この号の内容
幸福感と生活満足度
「今、自分が幸せだと思う」に肯定的に答えた人は、10〜14歳で94.6%(「そう思う」63.1%)、15〜39歳で86.3%(同41.5%)である。生活満足度(0〜10点の11段階で今の生活への満足を答える質問)の平均は、10〜14歳が8.0点、15〜39歳が6.5点である。10〜14歳では「10点」が25.9%で最も多く、7点以上が82.6%を占める。15〜39歳では「7点」が21.1%で最も多く、7〜10点は57.1%、0〜3点は11.3%である。
📖 報告書では:結果の概要PDF p.8「今の幸福感」「生活満足度」
「今の自分が好きだ」が上昇
10〜14歳で「今の自分が好きだ」に肯定的に答えた人は83.1%で、令和4年の78.6%から上がった。同じ年代で「親(保護者)から愛されていると思う」は97.4%に達し、肯定的な4項目の中で最も高い。15〜39歳では「今の自分が好きだ」が67.5%(令和4年60.0%)、「自分らしさがある」が86.3%(同84.1%)である。ただし15〜39歳で「自分自身に満足している」は56.6%にとどまる。
📖 報告書では:結果の概要PDF p.6–7「自己認識」
居場所は家庭と自分の部屋
「ほっとできる・安心できる場所か」を場所ごとに尋ねると、10〜14歳では家庭91.9%、自分の部屋80.7%、学校74.5%、インターネット空間67.2%、地域60.1%の順である。15〜39歳では家庭86.9%、自分の部屋84.2%、インターネット空間59.8%、地域50.1%、学校46.5%、職場44.3%と続く。15〜39歳で居場所が1つ以上ある人は98.1%で、令和4年と同じ値である。
📖 報告書では:結果の概要PDF p.9「居場所」、p.14「安心できる場所の数」
孤独感は年代で差
「どの程度孤独であると感じるか」という直接質問では、10〜14歳の42.8%が「まったくない」、32.2%が「ほとんどない」と答えた。15〜39歳では「決してない」が16.5%、「ほとんどない」が33.1%である。UCLA孤独感尺度(「話せる人がいない」など3項目を点数化して孤独感を測る方法)を参考にした間接質問でも、同じ傾向が見られる。15〜39歳の間接質問で「決してない」は14.5%で、令和4年の11.6%から増えた。
📖 報告書では:結果の概要PDF p.10「孤独感」
困難・落ち込み経験が増加
10〜14歳で、ものごとがうまくいかず落ち込んだ経験がある人は79.7%で、令和4年の67.8%から増えた。15〜39歳で、社会生活や日常生活を送るうえで困難を経験した人は59.5%で、令和4年の45.1%から増えている。困難から改善した経験がある人は、10〜14歳で91.9%、15〜39歳で71.6%である。立ち直ったきっかけとして、10〜14歳では「友だちの助け」61.9%と「家族や親せきの助け」61.0%が多い。15〜39歳では「家族や親戚の助け」56.1%が最も多い。
📖 報告書では:結果の概要PDF p.18–19「落ち込んだ経験」「困難に直面した経験」
満足度と関連する要因
15〜39歳について、生活満足度が7点以上の人の割合を他の項目と組み合わせて集計(クロス分析)している。尊重してくれる人が1人以上いる人では58.5%で、いない人の33.0%より約26ポイント高い。心の健康状態が「よい」人は「よくない」人より約53ポイント高い。暮らし向き別では「下」16.1%、「中の下」30.5%、「中の中」60.9%、「中の上」「上」79.2%である。安心できる場所が0個の人では2割弱、6個の人では7割半であり、場所の数が多い人ほど満足度が高い傾向にある。
📖 報告書では:結果の概要PDF p.22「トピック(生活満足度と他変数の関連)」、報告書第3部第1章
日本の結果
この号の調べ方
令和7年4月1日時点で10〜39歳の男女20,000人を、層化二段無作為抽出法(地域と都市規模で層に分けて地点と人を無作為に選ぶ方法)で選んだ。調査は郵送で行い、オンライン回答も併用している。調査期間は2025年11月25日〜12月12日である。有効回答は9,648人(有効回収率48.2%)で、内訳は10〜14歳1,636人、15〜39歳8,012人である。調査票は年代別に2種類あり、3年周期で実施する。令和4年との比較は、5%水準で統計的に有意な差がある箇所を中心に解説している。
この号から言えること
- 幸福感と自己肯定感は前回より上がった。特に15〜39歳の「今の自分が好きだ」は7.5ポイント増えている。
- 同じ期間に、困難や落ち込みを経験したと答えた人も大きく増えた(15〜39歳45.1%→59.5%、10〜14歳67.8%→79.7%)。明るい数字と並ぶこの増加は読みどころである。
- 生活満足度は10〜14歳の8.0点から15〜39歳の6.5点へ下がり、年代による差が大きい。
- 尊重してくれる人がいる、心の健康がよい、暮らし向きが上、安心できる場所が多い——こうした人ほど生活満足度が高い傾向がある。
読むときの注意
生活満足度と他の項目の関連はクロス集計で示した相関であり、どちらが原因かを示すものではない。有効回収率は48.2%で、回答しなかった人の状況は結果に反映されていない。また10〜14歳と15〜39歳では調査票や選択肢が異なる(例:孤独感の「まったくない」と「決してない」)ため、年代間の単純な比較には注意が要る。