この号の内容
幸福実感と6分野の重み
問14「あなたは、幸せだと感じますか?」の回答は、「5(大いに感じる)」16.8%、「4」36.6%、「3」30.2%、「2」6.3%、「1(まったく感じない)」2.6%である。上位2つの≪感じる≫は53.4%で、≪感じない≫の8.9%を上回る。6分野を幸せにとって重要な順に並べてもらうと、第1位は「健康・福祉」34.7%、「安全・安心」26.9%、「産業」13.7%、「子育て・教育」10.6%、「環境」4.5%、「文化」1.0%の順である。第1位から第3位までの合計では「安全・安心」が約7割で最も高い。
📖 報告書では:Ⅲ集計 7.総合(1)(2)、PDF p.43–44(本文p.39–40)
健康・福祉と子育て
健康・福祉分野では、孤立感や孤独感を≪感じない≫人が58.2%で、≪感じる≫の16.1%を上回る。家庭や職場、地域で自分の役割があると≪感じる≫人は57.6%である。一方、高齢者や障がい者への福祉の充実を≪感じる≫人は24.1%にとどまり、「わからない」が26.6%を占める。この分野で幸せに特に重要なものの第1位は「心が安らぐ時間を持てていること」(28.7%)である。18歳未満の子がいる403人に限った子育て・教育分野では、子どもが健やかに成長していると≪感じる≫人が84.6%、親子のコミュニケーションがとれていると≪感じる≫人が78.4%に達する。重要なものの第1位も「親子のコミュニケーションがとれていること」(49.6%)である。
📖 報告書では:Ⅲ集計 1.健康・福祉、2.子育て・教育、PDF p.12–22(本文p.8–18)
産業:収入不安とまちの活力
生活に必要な収入を得ていくことに不安を≪感じる≫人は43.0%で、≪感じない≫の27.2%を上回る。仕事と生活のバランス(ワーク・ライフ・バランス)が取れていると≪感じる≫人は30.1%である。区の企業(お店や町工場など)に活力があると≪感じない≫人は34.9%で、≪感じる≫の12.2%を上回る。区外から人が訪れたくなる魅力があると≪思わない≫人も40.4%で、≪思う≫の16.6%より多い。この分野で重要なものの第1位は「生活を送るために必要な収入があること」で、69.2%と全分野の中でも突出している。
📖 報告書では:Ⅲ集計 3.産業、PDF p.23–27(本文p.19–23)
環境・文化:便利だが薄いつながり
住む地域の交通の便が良いと≪感じる≫人は70.3%で、環境分野で最も高い。環境分野で重要なものの第1位も「地域の交通の便が良いこと」(36.4%)である。一方、文化分野では地域とのつながりの評価が低い。地域に頼れる人がいると≪感じない≫人は44.2%(≪感じる≫20.1%)、地域の人との交流で充実感を得られていると≪感じない≫人は40.7%(≪感じる≫16.0%)である。余暇・文化活動や地域の人とのふれあいのある生活については、≪感じない≫45.3%に対し≪感じる≫は11.0%にとどまる。文化分野で重要なものの第1位は「興味・関心のあることに取り組むことができていること」(49.6%)である。
📖 報告書では:Ⅲ集計 4.環境、5.文化、PDF p.28–37(本文p.24–33)
安全・安心:災害への不安
住む地域が災害に強いと≪感じない≫人は53.8%で、≪感じる≫の11.9%を大きく上回る。災害時に近隣の人と助け合う関係があると≪感じない≫人は46.5%である。災害への備えを十分にしている安心感が≪ない≫人も40.9%にのぼり、≪ある≫の14.3%を上回る。地域で交通事故の危険を≪感じる≫人は47.0%である。犯罪・事故・災害を総合して地域が安全だと≪感じない≫人は35.8%で、≪感じる≫の19.5%より多い。それでも、この分野で重要なものの第1位は「犯罪への不安がないこと」(51.2%)である。
📖 報告書では:Ⅲ集計 6.安全・安心、PDF p.38–42(本文p.34–38)
自由記述にみる幸と不安
幸せに重要なことを書いた1,199人の記述では、「身体の健康・医療介護」が627件(回答者の52.3%)で最も多く、「仕事・経済状況」380件(31.7%)、「家庭生活・家族関係」344件(28.7%)が続く。幸せだと≪感じない≫106人では「仕事・経済状況」が49.1%で最多である。≪感じる≫704人では「身体の健康・医療介護」55.0%、「家庭生活・家族関係」37.4%が上位を占める。不幸・不安に感じることでは、1,072人のうち「仕事・経済状況」が356件(33.2%)で最多である。人生に影響した出来事(823件・747人)では、ネガティブな実感(≪マイナスの実感≫)が54.7%で、ポジティブな実感(≪プラスの実感≫)の40.7%を上回る。プラスの実感を伴う出来事は「家庭生活・家族関係」が44.5%、マイナスの実感を伴う出来事は「身体の健康・医療介護」が34.7%で、それぞれ最も多い。
📖 報告書では:Ⅲ集計 8.自由記述(1)〜(3)、PDF p.45–55(本文p.41–51)
日本の結果
この号の調べ方
対象は荒川区在住の満18歳以上の男女で、住民基本台帳から層化2段無作為抽出した4,000人である。調査期間は令和3年10月1日〜11月2日で、郵送とインターネット(電子申請)で回収し、1,860人が回答した(回収率46.5%)。質問は区の基本構想の6分野(健康・福祉、子育て・教育、産業、環境、文化、安全・安心)に沿い、各項目を1〜5の5段階(0は「わからない」)で尋ねている。「5」と「4」の合計を≪感じる≫、「1」と「2」の合計を≪感じない≫として集計している。
この号から言えること
- 区民の半数強(53.4%)が幸せだと感じている。幸せにとって最も重要な分野は「健康・福祉」、上位3位までの合計では「安全・安心」が最も重視されている。
- 交通の便(70.3%)や買い物の便利さ(56.5%)は高く評価されている。一方、地域に頼れる人や地域との交流、災害時の助け合いを感じない人が4割台にのぼり、「便利さ」と「地域のつながり」の評価に差がある。
- 自由記述では、幸せだと感じない人ほど「仕事・経済状況」を挙げる割合が高い傾向がある(重要なこと49.1%、不安なこと49.0%)。産業分野でも「必要な収入があること」が重要なものの第1位として69.2%を占める。
読むときの注意
回収率は年代で差があり、20代は27.3%、70代は62.9%である。このため、回答者の構成は区民全体の年齢構成と同じではない。子育て・教育分野は18歳未満の子がいる403人だけの結果であり、孤立感・収入不安・犯罪不安などのように≪感じる≫が否定的な意味を持つ設問もある。幸福実感別の比較は傾向を示すもので、原因と結果を示すものではない。標本誤差は回答者1,860人・比率50%前後で±2.3%である。