ウェルビーイングの調査・報告書

2026年版テーマ:生成AIや対話型AIなどのAIサービスの利活用/「食」と人々の生活(孤食・共食)

満足度・生活の質に関する調査報告書2026~我が国のWell-beingの動向~(2026年7月)

内閣府 政策統括官(経済社会システム担当)

内閣府が2019年から毎年実施している「満足度・生活の質に関する調査」の第8回(2026年2〜3月実施)の報告書である。生活満足度(総合)は5.86点で前年から上がり、若年層・中年層・高齢層のすべてで上昇した。今回は「AIサービスの利活用」と「食」を特集テーマとし、AIサービスを使う人は全体の55%で若い層ほど多いこと、食事時間を楽しいと感じる人ほど生活満足度が高い傾向があることを示している。東京圏だけ満足度が下がった理由の分析も目を引く。

この号の内容

生活満足度は5.86に上昇

生活満足度(現在の生活にどの程度満足しているかを0〜10点で自己評価する質問)の全体平均は5.86で、前回調査(2025年)の5.79から上昇し、前々回(2024年、5.89)と同程度の水準に戻った。これまでと同様、女性(5.96)の方が男性(5.75)より高い。年齢階層別では若年層(39歳以下)が0.11ポイント上昇し(統計上有意)、ミドル層(40〜64歳)は0.02、高齢層(65歳以上)は0.03ポイントの上昇である。雇用形態別では正規雇用が0.15ポイント上昇(有意)した一方、非正規雇用は0.01ポイントでほぼ横ばいだった。点数の最頻値は8点(18.2%)で、5点(17.9%)、7点(17.6%)が続き、全体の約66%が5〜8点に集まる。

📖 報告書では:第1章1〜2節、本文PDF p.4–8、図表1-1・1-2・1-6・1-7

賃金・WLB・行政信頼が上昇

13分野の分野別満足度(家計、健康、住宅など生活の領域ごとの0〜10点の満足度)では、「家計と資産」が4.96から5.13へ、「雇用環境と賃金」が4.92から5.07へ上昇し、報告書は背景に名目賃金の上昇等を挙げている。「仕事と生活(WLB)」は5.46から5.56へと上昇が続き、「政治・行政・裁判所への信頼性」は4.37から4.87へ大きく上がった。「社会とのつながり」(5.43)や「子育てのしやすさ」(5.31)は一進一退である。生活満足度を13分野で重回帰分析(複数の要因の関係を同時にみる統計手法)すると、係数が最も大きいのは「生活の楽しさ・面白さ」(0.390)で、「家計と資産」(0.251)、「健康状態」(0.110)、「住宅」(0.107)が続く。

📖 報告書では:第1章3節、本文PDF p.9–14、図表1-10・1-13

東京圏だけ低下、要因を分析

地域別では三大都市圏と地方圏で上昇したが、東京圏は前年から0.12ポイント低下した(統計的に有意ではない)。東京圏で前年も回答した継続サンプルは5.67から5.73へ上がっており、新規サンプルが0.31ポイント下がったことが全体を押し下げたため、報告書はサンプル入れ替えの影響の可能性を指摘している。また東京圏でこの1年に住宅を取得した人(回答者の2%程度、2026年は25人)の生活満足度は1.6ポイント低下し、大阪圏・名古屋圏の住宅取得者(0.4ポイント上昇)と傾向が分かれた。報告書は、住宅がただちに満足度低下に影響したとは言えないとしつつ、住宅価格や金利の高騰などが生活実感に影響している可能性も否定できないとしている。

📖 報告書では:第1章1節・5節、本文PDF p.5–6、p.17–19、図表1-4・1-16〜1-18

若者ほど5年後に明るい見通し

5年前を振り返った満足度は全体で5.59、現在が5.86、5年後の予想が5.86で、現在は5年前より高く、5年後は現在と同程度である。若年層は5.49→5.88→6.00と順に高くなり、将来の見通しが最も明るい。高齢層は5年前6.47、現在6.54と高い水準にある一方、5年後予想は6.08と低くなる。報告書は、過去・現在・未来の満足度のとらえ方が世代間で大きく異なると述べている。

