この号の内容
総合5.79、前年比0.10低下
生活満足度(総合)は5.79で、2024年の5.89から0.10ポイント低下し、2023年の5.79と同程度になった。2019年以降は5.74〜5.89の範囲で一進一退の動きである。男性は5.81→5.68、女性は5.96→5.91と、男女とも同様の傾向で、女性が男性を上回る状態が続く。雇用形態別では正規雇用が5.85→5.76、非正規雇用が5.67→5.53と、いずれも一昨年と同程度の水準に戻った。年齢階層別でも同じ傾向が見られ、図表では65歳以上が6.51と最も高い。
📖 報告書では:概要p.3「1 生活満足度(総合)の動向」図表1-1〜1-3
5年前より今、若者は先に期待
5年前を振り返った満足度(全体5.51)より、現在の生活満足度(5.79)の方が高かった。5年後の予想満足度は全体で5.80と、現在とほぼ同じである。39歳以下では、5年前回顧が5.33、現在が5.78、5年後予想が5.95と、将来の予想が現在をさらに上回った。40〜64歳は5.34・5.50・5.51で、65歳以上は6.47・6.51・6.04である。
📖 報告書では:概要p.3 図表1-4「5年前回顧満足度と5年後予想満足度」
賃金・WLBは上昇、子育ては低下
分野別満足度は、家計と資産、雇用環境と賃金、子育てのしやすさなどの分野ごとに0〜10点で尋ねている。全体では「雇用環境と賃金」が4.84から4.92へ、「仕事と生活(WLB)」が5.43から5.46へ上昇した。WLBは2019年の5.25から一貫して上がっている。報告書はこの上昇の背景を、名目賃金の上昇や正規雇用の増加などとみている。一方、「社会とのつながり」は5.46→5.35、「子育てのしやすさ」は5.30→5.18と低下した。報告書は、この2分野がここ数年一進一退で推移しており、今後の動向を注視するとしている。
📖 報告書では:概要p.4「2 分野別満足度の動向」図表2-1〜2-4、分野一覧はp.2
初めて測った人生の充実感
今回初めて、エウダイモニア(人生における意義と目的意識、または良好な精神的機能を指す)や、主観的な社会との信頼関係を0〜10点で尋ねた。5項目のうち「人々に支えられている」だけが生活満足度の平均を上回った(男性5.88、女性6.27)。「充実した人生を送れている」(男性5.41、女性5.68)、「人々に認められている」(5.08、5.26)、「人々や社会の役に立っている」(5.03、4.99)、「人と違うことを言っても受け止めてもらえる」(5.01、4.99)の4項目は下回った。「充実した人生」は、配偶者なしの場合、正規雇用、非正規雇用、非就業の順にスコアが高い傾向である。配偶者ありの場合は、正規雇用の女性が非正規雇用や非就業の女性より高かった。
📖 報告書では:概要p.5「3 人生の充実感(エウダイモニア)や主観的な社会との信頼関係に関する指標」図表3-1〜3-3、質問文はp.5備考
共働き世帯と頼れる人の数
若年層の生活満足度は、男女とも共働き世帯で高い。子育て世帯でも総じて共働き世帯の満足度が高い。未就学児がいる世帯の女性に限ると、一方のみが就業する世帯(6.45)の方が共働き世帯(6.37)よりわずかに高いが、いずれも満足度の水準は高い。社会とのつながりの満足・不満に大きく影響する項目では、どの世代も「困ったときに頼りになる友人・知人がいるか」(39歳以下55%、40〜64歳57%、65歳以上51%)が最多で、「一緒に楽しめる仲間がいるか」(45%、43%、42%)が続いた。同居の家族・親族以外で困ったときに頼りになる人の数は、男女ともミドル層で相対的に少なかった。
📖 報告書では:概要p.6「4 共働き世帯/社会とのつながり①」図表4-1〜4-4
SNSとサードプレイス
SNSを「ほぼ毎日」使う人の割合は若い世代ほど高い。39歳以下の女性は81%、同じ年代の男性は63%で、65歳以上は男性37%、女性41%である。若年層とミドル層では、SNSを利用している人の方が利用していない人より社会とのつながりの満足度が高い傾向にある。ただし、使用頻度と満足度の間に明確な関係は見られなかった。サードプレイス(家庭や職場・学校以外で自由に交流しリラックスできる場所)が「ある」と答えた人は、男女・年代別に43〜53%と半数近い。「ある」人の方が「生活の楽しさ・面白さ」の満足度が高い傾向にある。たとえば40〜64歳の男性では、「あり」が5.73、「なし」が4.86であった。
📖 報告書では:概要p.7「5 社会とのつながり②」図表5-1〜5-4
日本の結果
この号の調べ方
対象は全国の10,633人で、インターネット調査により実施した。うち5,200人は過去の調査にも回答したパネル調査(同じ人に繰り返し尋ねる方式)の回答者である。第7回調査は2025年3月に行われ、調査自体は2019年2月に始まった。生活満足度と分野別満足度を0〜10点の自己申告で尋ね、性別・年齢・居住地・世帯構成・就業状況などの属性ごとに比べている。
この号から言えること
- 総合の生活満足度は前年から0.10ポイント下がったが、2019年以降5.74〜5.89の範囲で一進一退を続けており、一昨年と同じ水準に戻った形である。
- 賃金やWLBの満足度は上がった一方、社会とのつながりや子育てのしやすさは下がった。暮らしの経済面と人間関係・子育て面で動きが分かれている。
- 生活満足度とは別の尺度として人生の充実感や社会との信頼関係を初めて測った。「人々に支えられている」と感じる度合いは生活満足度より高く、「認められている」「役に立っている」などは低い。
- 頼れる友人・知人の存在が社会とのつながりの満足度に大きく影響すると答えた人が多い。サードプレイスがある人ほど生活の楽しさの満足度が高い傾向にある。
読むときの注意
共働き、SNS利用、サードプレイスの有無と満足度の関係は、同時点での比較にすぎない。これらが満足度を高めると示したものではない。数値はインターネット調査の回答にもとづくもので、年ごとの変化も0.1ポイント前後と小さい。本記事は概要版のみを参照しており、図表の一部の数値は概要版のグラフから読み取ったものである。