この号の内容
全国平均5.89点、国連値と近似
総合主観満足度の全国平均は5.89点である。国連の「World Happiness Report 2019」(世界幸福度報告)での日本の値は5.886点で、報告書は「数値としては極めて近い結果」としている。同報告の順位は、1位がフィンランド(7.769点)、19位が米国(6.892点)、54位が韓国(5.895点)、58位が日本(5.886点)、93位が中国(5.191点)である。
📖 報告書では:本文2.(1)「総合主観満足度の平均点」、PDF p.4(本文p.3)、図表1、脚注3〜5
女性が高く、年齢は「谷型」
女性の満足度は男性より高い。男女とも45〜59歳までは年齢が上がるほど満足度が下がり、60歳以上になると急激に上がる。地域ブロック別では東海地方・近畿地方が比較的高かったが、報告書は「大きな特徴は見出せなかった」としている。都市規模別では大きな差はなかった。
📖 報告書では:本文2.(2)(a)(b)、PDF p.5–6、図表2〜4
年収・資産は「山型」で頭打ち
世帯年収では、2000万〜3000万円までは年収が高いほど満足度が高いが、そこで頭打ちになり、それ以上の層ではゆるやかに下がる。特に年収300万円を境に満足度が約0.5ポイント上がる。世帯金融資産では1億〜3億円まで上昇し、3億円以上では低下する。資産100万円未満と100万円以上の間には約0.6ポイントの差がある。学歴は高いほど満足度が高いが、大学院修了でも6点程度で頭打ちで、他の属性に比べて差は小さい。同じ所得階層の中でも、高学歴ほど満足度が高い傾向がある。
📖 報告書では:本文2.(2)(c)、PDF p.7–9、図表5〜10
健康で約4点差、趣味で約1.8点差
健康状態がよい人ほど満足度は高い。「よい」と「よくない」の差は約4ポイントで、調査した属性の中で最も大きかった。友人との交流頻度、頼れる人の人数、ボランティアの頻度が多い人ほど満足度が高い傾向も確認された。報告書はこれを「つながりの中でのセーフティーネットが機能している」と解釈している。趣味・生きがいの有無では、約1.8ポイントの差が出た。
📖 報告書では:本文2.(2)(d)〜(f)、PDF p.10–11、図表11〜15
回答分布は5点と7〜8点の「双山型」
回答の分布は、中間の「5点」と「7〜8点」に山が二つある「双山型」で、総数は10,293である。過去の内閣府調査(国民生活選好度調査2009〜2011年、生活の質に関する調査2012〜2014年)も双山型だった。ただし今回は「0〜4点」が多く、「5点」「10点」は少ない。年齢別では、60〜89歳で「8点」が突出し、若年層(15〜34歳)は山が一つの「ひと山型」に近く、中年層(35〜59歳)は大きな山が「5点」にある。頼りになる人がいない人、ボランティアをしていない人、趣味・生きがいがない人は「5点」にピークがあり、そうでない人は「7〜8点」にピークがある。頼りになる人がいない人では、5点以下が74%を占める。
📖 報告書では:本文2.(3)(4)、PDF p.12–18、図表16〜24
頼りになる人とボランティアのBox
頼りになる人が5人以上いる層では、「世帯年収100万円未満」や「不健康」といった満足度を大きく下げる条件があっても、満足度はそれほど下がっていない。頼りになる人がいないと答えた990人は、男性66%・女性34%で、うち45〜59歳の男性が全体の18%を占める。また世帯年収・資産の低い人が多い。この層でもボランティア活動をしている人は、0点の回答が少なく6〜8点が多く、全体として満足度が高い。
📖 報告書では:Box「総合主観満足度を用いた分析事例」、PDF p.19–20、図表26・27
日本の結果
この号の調べ方
日本国内に住む15〜89歳のインターネットパネル登録モニターを対象としたWEB調査で、調査期間は2019年1月25日〜2月7日、回収数は10,293件である。地区・性別・年齢層ごとに、都道府県への均等割当と人口比割当を組み合わせて回収数を割り当てた。「現在の生活にどの程度満足しているか」を0点(全く満足していない)〜10点(非常に満足している)の11段階でたずねている。全国平均は、平成27年国勢調査の性別・年齢・地域の構成比で調整(ウエイトバック集計)した値である。
この号から言えること
- 収入や資産は一定水準までは満足度と一緒に上がるが、年収2000万〜3000万円、資産1億〜3億円で頭打ちになる「山型」である。
- 属性の中で満足度の差が最も大きいのは健康状態で、「よい」と「よくない」で約4ポイントの差がある。
- 頼りになる人が5人以上いる層では、低年収や不健康の場合でも満足度があまり下がらない。頼りになる人がいなくても、ボランティアをしている人は満足度が高い傾向がある。
- 回答分布の「双山型」は、高齢層の「8点」の多さや、社会とのつながり・趣味の有無による分布の違いが重なって生じていると報告書は検証している。
読むときの注意
示されている結果は主にクロス集計による傾向で、報告書自身も「社会とのつながり」が満足度に与える効果は引き続き検証するとしている。そのため因果関係までは示されていない。対象はインターネットモニターのWEB調査である。また過去調査は「幸福度」、今回は「生活満足度」をたずねており、報告書は単純比較できないと注意している。分野別満足度の分析は第2次報告書に回されている。