はぴテク相談室:毎日がなんとなく楽しくない、の話
はぴテクさん、最近なんだか毎日が楽しくないんです。仕事も普通、休日も普通。特に不幸なわけじゃないんですけど、幸せかと言われると…うーん、という感じで。
なるほど、「特に不幸じゃないけど幸せでもない」。実はそういう方、多いんですよ。ちょっと聞きますね。普段、休日は何をして過ごしていますか?
だいたい一人で家にいます。スマホ見たり、ご飯食べたり。楽なんですけどね。
楽なのは大事ですね。ただ、面白い研究があるんです。日本の大学生に、スマホで1日3回×60日間「今、幸せ?何してる?誰といる?」と聞き続けた調査で、一人でいるときは幸福度が下がりやすいことが分かったんです。
やっぱり、一人はダメなんですか…。友達と会えばいいってことですか?
それが、そう単純でもないんです。この研究の面白いところは「何をするか×誰とするか」の組み合わせで見たところ。例えば、友達といると基本的には幸福度が上がるんですが、「友達と仕事」の組み合わせだと、逆に下がっていたんです。
えっ、友達と一緒でも下がることがあるんですか。
そうなんです。逆のパターンもあって、家族と一緒というだけだと幸福度は低めだったのに、「家族と外出」になるとぐっと上がる。あと「食事」は幸せな活動なんですが、「一人で食事」だと効果が弱まっていました。
あー…。私、ご飯もいつも一人です。それか、誰と何をするかのかけ算なんですね。
その通り、かけ算です。だから「とにかく人に会えばいい」でも「一人はダメ」でもなくて、組み合わせを少し意識するだけで、同じ時間の幸福度が変わる可能性があるんです。
なるほど…。でも正直、人と会うのって腰が重くて。一人でもできることはないですか?
あります。この研究にはもう一つの発見があって、それが「ユーモアのレパートリー」なんです。
ユーモアのレパートリー?面白い人になれってことですか?私、冗談とか苦手で…。
いえいえ、才能の話じゃないんです。研究では6種類のユーモア行動を調べました。面白い動画を見る、大笑いする、自分から冗談を言う、日常に面白さを見つける、自分の失敗を笑い飛ばす、笑ってストレスを和らげる。この「種類の数」が多い日ほど、幸福度が高かったんです。
量じゃなくて、種類なんですか?
そこがポイントです。同じ動画を10本見るより、動画で笑って、ちょっと冗談も言って、失敗も笑い飛ばして…と、いろんな笑い方をした日の方が幸せだった、ということなんです。1種類増えるごとに幸福度が上がる関連が、日単位でも、直前15分でも確認されました。
15分でも!じゃあ、今日の帰り道からできますね。でも「日常に面白さを見つける」って、どうやるんですか?
例えば、電車の中吊り広告の変なキャッチコピーとか、猫の妙な寝相とか。「あ、ちょっと面白いな」と気づくだけでいいんです。私は「今日の小さな面白かったこと」を寝る前に一つ思い出すのをおすすめしています。
それならできそう。あと、失敗を笑い飛ばすのも入ってるのが意外でした。失敗って落ち込むものだと思ってたので。
そこは幸せの4つの因子でいう「なんとかなる!」因子に近いところですね。失敗を深刻に抱え込まず「まあ、ネタになったな」と扱えると、前向きさと楽観性が育ちます。笑いは、失敗との距離を取る道具にもなるんです。
なるほど…。あ、でも一つ気になって。人と会うにしても、正直、気を遣う相手だと疲れるんですよね。
いい視点です。実はこの研究の2つ目の調査では、一緒にいる相手との「親密さ」も測っていて、親しいと感じる相手といる瞬間ほど幸福度が高いことが分かっています。「友達」という肩書きより、自分が心を許せているかどうかが大事なんです。
じゃあ、無理にたくさんの人と会わなくても、気楽な人と、楽しいことをするのがいいんですね。
その通りです。これは「つながりと感謝」の因子そのものですね。まとめると、①誰と何をするかの組み合わせを意識する、②一人の時間には笑いのレパートリーを増やす、③会うなら心を許せる人と。この3つで、日常の「普通」が少しずつ「ちょっと幸せ」に変わっていくと思いますよ。
今日の帰りに面白い動画を見て、週末は久しぶりに仲のいい友達をご飯に誘ってみます。一人ご飯からの卒業です(笑)
今、自分の状況を笑い飛ばしましたね。それ、もうレパートリーの1つ目ですよ。
■ 今日のまとめ
- 幸福度は「何をするか×誰とするか」のかけ算で決まる。友達と仕事は下がり、家族と外出は上がる。組み合わせを意識しよう
- 笑いは量より「レパートリー」。見て笑う、冗談を言う、日常に面白さを見つける、失敗を笑い飛ばす…種類が多い日ほど幸せ
- 関係の肩書きより「親密さ」。心を許せる相手と過ごす時間が、幸福度を高める
■ 出典・注意事項
- Kumasaki, N., Todo, N., & Matsuda, S. (2026). Daily Happiness in Contexts: Associations of Activities, Social Companions, and Humor Use across Two 2-Month Experience Sampling Studies. Journal of Happiness Studies, 27, 113. https://doi.org/10.1007/s10902-026-01095-3
- 本研究は日本の大学生(計約50名)を対象とした相関研究であり、「ユーモアが幸福を高める」という因果関係を証明したものではありません
- 対話中の実践アドバイスは、論文の知見をもとにした一般的な提案であり、効果には個人差があります
論文の紹介はこちら😊
https://archive.happytech.co.jp/posts/2026-09-11-1789098900/