ウェルビーイングの調査・報告書

2022年版テーマ:こども・若者の居場所(安心できる場所・相談できる人・助けてくれる人)と自己認識、ひきこもりに関する状況

こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度、2023年3月内閣府公表・同4月こども家庭庁へ移管)

こども家庭庁(2022年度調査は内閣府が実施し、2023年4月にこども家庭庁へ移管)

内閣府が2022年11月に全国の10〜69歳を対象に実施し、2023年3月に公表した「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」の号である。2023年4月にこども家庭庁へ移管された。いちばんの話題は「居場所」である。安心できる場所や相談できる人がいる場所を多く持つ若者ほど、「今、自分が幸せだと思う」「今の自分が好きだ」と答える割合が高い傾向が、はっきりした数字で示されている。あわせて、ひきこもり状態にある人の推計割合も報告している。

この号の内容

家庭は安心、ネットは相談先が乏しい

家庭・学校・地域・職場・インターネット空間の5つの場について、肯定的に答えた人の割合を比べている。肯定的とは「そう思う」と「どちらかといえば、そう思う」を合わせた回答である。家庭は3項目とも最も高く、「安心できる場所になっている」が88.0%、「助けてくれる人がいる」が93.3%だった。学校は「助けてくれる人がいる」76.1%、「相談できる人がいる」65.7%と家庭に次いで高いが、「安心できる場所」は半数程度にとどまる。インターネット空間は「安心できる場所」が58.2%と6割近い一方、相談・助けの2項目は1割台で、5つの場のなかで最も低い。職場は「安心できる場所」が41.0%で、5つの場のなかで最も低い。

📖 報告書では:第3部第1章1.(1)「場ごとの認識」(報告書p.153–154)

安心できる場所が多いほど幸福感も高い

15〜39歳の回答をもとに、自分の部屋・家庭・学校・職場・地域・インターネット空間のうち、居場所だと答えた数(0〜6)ごとに自己認識を比べている。「今、自分が幸せだと思う」に肯定的に答えた割合は、居場所が0個の人で39.6%、6個の人で96.5%だった。「今の自分が好きだ」(自己肯定感)は24.5%から80.3%へ、「将来について明るい希望を持っている」は43.4%から84.7%へと、場所の数が多い人ほど高い。「うまくいくかわからないことにも意欲的に取り組む」(チャレンジ精神)は41.5%から74.8%、「社会のために役立つことをしたい」(社会貢献意欲)は62.3%から92.5%だった。

📖 報告書では:第3部第1章1.(2)①「『安心できる場所』の数との関係」(報告書p.154–155)

相談相手・助けてくれる人の数でも同じ傾向

家族・親族、学校で出会った友人、職場・アルバイト関係の人、地域の人、インターネット上の他者のうち、相談できる人がいる場の数(0〜5)で比べても同じ傾向がみられる。今の幸福感は0個の人で58.8%、5個の人で93.5%だった。将来への希望は34.6%から92.5%、自己肯定感は33.1%から86.9%へと上がる。困ったときに助けてくれる人がいる場の数でみると、今の幸福感は0個で36.2%、4個で92.6%、5個で92.2%である。将来への希望は19.5%から84.7%へ上がる。「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」という主張性は、相談できる場が0個の人で34.3%、5個の人で83.2%だった。報告書は、0個と1個以上の差が相談できる場では10ポイント以上あり、ほかの2種類の場より開きが大きいと指摘している。

📖 報告書では:第3部第1章1.(2)②〜④(報告書p.154、156–158)

居場所が少ない人ほど支援から遠い

安心できる場所の数と、支援についての経験や意向との関係もみている。居場所が0個の人では「誰にも相談したくない」が30.2%だったのに対し、6個の人では5.5%だった。「知っている支援機関等はない」は32.1%と13.9%、「支援機関等を利用したいと思わない」は69.8%と42.6%である。困難な状態が改善した経験があった人は、0個の人で54.8%、6個の人で81.7%だった。報告書は、居場所の数が少ない人ほど、困難が改善した経験が少なく、支援機関の認知度や利用意向、相談の希望が低い傾向があるとまとめている。

📖 報告書では:第3部第1章1.(3)「『安心できる場所』の数と支援に関する経験や意向等との関係」(報告書p.159)

