2026.08.16

はぴテク相談室:「人生の意味とか、考えたほうがいいんですか?」の話

相談者

はぴテクさん、ちょっとモヤモヤしてることがあって。この前、友人に「人生の意味って考えたことある?」って聞かれたんです。正直、そんなの考えても答えが出ないし、考えるだけ無駄かなって思ってて。でも友人はすごく真剣に考えてるみたいで。なんか、自分が浅い人間な気がしてきちゃって。

はぴテクさん
はぴテクさん

なるほど、それはモヤモヤしますね。でも安心してください。実は「意味なんて考えても無駄」と感じる人は、けっこうたくさんいるんですよ。ロシアの研究チームが364人を調べたところ、人生の意味の捉え方は大きく4タイプに分かれることが分かったんです。

相談者

4タイプ、ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい。①「無関心タイプ」(意味なんて幻想、考えるだけ無駄)、②「アンビバレンスタイプ」(気になるけど、答えがあるのか分からない)、③「受容タイプ」(意味はあると思う。でも自分の行動とは別のところにあるもの)、④「探求タイプ」(意味は自分の選択で作っていくもの)の4つです。あなたはどれに近いですか?

相談者

うーん…①だと思ってたんですけど、こうしてモヤモヤしてる時点で、②かもしれないです。気にはなってるんですよね、実は。

はぴテクさん
はぴテクさん

いい気づきですね。実はこの研究、面白いことがもう1つ分かっていて。この4タイプ、「大人の発達段階」と関係していたんです。

相談者

大人の発達段階? 大人になっても発達するんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

するんです。成人発達理論という分野があって、大人の心の器は段階的に育っていくと考えられています。たとえば「みんなに合わせることが大事」という段階から、「自分の内面に気づく」段階、「自分なりの基準で考える」段階へ、という具合に。そしてこの研究では、①→②→③→④のタイプ順に、発達段階が高い人の割合がきれいに増えていったんです。

相談者

えっ、じゃあやっぱり、意味を考えない私は発達段階が低いってことじゃないですか…。

はぴテクさん
はぴテクさん

そう聞こえますよね。でもここが大事なポイントで、順番が逆なんです。「意味を考えるべきだから考える」のではなくて、心の器が育ってくると、意味の問いが自然と「自分事」になってくる。つまり、無理に考えるものではなく、育ちとともに向こうからやってくるものなんですよ。

相談者

向こうからやってくる…。でも、意味なんて考えて、何かいいことあるんですか? 幸せになれるとか?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭い質問です。実はこの研究のいちばん面白いところがそこで。「発達段階が高い人ほど幸せか」を調べたら、直接の関係はvery弱かったんです。相関でいうと0.1くらい。ほぼ無いに等しいレベルです。

相談者

えっ、じゃあ発達しても幸せになれないんですか? なんだかがっかりです。

はぴテクさん
はぴテクさん

ところが、です。統計的に中身を分解すると、隠れた通り道が見つかったんです。「発達段階が高い」→「成長や意味を求める気持ちが強まる」→「幸福度が高い」という経路です。発達そのものが幸せを運ぶんじゃなくて、発達とともに育つ「意味への関心」が、幸せへの通り道になっていたんですよ。

相談者

へえ…! じゃあ、意味を「持ってる」人が幸せってことですか? 私、人生の目的とか、はっきり持ってないんですけど。

はぴテクさん
はぴテクさん

これも面白いデータがあって。ふつう「意味を持っている感覚」と「意味を探している状態」は逆の関係なんです。持ってる人は探さないので。ところが、発達段階も幸福度も高い人たちは、意味を持ちながら、同時に探し続けていたんです。

相談者

持ってるのに、探すんですか? 矛盾してません?

