この号の内容
幸せだと感じる人は53.5%
問14「あなたは、幸せだと感じますか?」は、5(大いに感じる)から1(まったく感じない)の5段階で尋ねる質問である。「5」は16.5%、「4」は37.0%で、合わせた≪感じる≫は53.5%である。中間の「3」は29.5%、「2」は6.4%、「1」は2.2%で、≪感じない≫は8.6%にとどまる。「わからない」は3.4%、無回答は5.1%である。
📖 報告書では:Ⅲ集計 7.総合(2)幸福実感、PDF p.44(本文p.40)
重視分野は健康と安全が拮抗
6分野を幸せにとって重要な順に1〜6位で並べてもらったところ、第1位に挙げた割合は「健康・福祉」が30.7%で最も高い。僅差で「安全・安心」が29.4%と続き、「産業」12.7%、「子育て・教育」11.2%、「環境」4.5%、「文化」1.2%の順である。健康と安全の2分野だけで第1位の約6割を占める。
📖 報告書では:Ⅲ集計 7.総合(1)6つの分野について幸せにとって重要だと思う順位、PDF p.43(本文p.39)
健康・福祉と子育ての実感
孤立感や孤独感を≪感じない≫人は57.4%で、≪感じる≫15.7%を上回る。家庭や職場などで自分の役割があると感じる人は57.4%、心が安らぐ時間を持てていると感じる人は53.9%である。高齢者や障がい者への福祉の充実を感じる人は23.9%にとどまり、「わからない」が27.6%を占める。この分野で幸せに特に重要なものの第1位は「健康的な食生活を送れること」(25.9%)で、「心が安らぐ時間を持てていること」(25.3%)が僅差で続く。18歳未満の子がいる319人に聞いた子育て分野では、子どもが健やかに成長していると感じる人が76.8%、親子のコミュニケーションがとれていると感じる人が73.3%で、重要なものの第1位も「親子のコミュニケーション」(41.4%)である。
📖 報告書では:Ⅲ集計 1.健康・福祉(4)〜(10)PDF p.13–17、2.子育て・教育(3)(8)(9)PDF p.19–22
収入への不安は約5割
生活に必要な収入を得ていくことに不安を≪感じる≫人は48.3%で、≪感じない≫23.1%の約2倍である。仕事と生活のバランスが取れていると感じる人は28.5%で、感じない人の25.5%とほぼ同じ水準である。荒川区が区外から人が訪れたくなる魅力のあるまちだと≪思わない≫人は41.5%で、≪思う≫16.0%を上回る。産業分野で幸せに特に重要なものの第1位は「生活を送るために必要な収入があること」で、70.8%と全分野の設問の中でも突出して高い。
📖 報告書では:Ⅲ集計 3.産業(1)(2)(6)(8)、PDF p.23–27(本文p.19–23)
防災と地域の支えは弱い
住む地域が災害に強いと≪感じない≫人は55.1%で、≪感じる≫11.9%を大きく上回る。災害への備えを十分にしている安心感がない人は45.4%、災害時に近隣と助け合う関係がないと感じる人は47.2%である。地域に頼れる人がいると≪感じない≫人も44.1%で、≪感じる≫19.5%の2倍を超える。一方で交通の便が良いと感じる人は67.8%と高く、環境分野で重要なものの第1位も「地域の交通の便が良いこと」(38.3%)である。安全・安心分野の重要なものの第1位は「犯罪への不安がないこと」(58.1%)である。
📖 報告書では:Ⅲ集計 4.環境(3)(8)PDF p.29・32、5.文化(5)PDF p.35、6.安全・安心(4)〜(8)PDF p.39–42
自由記述は健康とお金が中心
「幸せにとって重要なこと」の自由記述(回答者1,023人)では、「身体の健康・医療介護」が51.7%、「仕事・経済状況」が31.6%、「家庭生活・家族関係」が29.4%である。幸せだと感じない81人では「仕事・経済状況」が40.7%で最も多い。これに対し、幸せだと感じる595人では「身体の健康・医療介護」が57.1%で最も多い。「不幸・不安なこと」(885人)では「仕事・経済状況」が37.4%で最多で、幸せだと感じない人では51.9%に達する。人生に影響した出来事(633件)は「家庭生活・家族関係」が32.2%で最多である。受け止め方ではマイナスの実感が51.0%、プラスの実感が37.3%で、プラスでは家族関係(41.9%)、マイナスでは身体の健康・医療介護(35.6%)が最も多い。
📖 報告書では:Ⅲ集計 8.自由記述(1)〜(3)、PDF p.45–55(本文p.41–51)
日本の結果
この号の調べ方
対象は荒川区在住の満18歳以上の男女である。住民基本台帳から層化2段無作為抽出(地区などのグループに分けてから無作為に選ぶ方法)で4,000人を選んだ。令和6年9月30日〜11月1日に郵送で調査票を配り、郵送・区ホームページの電子申請などで1,562人が回答した(回収率39.1%)。設問は6分野の実感を5段階で尋ねる形式を中心に計71問で、調査票は日本語・英語・簡体中国語・ハングルで用意された。
この号から言えること
- 区民の過半数(53.5%)が幸せだと感じており、感じない人は1割未満(8.6%)である。
- 幸せにとって重要な分野は健康・福祉と安全・安心に集中する一方、災害への強さや地域で頼れる人の実感は低く、重視される領域と実感の弱い領域が重なっている。
- 幸せだと感じない人の自由記述では「仕事・経済状況」が重要なこと(40.7%)でも不安なこと(51.9%)でも最多で、幸福実感が低い人ほど経済面への言及が多い傾向がある。
- 人生に影響した出来事では家族に関することが最多で、前向きな受け止め(プラスの実感)の4割超(41.9%)を家族関係の出来事が占める。
読むときの注意
回収率は39.1%で、年代別では20代が19.1%、70代が57.4%と差が大きく、回答者は高い年代に偏っている。子育て・教育分野は18歳未満の子がいる319人だけの回答で、標本誤差(n=1,562で50%前後なら±2.5ポイント)は人数が少ないほど大きくなる。幸福実感と自由記述の内容の関係は回答の傾向を示すもので、因果関係を示すものではない。