10代ほど今も将来も前向き

「今、自分が幸せだと思う」に肯定的に答えた割合は、10〜14歳で94.2%、15〜19歳で87.6%、10〜39歳全体で86.1%だった。社会貢献意欲は、10〜14歳88.2%、15〜19歳88.6%、全体83.9%である。将来への希望は10〜14歳82.0%、15〜19歳76.6%、全体69.2%だった。「幸せになっていると思う」(将来の幸福感)は89.9%、83.7%、79.0%である。報告書は、とりわけ10代前半が全体より10ポイント以上高いとしている。

📖 報告書では:第3部第1章1.(4)「現在に関する自己認識」・(5)「将来に関する自己認識」(報告書p.160–161)

ひきこもりは15〜39歳で2.05%

ふだん趣味の用事やコンビニ程度しか外出しない、または家や自室から出ない状態が6か月以上続き、病気・家事育児・在宅就業などの類型にあてはまらない人を「広義のひきこもり群」と定義している。該当者は15〜39歳で144人(有効回収数の2.05%)、40〜69歳で155人(2.97%)、うち40〜64歳は86人(2.02%)だった。現在の状態になった理由に「新型コロナウイルス感染症が流行したこと」を挙げた人は、15〜39歳で18.1%、40〜69歳で20.6%である。15〜39歳のひきこもり群では、「今、自分が幸せだと思う」が49.3%(それ以外の人は85.1%)、「今の自分が好きだ」が36.1%(同60.5%)だった。10〜14歳の「外出頻度の低いこども群」は63人(4.14%)だった。

📖 報告書では:第3部第2章「ひきこもりに関する状況等」1.定義・2.クロス集計結果(報告書p.162–165、168–170)

日本の結果

本調査は日本全国を対象とした調査である。「今、自分が幸せだと思う」に肯定的に答えた人は、10〜14歳で94.2%、15〜39歳で84.4%、10〜39歳全体で86.1%だった。15〜39歳で「今の自分が好きだ」に肯定的に答えた人は60.0%、「自分自身に満足している」は49.0%で、幸福感に比べて自己評価は低めである。家庭は「安心できる場所」として88.0%の肯定を集めた。一方、地域で「相談できる人がいる」は16.5%にとどまる。

この号の調べ方

全国の10〜39歳20,000人と40〜69歳10,000人を、層化二段無作為抽出法で選んでいる。これは、地区と都市規模で層に分けたうえで地点と人を無作為に選ぶ方法である。調査は2022年11月10日〜25日に、郵送とオンライン回答を併用して行った。有効回収数は、10〜39歳が8,555人(回収率42.8%、うち10〜14歳1,520人・15〜39歳7,035人)、40〜69歳が5,214人(52.1%)である。年代別に3種類の調査票を用い、居場所と自己認識の分析は主に15〜39歳の回答を、場の数ごとに分けて集計(クロス集計)している。

この号から言えること

  • 居場所や相談相手を多く持つ若者ほど、幸福感・自己肯定感・将来への希望が高い傾向がある。たとえば今の幸福感は、居場所0個で39.6%、6個で96.5%と大きく開いている。
  • 居場所が少ない人ほど「誰にも相談したくない」「知っている支援機関はない」と答える割合が高い。支援が届きにくい層と、居場所の乏しさが重なっている。
  • インターネット空間は約6割が「安心できる場所」と答える一方、相談・助けの面では1割台にとどまる。ほっとできる場であることと、頼れる相手がいることは別の問題として表れている。
  • 今の幸福感も将来への希望も、10代前半が最も高く、年齢が上の層ほど低い。

読むときの注意

居場所の数と幸福感などの関係は同じ時点でのクロス集計による相関である。居場所が多いことが幸福感を高めるという因果を示したものではない。居場所0個の人は53人と少なく、困難改善経験の0個は31人で、報告書が原則として本文分析の対象外とする50人未満にあたる。ひきこもり群の割合も、同じ定義を機械的にあてはめた推計である。報告書自身が、実際には該当しない人を含む可能性や、該当する人が除かれている可能性があるとしている(標本誤差は15〜39歳で±0.47%)。

出典

主に参照した箇所:第1部第1章 調査設計(報告書p.1–4)、第3部第1章 こども・若者の意識(報告書p.153–161)、第3部第2章 ひきこもりに関する状況等(報告書p.162–170)。この記事は、上の公式資料に書かれていることだけをもとにAIが書き、記事中の数字が元資料にあることを照合しています(2026-10-12取得)。正確な値や文脈は原典で確かめてください。

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