幸せの名言集

新約聖書の名言5選

「求めよ、さらば与えられん」

Ask, and it shall be given you.

— 新約聖書 マタイによる福音書7:7

自ら求めて行動する者に道は開かれる

心理学では
この名言は、心理学でいう援助要請(困ったときに他者へ助けを求める行動)や、自分から情報や機会を取りにいくプロアクティブ行動(先回りして働きかける行動)の価値を言い当てている。Flynn & Lake(2008)は、大学生が見知らぬ人に質問紙への回答や携帯電話の貸し出しなどを頼む実験を行った。その結果、頼む側は、相手が応じてくれる見込みを実際よりかなり低く見積もることが分かった。人は「断られるだろう」と思い込み、求める前に自分から機会を手放しがちなのである。ただし、相手の事情を気づかう一言を添えると、求める行為はより実りやすくなる。迷ったときはまず一言たずねてみることが、道を開く第一歩になる。 参考:Flynn & Lake(2008)「If you need help, just ask: Undere…」 ↗
「隣人を自分のように愛しなさい」

Love your neighbor as yourself.

— 新約聖書 マルコによる福音書12:31

自他への愛は一体である

心理学では
この言葉は、自分への思いやり(セルフ・コンパッション:苦しいときの自分に、友人へ向けるような優しさを向けること)と他者への思いやりが一体であることを示す。Neff & Pommier(2013)の相関研究では、とくに一般の成人や瞑想の実践者において、自分に優しい人ほど他者への共感や許しの気持ちが強かった。またFredricksonら(2008)の実験では、まず自分に、次に他者へと慈しみを広げていく瞑想(慈悲の瞑想)を続けた人で前向きな感情が増え、人とのつながりの実感や人生の満足感も高まった。誰かに優しくしたいときこそ、まず自分に労いの言葉をかけることが、隣人への温かさにつながる。 参考:Neff & Pommier(2013)「The Relationship between Self-comp…」/Fredricksonら(2008)「Open hearts build lives: Positive …」
「愛は寛容であり、愛は情け深い。妬まず、誇らず、高ぶらない」

Love is patient, love is kind.

— 新約聖書 コリントの信徒への手紙一 13章

愛の本質は忍耐と善意にある

心理学では
この言葉が描く「寛容」は、心理学でいう適応的応答(相手の心ない言動に仕返しせず、建設的に応じること)に重なる。Rusbultら(1991)は恋人や夫婦を対象とした一連の研究で、こうした応じ方をする人ほど関係への関与が強く、関係が良好であることを示した。「妬まず」についても、Gableら(2004)が、良い知らせを伝えたときに相手が心から喜んで応えてくれると感じている人ほど、関係満足度が高いことを明らかにしている。相手の失敗には一呼吸おき、相手の喜びには身を乗り出して応える。その小さな積み重ねが、愛を言葉から行いへと変えていく。 参考:Rusbultら(1991)「Accommodation processes in close r…」 ↗/Gableら(2004)「What Do You Do When Things Go Righ…」 ↗
「明日のことを思い煩うな。明日のことは、明日自らが思い煩う」

Do not worry about tomorrow, for tomorrow will worry about itself.

— 新約聖書 マタイによる福音書6:34

心配の単位を「今日」に区切れ

心理学では
この名言は、心理学でいう「心配の先送り(ワーリー・ポストポーンメント:心配する時間と場所をあらかじめ決め、それ以外の時間に浮かんだ心配はそこまで後回しにする技法)」に通じる。Borkovecら(1983)は、慢性的な心配に悩む人を対象に実験を行い、決まった「心配タイム」以外の心配を先送りする方法が、心配に費やす時間を減らす効果を示した。またLaFreniereとNewman(2020)は、全般性不安症(日常のさまざまなことを過度に心配し続ける状態)の人に心配ごとを記録してもらい、後日その結果を確かめたところ、心配の大半は実際には起こらなかったと報告している。夜に明日の不安が浮かんだら「明日の心配タイムに考える」とメモして手放し、今日の自分は今日の課題に集中する。その区切りが、穏やかな一日につながる。 参考:Borkovecら(1983)「Stimulus control applications to t…」 ↗/LaFreniere & Newman(2020)「Exposing Worry’s Deceit: Percentag…」 ↗
「空の鳥を見よ。播かず、刈らず、倉に納めず。それでも養われている」

Look at the birds of the air; they do not sow or reap.

— 新約聖書 マタイによる福音書6:26

自然は思い煩いなしに生きている

心理学では
この言葉は、先のことをすべて自分の力で確定させようとする構えを手放すよう促している。心理学では、先行きの見えなさを耐えがたく感じる傾向を「不確実性への不耐性」(わからない状態への我慢しにくさ)と呼び、心配を長引かせる要因とみなす。Dugasら(1998)は、この傾向が強い人ほど慢性的な心配や不安を抱えやすいことを示した。さらにLadouceurら(2000)の実験では、不確実さを受け入れにくい気持ちを高められた参加者は、そうでない参加者より心配が増えた。「わからなさ」を許すことが、思い煩いを軽くする鍵である。明日の段取りを整えたら、残りは成り行きに委ねる。その練習が心の余白につながる。 参考:Dugasら(1998)「Generalized anxiety disorder: a pr…」 ↗/Ladouceurら(2000)「Experimental manipulation of intol…」 ↗

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