書くことを示した。喜びは作品の質に表れるのである。また、Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)は働く人の日常を調べ、フロー(時間を忘れるほどの没頭)が余暇よりも仕事中に多く生じ、その最中ほど気分が前向きであることを見いだした。手を動かす過程そのものを味わう工夫が、日々の仕事を自分の作品に変える。 参考:Amabile(1985)「Motivation and creativity: Effects…」 ↗/Csikszentmihalyi & LeFevre(1989)「Optimal experience in work and lei…」 ↗
「勤労なき人生は罪であり、芸術なき勤労は野蛮である」

Life without industry is guilt, and industry without art is brutality.

— ジョン・ラスキン オックスフォード大学講義『芸術の政治経済』(1857)ほか

働かない人生は空虚だが、喜びも美も工夫もない労働は人間を壊す ── 労働と芸術(創意・喜び)は切り離してはならない、という産業革命期の警告。モリスの民衆芸術論、後の労働の人間化運動の源流

心理学では
ラスキンのいう「芸術」とは、仕事の中に創意や手ごたえがあることである。心理学では、これを職務特性(仕事に技能の多様さ、裁量、やり遂げる完結性、成果の手ごたえがあるか)として捉える。Hackman & Oldham(1976)はさまざまな職種の働き手を調べ、技能を幅広く使え、自分で判断でき、成果が見える仕事に就いている人ほど、内側から湧く意欲と満足感が高いことを示した。またKarasek(1979)は米国とスウェーデンの働き手の調査データから、求められることは多いのに裁量(自分で決められる幅)の乏しい仕事が、疲弊や抑うつと関連することを見いだした。決められた作業の中にも自分なりの工夫をひとつ加えることが、仕事を人間らしい営みに変える助けになる。 参考:Hackman & Oldham(1976)「Motivation through the design of w…」 ↗/Karasek(1979)「Job Demands, Job Decision Latitude…」 ↗
人物
英国の思想家・美術評論家(1819-1900)。『この最後の者にも』でガンジーに影響
「仕事は恥ではない。働かないことこそ、恥である」

Work is no disgrace: it is idleness which is a disgrace.

— ヘシオドス 『仕事と日』(BC8世紀頃)

怠惰な弟に宛てて書かれた、西洋最古の「働き方」の教訓詩の中心命題。神々は人間に労働を課したが、それは呪いではなく、家と暮らしを立てる唯一の正当な道である ── 労働を恥とした貴族的価値観への、農民詩人の反論

心理学では
ヘシオドスの言葉は、ヤホダの「潜在的機能」理論(仕事は収入に加え、時間の枠組み・人とのつながり・共通の目的・社会的な立場・日々の活動をもたらすという考え)と重なる。Jahoda(1981)は、働けないことのつらさの核心は、お金の不足よりも、こうした心の支えを失うことにあると論じた。Paul & Moser(2009)のメタ分析でも、失業者ほど抑うつや不安が強く、縦断研究では失業後に心の健康が悪化し、再就職で回復する傾向が示された。賃金労働に限らず、役割と目的のある営みも同じ支えを担いうる。誰かの役に立つ務めを日々一つ引き受けることが、暮らしの張りと誇りにつながる。 参考:Jahoda(1981)「Work, employment, and unemployment…」 ↗/Paul & Moser(2009)「Unemployment impairs mental health…」
人物
古代ギリシャの詩人。ホメロスと並ぶ最古の詩人
「自分のやることを愛せ。子どもの頃、映写室を愛したように」

Whatever you end up doing, love it.

— アルフレード(映画『ニュー・シネマ・パラダイス』) ジュゼッペ・トルナトーレ監督(1988、イタリア)

村を出る青年に、盲目の映写技師が贈る餞別の言葉。何をやるかより、子どもの頃の映写室のような「愛し方」で仕事に向かえるか ── 職業選択ではなく職業との関係の質を説く名台詞

心理学では
この名言は、仕事への情熱は職種に備わっているものではなく、仕事との関わり方の中で育つという見方に重なる。心理学では、仕事を使命や生きがいとして捉える構えを「天職志向」(コーリング)と呼ぶ。Wrzesniewskiら(1997)の調査では、同じ事務職の人々の中にも、仕事を生計の手段とみる人と天職とみる人がいた。そして、天職とみる人ほど仕事と人生への満足が高かった。またO'Keefeら(2018)の一連の研究では、興味は育つもの(関心の成長観)と考える人ほど、新しい分野にも関心を広げやすかった。目の前の仕事に子どもの頃のような好奇心で小さな工夫を加えることが、仕事への愛着を育てる第一歩になる。 参考:Wrzesniewskiら(1997)「Jobs, Careers, and Callings: Peopl…」/O'Keefeら(2018)「Implicit Theories of Interest: Fin…」 ↗
人物
エンニオ・モリコーネの音楽とともに愛される映画
「成功は偶然ではない。それは努力、忍耐、学習、研究、犠牲、そして何よりも、自分のしていることへの愛である」

Success is no accident... and most of all, love of what you are doing.

— ペレ 発言として広く知られる

サッカーの王様が挙げた成功の材料リスト。努力・忍耐・学習と積み上げた最後に、「何よりも(most of all)」と最上位に置かれたのは、技術でも運でもなく「愛」だった ── 継続の燃料の序列を示した言葉

心理学では
ペレが最上位に置いた「愛」は、心理学でいう調和的情熱(好きな活動に自ら選んで打ち込み、それが生活の他の部分とも調和している状態)にあたる。義務感や執着に駆られる強迫的情熱と区別して、Vallerandら(2003)が提唱した概念である。Vallerandら(2007)は、バスケットボールや水球などの選手を追った縦断的な調査で、情熱の強い選手ほど意図的練習(弱点を狙って繰り返す地道な練習)に多くの時間を注いでおり、それが高い成績と結びついていることを示した。調和的情熱は、選手の幸福感の高さとも関連していた。日々の仕事でも「この作業のどこが好きか」を言葉にしておくことが、努力と忍耐を長く続ける燃料になる。 参考:Vallerandら(2003)「Les passions de l'âme: On obsessiv…」 ↗/Vallerandら(2007)「On the Role of Passion in Performa…」 ↗
人物
ブラジルのサッカー選手(1940-2022)。W杯3度優勝

つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの

内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →

あわせて読む 世界の主要ウェルビーイング研究 → 名言が言ってきたことを、研究はどう確かめてきたか。幸せの研究の著名論文2,358本を、要旨と研究の系譜で。 思想ごとの名言も 世界の思想と宗教の幸福観マップ → 47の思想・宗教それぞれを代表する名言を、思想の幸福観とあわせて。
名言の収集・分類・解説はAI(Claude)を活用し、はぴテックが確認したものです。「出典に諸説あり」の名言は、その人物の言葉として流通しているものの一次資料での確認が難しいもの、「要旨」は趣旨を短くまとめたものです。心理学の補足は、名言の知恵を心理学・幸福研究の知見で読み解いたもので、引用した論文は学術データベースで実在を照合しています。 解説付き全選(PDF) / 一覧(Excel)
© 株式会社はぴテック