ウェルビーイングの調査・報告書

国内の公的調査毎年データ:申請制

満足度・生活の質に関する調査(報告書「我が国のWell-beingの動向」)

内閣府 政策統括官(経済社会システム担当)

生活満足度(0〜10)と13分野の満足度を毎年尋ね、日本のWell-beingの動きを示す内閣府の調査。
対象
15〜89歳(インターネット調査の登録モニター)
規模
10,632人(2026年調査で、うち7,160人はパネル継続回答)
方法
パネル(同じ人を追跡)
頻度・期間
毎年(2019年〜2026年)・例年7月ごろ発表
幸福の測り方
生活満足度(0〜10)と13分野の分野別満足度(0〜10)
データの入手
申請制 www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/manzoku… ↗

生活満足度(総合)の全体平均の推移

日本全体(15〜89歳のインターネット調査登録モニター)(点(0〜10点))・各年版の公式資料から
5.745.815.895.835.745.895.8620212223242526

横軸は調査実施年(2020年は2020年2月調査)。2021年調査は約5,000人で、他の年は約1万人。2019年の第1次報告書の5.89点は国勢調査構成比で調整した値のため、2020年5〜6月のコロナ影響下調査の4.48点は別調査のため、いずれも含めていない。

どんな調査か

「満足度・生活の質に関する調査」は、内閣府 政策統括官(経済社会システム担当)が2019年から毎年行っている国内の公的調査である。公式ページは目的を「我が国の経済社会の構造を人々の満足度(Well-being)の観点から多面的に把握し、政策運営に活かしていくこと」としている。背景には、GDPだけでは見えない暮らしの良さを「見える化」するという考え方がある。第1回は2019年2月に始まり、2026年調査で第8回を数える。毎年の結果は報告書「我が国のWell-beingの動向」にまとめられ、2026年版は2026年7月31日に公表された。

何をどう測っているか

中心となる質問は生活満足度(総合)で、「現在の生活にどの程度満足しているか」を0〜10点で自己申告してもらう。あわせて、家計と資産、雇用環境と賃金、健康状態、住宅、仕事と生活(ワークライフバランス、WLB)、社会とのつながり、子育てのしやすさなど13分野の満足度も、同じく0〜10点で尋ねる。対象はインターネット調査会社に登録した15〜89歳のモニターで、2026年調査の回答者は10,632人である。第3回からは同じ人を毎年追いかけるパネル調査を含み、2026年調査ではうち7,160人が継続回答者である。報告書は、性別・年齢・地域・雇用形態などの属性や生活実態と満足度の関係を分析し、年ごとに特集テーマも設ける。さらに内閣府は、主観的な満足度を頂点とし、分野別満足度、失業率・最低賃金・平均寿命・有給休暇取得率などの客観統計を3層に並べた「満足度・生活の質を表す指標群(Well-beingダッシュボード)」を作成している。

これまでの歩み

2019年5月の第1次報告書は、ダッシュボードづくりに向けた約1万人のWEB調査の最初の報告で、全国平均5.89点を示し、社会とのつながりと満足度の関係を中心に分析した。2020年9月の第4次報告書は、2019年と2020年の調査を合わせた約1.5万人分で、11分野すべてについて都道府県レベルで満足度と相関する客観指標を見つけ、ダッシュボードを改善した。同報告書は新型コロナの影響も扱い、2020年5〜6月の調査で満足度が感染症拡大前の5.96点から4.48点へ下がったことを示した。2021年版(第3回、約5,000人)からは同じ人を追跡するデータが加わり、2022年版(第4回)以降は約1万人規模に戻ってコロナ禍からの持ち直しを追った。2023年版は世帯構成・結婚・子育て・将来不安・仕事のやりがい、2024年版は満足度を判断する際に重視する分野や転職・起業・生涯の就業意向を分析した。2025年版は人生の充実感(エウダイモニア=生きがいや意義を感じる側面の幸福)や社会との信頼関係を初めて尋ね、共働き世帯・SNS・サードプレイスも扱った。2026年版は「AIサービスの利活用」と「食」を特集テーマとしている。

分かってきたこと

「社会とのつながり」が満足度と強く結びつく

第1次報告書のいちばんの読みどころは、頼りになる人の数やボランティア活動の頻度と満足度の関係である。頼りになる人が多い人、ボランティアをしている人、趣味・生きがいのある人ほど満足度が高い傾向がある。2025年版で新たに尋ねた5つの指標のうち、生活満足度の平均を上回ったのは「人々に支えられている」だけであった。一方で「社会とのつながり」の分野別満足度は2025年に5.35へ低下している。

女性と高齢層が高く、40〜64歳が低い

2019年の第1次報告書では、女性ほど満足度が高く、年齢では45〜59歳が底になる「谷型」となった。世帯年収や資産では、一定水準を超えると満足度が頭打ちになる「山型」であった。その後も女性が男性を上回る傾向は続き、2023年は女性5.90点、男性5.67点である。2024年でも65歳以上6.61点、39歳以下5.89点に対し、40歳-64歳は5.57点で2020年の水準に戻っていない。