📖 報告書では:第1章4節、本文PDF p.15–16、図表1-14・1-15

AI利用55%、目的で差

AIサービス(生成AI、対話型AI、対話型ロボット、音声アシスタント)を使う人は全体の55%で、39歳以下67%、40〜64歳49%、65歳以上33%と若いほど多い。利用者のうち「ほぼ毎日」使う人は34%、1日5時間以上は7%である。利用者の約8割が便利と感じる一方、信頼している人は若年層57%、ミドル層48%、高齢層49%にとどまる。利用目的は「仕事や事務作業の効率化」(46%)が最多で、これに使う層はワークライフバランス満足度が5.7と、使わない層の5.5より高い。「話し相手の代わり」(24%、若年層では28.9%で2位)に使う層は社会とのつながり満足度が5.3で、使わない層の5.4よりやや低く、孤独感を「いつも」感じる層ほどこの用途で使う割合が高い(37%、「全くない」層は18%)。

📖 報告書では:第2章1〜3節、本文PDF p.23–36、図表2-1・2-2・2-5・2-6・2-10・2-13・2-14

食の楽しさと孤食

普段の食事時間を楽しいと感じる人は全体の63%で、楽しくないと感じる人は8%である。食事が「楽しい」人の生活満足度は若年層で7.3、高齢層で7.6であるのに対し、「楽しくない」人は3.6、2.9と大きな差がある。楽しいと感じる場面は「好きな料理を食べるとき」が最多で、「家族や友人と一緒に食べるとき」が続く。1日すべての食事を一人でとる「孤食」が「ほとんど毎日」の人は24%で、単身世帯では若年46%、ミドル67%、高齢77%と年齢が上がるほど多い。生活満足度はどの年齢層でも「ほとんど毎日孤食」の層が最も低く(ミドル層4.7、孤食がほとんどない層は5.9)、食事が楽しくなく、かつほとんど毎日孤食の人は3.1と特に低い。

📖 報告書では:第3章1〜3節、本文PDF p.37–49、図表3-1・3-2・3-4・3-9・3-10〜3-12

日本の結果

日本全体の生活満足度(総合)は5.86点で、前年の5.79から上昇し、2024年調査(5.89)と同程度の水準に戻った。すべての年齢階層で上昇し、特に若年層の上昇(0.11ポイント)が目立つ。分野別では「雇用環境と賃金」「仕事と生活(WLB)」が引き続き上昇し、「政治・行政・裁判所への信頼性」が大きく上がった。一方、東京圏では生活満足度が0.12ポイント低下した。

この号の調べ方

日本国内に住む15〜89歳のインターネットパネル登録モニター10,632人を対象にしたWeb調査で、うち7,160人は過去の調査にも回答したパネル回答者(前回からの継続回答者は4,972人)である。調査期間は2026年2月27日〜3月14日で、2019年開始から8回目となる。総合的な生活満足度と13分野の分野別満足度をいずれも0〜10点で尋ね、都道府県別の比較ができるよう人口の少ない県にも多めにサンプルを割り当てている。

この号から言えること

  • 生活満足度との結びつきが最も強い分野は「生活の楽しさ・面白さ」で、次いで「家計と資産」である。賃金関連の満足度上昇とともに、日々の楽しさが満足度を左右する構図がデータに表れている。
  • AIサービスは「仕事の効率化」に使う層でWLB満足度が高い一方、「話し相手の代わり」や「健康管理」に使う層は孤独感が強い人や健康状態がよくない人が多い。報告書は、AIが不安や悩みを相談する相手として浸透しつつあるとみている。
  • 食事を楽しいと感じる人はほとんど毎日孤食でも生活満足度が比較的高いが、食事が楽しくない人では毎日の孤食で満足度が特に低い。孤食の頻度だけでなく、食事の楽しさや孤食の理由もあわせてみる視点を示している。
  • 東京圏の満足度低下は、サンプル入れ替えや住宅取得者の満足度低下が影響した可能性があると報告書は分析しており、平均値の変化を読む際の注意点を具体的に示している。

読むときの注意

AIの利用や食事の楽しさ、孤食と満足度の関係はいずれも相関であり、報告書自身も、孤食を減らすと満足度が上がるのか、満足度が高いから食事を楽しめるのかは本調査から判別できないと明記している。前年からの上昇幅は概要・おわりにでは0.07ポイント、本文第1章では0.06ポイント(四捨五入による差)と記載が分かれている。AI関連の設問は今回が初めてで、孤食割合の農林水産省調査(2020年、約14%)との比較も調査方法や標本の抽出方法が異なる点に留意が必要である。

出典

主に参照した箇所:概要PDF p.1–6、本文PDF p.3–51(第1章〜第3章、おわりに)、補論p.62–65。この記事は、上の公式資料に書かれていることだけをもとにAIが書き、記事中の数字が元資料にあることを照合しています(2026-10-12取得)。正確な値や文脈は原典で確かめてください。

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