はぴテクさん
はぴテクさん

心理学者のフランクルが言っているんですが、意味は一度見つけたら終わり、というものではないんです。人生の状況が変わるたびに、新しく探し直すもの。就職したとき、家族ができたとき、仕事を失ったとき。そのつど「今の自分にとっての意味」を探し直す。だから「持ちつつ探す」が矛盾しないんですね。

相談者

なるほど…。完成品を1個手に入れるんじ�ゃなくて、更新し続ける感じなんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそれです。そしてもう1つ、発達段階が上がると、意味の「捉え方」自体が変わることも分かりました。低い段階では、意味は「どこかにある正解」や「他人事の抽象論」なんです。それが段階が上がるにつれて、「自分の選択の積み重ねで実現していく現実」に変わっていく。

相談者

あ、それ、④の探求タイプの説明とつながりますね。「意味は自分の選択で作っていくもの」って。

はぴテクさん
はぴテクさん

その通り! よくつながりましたね。だからあなたが今「考えても無駄」と感じているのは、能力の問題ではなくて、まだ意味の問いが「自分事」になるタイミングじゃなかった、というだけかもしれません。そして今日こうしてモヤモヤしているのは、それが自分事になりかけているサインかもしれませんよ。

相談者

モヤモヤがサイン…。そう言われると、ちょっと前向きに思えてきました。でも、何から始めればいいんでしょう。いきなり「人生の意味とは」って考えても、たぶん固まっちゃいます。

はぴテクさん
はぴテクさん

大きな問いから入る必要はないんです。おすすめは、日々の選択を少しだけ意識することです。この研究で幸福とつながっていたのは「成長や意味を求める気持ち」でした。具体的には「自分が信じることをやってみる」「ちょっと難しいことに挑戦してみる」みたいな小さな行動です。そういう選択の積み重ねの方向性が、あとから振り返ったときに「意味」として見えてくる、という考え方もあるんですよ。

相談者

先に意味を決めるんじゃなくて、選択を重ねていくと、あとから意味が見えてくる…。それなら、できそうな気がします。

はぴテクさん
はぴテクさん

あ、それと大事な補足を1つ。この研究では「のんびりする」「気楽に楽しむ」といった快楽的な幸せの追求は、発達段階と関係がありませんでした。つまり、ダラダラ休む幸せは誰にとっても大事で、意味の追求と両立するんです。「意味を考えなきゃ」と気負って、休むことに罪悪感を持つ必要はまったくありませんからね。

相談者

よかった(笑)。意味も探しつつ、ダラダラもしていいんですね。なんだか、友人に引け目を感じてたのがバカらしくなってきました。私は私のペースで、小さな選択から始めてみます。

はぴテクさん
はぴテクさん

それがいちばんです。意味の問いは競争ではなく、心の器が育つとともに、それぞれのタイミングで訪れるものですから。モヤモヤしたら、またいつでも相談に来てください。

■ 今日のまとめ

  • 「発達段階が高いほど幸せ」という直接の関係はごく弱い。発達とともに育つ「成長・意味への関心」こそが、幸せへの通り道になる
  • 意味は一度見つけて終わりではなく、「持ちながら探し続ける」もの。発達段階と幸福度が高い人は、その両方をやっていた
  • 意味を考えないことは浅さの証拠ではない。意味の問いは、心の器が育つにつれて「他人事」から「自分事」へと自然に変わっていく

■ 出典・注意事項

  • Osin, E. N., Voevodina, E. Yu., & Kostenko, V. Yu. (2023). A growing concern for meaning: Exploring the links between ego development and eudaimonia. Frontiers in Psychology, 14, 958721. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2023.958721

  • 本研究はロシア語話者364名(高学歴層中心)を対象とした横断研究です。1時点の調査のため、「発達が先か、意味への関心が先か」という因果の方向は特定できません。対話中の「発達すると意味が自分事になる」という表現は、理論と相関データに基づく解釈である点にご注意ください

  • 4タイプの分類は統計的な傾向であり、個人を固定的にラベルづけするものではありません

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

論文自体のの紹介はこちら😊
「発達段階が高い人ほど幸せ」は本当か?
https://archive.happytech.co.jp/posts/2026-08-16-1786852740/

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