コロナ禍で大きく落ち込み、数年かけて戻った

2020年5〜6月の調査では生活全体の満足度が1.48点下がり、女性の低下幅(1.70点)が男性(1.26点)より大きかった。報告書は理由を「定かでは無い」としたうえで、女性の方が友人との交流時間が長いこと、休校など育児環境の変化の影響を受けやすいこと、非正規雇用の割合が高いことを例に挙げている。2021年3月には女性と東京圏で下がり、東京圏が地方圏を下回った。2023年にはすべての地域がコロナ拡大前と同水準に戻り、2024年は5.89点と調査開始以来の最高水準、上昇幅0.10点も過去最大となった。

雇用・賃金とWLBの満足度が上がり続けている

コロナ禍の影響を大きく受けた非正規雇用の満足度は上がり続け、2024年に5.67点となって正規雇用(5.85点)との差が縮んだ。分野別では「雇用環境と賃金」と「仕事と生活(WLB)」が2025年、2026年と続けて上昇した。2023年には「家計と資産」「雇用環境と賃金」「子育てのしやすさ」がどの属性でも低下しており、分野ごとに動きは異なる。2026年は「政治・行政・裁判所への信頼性」が大きく上がった。

同じ人を追うと、上がる人と下がる人がほぼ同じくらいいる

パネルデータでは、平均の小さな変化の裏で個人の満足度が大きく動いていることが分かる。2021年調査の継続回答者では、満足度が下がった人が32.9%、上がった人が30.9%で、30歳代以下の若者では大きく動いた人が多い。2022年調査では下がった人29.3%に対し、上がった人32.3%と上回った。

日本の結果

日本全体の生活満足度(総合)は、2020年2月5.83点、2021年3月5.74点、2022年2月5.76点、2023年5.79点、2024年5.89点、2025年5.79点、2026年5.86点と推移している。第1次報告書は2019年の全国平均5.89点が国連「World Happiness Report 2019」の日本の値(58位・5.886点)と極めて近いと指摘している。2026年調査では若年層・中年層・高齢層のすべてで上昇し、特に若年層の上昇(0.11ポイント)が目立つ一方、東京圏だけが0.12ポイント低下した。2026年の特集では、AIサービスを使う人が全体の55%で若い層ほど多いこと、食事時間を楽しいと感じる人ほど生活満足度が高い傾向があることが示されている。

各年版(8)

  • 2026 満足度・生活の質に関する調査報告書2026~我が国のWell-beingの動向~(2026年7月) この号を読む → 内閣府が2019年から毎年実施している「満足度・生活の質に関する調査」の第8回(2026年2〜3月実施)の報告書である。生活満足度(総合)は5.86点で前年から上がり、若年層・中年層・高齢層のすべてで上昇した。今回は「AIサービスの利活用」と「食」を特集テーマとし、AIサービスを使う人は全体の55%で若い層ほど多いこと、食事時間を楽しいと感じる人ほど生活満足度が高い傾向があることを示している。東京圏だけ満足度が下がった理由の分析も目を引く。
  • 2025 満足度・生活の質に関する調査報告書2025~我が国のWell-beingの動向~(概要、2025年9月) この号を読む → 内閣府が2019年から続ける「満足度・生活の質に関する調査」の第7回(2025年3月実施、10,633人)の結果をまとめた報告書の概要版である。最大の話題は、0〜10点で自己申告する生活満足度(総合)が5.79と前年の5.89から0.10ポイント下がり、一昨年(5.79)と同程度の水準に戻ったことである。分野別では「雇用環境と賃金」と「仕事と生活(WLB)」が上がった一方、「社会とのつながり」と「子育てのしやすさ」は下がった。今回は人生の充実感(エウダイモニア)や社会との信頼関係を初めて尋ね、共働き世帯、SNS、サードプレイスと満足度の関係も分析している。
  • 2024 満足度・生活の質に関する調査報告書2024~我が国のWell-beingの動向~(概要、2024年8月) この号を読む → 内閣府が毎年行う「満足度・生活の質に関する調査」の2024年版報告書の概要である。2024年2月の第6回調査で、生活満足度(生活にどの程度満足しているかを0〜10点で自己申告する質問)は5.89点となり、2019年の調査開始以来の最高水準で、1年間の上昇幅(2023年の5.79点から0.10点)も最大だった。上昇は男女・全年齢層・全地域に及び、コロナ禍の影響を大きく受けた非正規雇用の満足度も上がり続けて正規雇用との差が縮んだ。後半では、満足度を判断する際に重視する分野、5年前・5年後の満足度、転職・起業、生涯を通じた就業意向と満足度の関係を分析している。
  • 2023 満足度・生活の質に関する調査報告書2023~我が国のWell-beingの動向~(概要、2023年7月) この号を読む → 内閣府が2019年に始めた「満足度・生活の質に関する調査」の第5回(2023年2月実施、約1万人)をまとめた報告書2023の概要版である。GDPだけでなく、満足度や生活の質から経済社会を「見える化」することを目的としている。いちばんの話題は、生活満足度が全体で5.79点と前年からおおむね横ばいだったことである。そのなかで39歳以下が上昇し、すべての地域でコロナ拡大前と同じ水準まで戻った。あわせて世帯構成や結婚、子育て、将来不安、仕事のやりがいと満足度の関係を分析している。
  • 2022 満足度・生活の質に関する調査報告書2022~我が国のWell-beingの動向~(概要、2022年7月) この号を読む → 内閣府が2019年に始めた「満足度・生活の質に関する調査」の第4回(2022年2月実施、約1万人)の結果をまとめた報告書2022の概要版である。いちばんの話題は、コロナ禍2年目に生活満足度が前年より持ち直したことである。全体の平均は5.74点(2021年3月)から5.76点(2022年2月)に上がり、40〜64歳と東京圏で上昇幅が大きかった。同じ人を追跡すると、満足度が下がった人29.3%に対し、上がった人は32.3%と上回った。
  • 2021 満足度・生活の質に関する調査報告書2021~我が国のWell-beingの動向~(概要、2021年9月) この号を読む → 内閣府が2019年から続ける「満足度・生活の質に関する調査」の第3回(2021年3月実施、約5,000人)をまとめた報告書2021の概要版である。新型コロナ下の約1年で、0〜10点で答える生活満足度は全体で5.83点から5.74点へ下がった。特に女性と東京圏で下がり、東京圏は地方圏を下回った。一方、同じ人を追ったデータでは、満足度が下がった人(32.9%)とほぼ同じ割合の人(30.9%)が上がっており、30歳代以下の若者では大きく動いた人が多い。
  • 2020 「満足度・生活の質に関する調査」に関する第4次報告書~生活満足度・暮らしのレポート~(2020年9月11日) この号を読む → 内閣府が2020年9月11日に公表した「満足度・生活の質に関する調査」の第4次報告書である。2019年2月調査(約1万人)と2020年2月調査(約5千人)を合わせた約1.5万人のデータで、生活満足度を構成する11分野すべてに、都道府県レベルで満足度と相関する客観指標を見つけ、指標群(ダッシュボード)を改善した。最大の話題は第2章の新型コロナの影響である。2020年5〜6月の調査で、生活全体の満足度は感染症拡大前の5.96点から4.48点へ1.48点下がり、女性の低下幅(1.70)が男性(1.26)より大きかった。
  • 2019 「満足度・生活の質に関する調査」に関する第1次報告書(2019年5月24日) この号を読む → 内閣府が「満足度・生活の質に関する指標群(ダッシュボード)」づくりに向けて約1万人に実施したWEB調査の、最初の報告書である。2019年5月24日に公表された。総合主観満足度(現在の生活にどの程度満足しているかを0〜10点で答える質問)の全国平均は5.89点だった。女性ほど高く、年齢では45〜59歳が底の「谷型」、世帯年収・資産では一定水準で頭打ちになる「山型」となった。頼りになる人の数やボランティア活動の頻度など「社会とのつながり」と満足度の関係が、この号のいちばんの読みどころである。

どう読む・どう使う

内閣府はこの調査を、満足度の観点から経済社会を多面的に把握し政策運営に活かすための材料と位置づけている。Well-beingダッシュボード(2026年1月版)は、分野別満足度と、完全失業率2.5%・有効求人倍率1.22倍(2025年)、最低賃金1,121円(2025年)、年次有給休暇取得率65.3%(2024年)などの客観統計を並べ、主観と客観を見比べられるようにしている。研究目的では、各回の個票データ(匿名化済み)を申請フォームから取得でき、2019〜2025年調査の約60,000サンプルは東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター(SSJDA)にも寄託されている。属性別・地域別・雇用形態別の推移を見ることで、どの層の暮らしの実感が遅れて回復しているかを確認する使い方ができる。

読むときの注意

対象はインターネット調査の登録モニターで、人口全体の縮図ではない。第1回と第2回は別のモニターで、同じ人を追うパネルは第3回からであり、2021年調査は約5,000人と規模も小さい。2019年の第1次報告書の5.89点は国勢調査構成比で調整した値で、2020年5〜6月の4.48点はコロナ影響下の別調査の値であるため、毎年の推移とそのまま比べられない。年ごとの0.1点前後の変化は誤差の範囲のこともあり、報告書が示す属性との関係も相関であって因果ではない。

確認日:2026-10-07。URL・数字は公式の資料で確かめたものです。解説は、公式ページと報告書本文に書かれていることだけをもとにAIが書き、数字が元資料にあることを照合しています。

つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの

内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →

あわせて読む 世界の主要ウェルビーイング研究 → 調査の数字の背景にある研究を。幸せの研究の著名論文2,358本を、要旨・研究の系譜・28の概念で。 最新の論文は 世界の最新ウェルビーイング研究 → AIが毎日集める最新の論文データベース。調査を使った新しい研究もここに。
URL・数字は公式の資料で確かめたものだけを載せ、各ページに確認日を添えています。順位や割合は版によって変わるので、引用するときは各版の公式資料をご確認ください。調べものと記入はAI(Claude)を活用し、はぴテックが確認しました。 調査・報告書の一覧(Excel)
© 株式会社はぴテック