この号の内容
生活満足度は満足と不満が半々
現在の生活に「満足している」は6.5%、「まあ満足している」は43.6%で、合わせた「満足」は50.0%である。「やや不満だ」は34.7%、「不満だ」は15.0%で、合わせた「不満」は49.7%である。前回調査との比較では、大きな変化は見られない。性別では、女性ほど「満足」、男性ほど「不満」の割合が高い。年齢別では、18~29歳と70歳以上で「満足」、50歳代と60歳代で「不満」が高い。性・年齢別では、男性の50歳代と60歳代で「不満」が目立つ。
📖 報告書では:調査結果の概要 1.(2)「現在の生活に対する満足度」、調査票 問2、表2-1
住まいは満足、お金の面は不満
生活の7つの側面ごとに「満足」の割合を見ると、最も高いのは住生活の66.3%である。以下、食生活61.6%、耐久消費財(自動車・電気製品・家具など)57.0%、自己啓発・能力向上54.7%、レジャー・余暇生活50.5%と続く。これに対し、所得・収入は34.5%、資産・貯蓄は29.2%にとどまる。資産・貯蓄は「不満」が70.1%、所得・収入は「不満」が65.0%に達する。前回からはっきり変化したのは食生活だけで、「満足」が67.6%から61.6%に下がり、「不満」が32.1%から38.0%に上がった。
📖 報告書では:調査結果の概要 1.(3)「現在の生活の各面での満足度」およびア~キ、調査票 問3(1)~(7)、表3-1・表3-2
充実感は約6割、悩みは約8割
日頃の生活で充実感を「感じている」人は59.2%(十分感じている7.8%+まあ感じている51.4%)、「感じていない」人は39.0%である。充実感を感じる時(複数回答)で最も多いのは「ゆったりと休養している時」の57.9%で、前回の54.8%から上昇した。次いで「趣味やスポーツに熱中している時」49.3%、「家族団らんの時」48.1%である。一方、悩みや不安を「感じている」人は78.1%(感じている35.7%+どちらかといえば感じている42.4%)に上る。悩みの内容は、老後の生活設計63.9%、自分の健康62.7%、今後の収入や資産の見通し60.5%が上位を占める。
📖 報告書では:調査結果の概要 1.(4)「現在の生活の充実感」・ア「充実感を感じる時」、1.(5)「日常生活での悩みや不安」・ア「悩みや不安の内容」、調査票 問4~問7
先行きは「悪くなる」が3割
去年の今頃と比べた暮らし向きは、「向上している」5.3%、「同じようなもの」59.6%、「低下している」34.8%である。「低下している」は60歳代と70歳以上で高い。これから先の見通しは、「良くなっていく」8.6%、「同じようなもの」59.4%、「悪くなっていく」30.5%である。「悪くなっていく」は男性と中都市で高い。世間一般と比べた生活の程度は、「中の中」が46.8%で最も多く、「中の下」27.3%、「中の上」15.4%、「下」7.8%、「上」1.4%と続く。いずれの質問も、前回から大きな変化はない。
📖 報告書では:調査結果の概要 1.(1)「去年と比べた生活の向上感」、1.(9)「生活の程度」、2.(1)「今後の生活の見通し」、調査票 問1・問11・問12
時間のゆとりと自由時間
休んだり好きなことをしたりする時間に「ゆとりがある」人は63.9%、「ゆとりがない」人は34.0%である。「ゆとりがない」は、男女とも30歳代から50歳代で高い。自由時間の過ごし方(複数回答)は、「睡眠、休養」53.7%、「テレビやDVD、CDなどの視聴」46.8%、「趣味・娯楽」43.7%の順である。このうち「趣味・娯楽」は前回の40.7%から上昇した。自由時間が増えたらしたいことでは「旅行」が61.5%で最も多い。「睡眠、休養」は29.4%から32.2%に上昇した。
📖 報告書では:調査結果の概要 1.(6)「時間のゆとりの有無」、1.(7)「自由時間の過ごし方」、1.(8)「自由時間が増えた場合にしたいこと」、調査票 問8~問10
価値観と政府への要望
今後重視したいのは「心の豊かさ」が52.2%、「まだ物の豊かさ」が46.6%である。「毎日の生活を充実させて楽しむ」は55.2%で、「貯蓄や投資など将来に備える」の43.9%を上回る。今後力を入れたい側面は「健康」が71.4%で最も多い。働く目的は「お金を得るため」が63.5%、理想の仕事は「収入が安定している仕事」が61.8%で、いずれも最多である。政府への要望は「物価対策」73.1%が最多で、前回の66.1%から上昇した。続く「医療・年金などの社会保障の整備」は64.1%、「景気対策」は58.6%である。「高齢社会対策」は52.2%から48.5%に低下した。
📖 報告書では:調査結果の概要 2.(2)~(4)、3.(1)~(4)、4.(1)「政府に対する要望」、調査票 問13~問20
日本の結果
この号の調べ方
対象は全国の18歳以上で日本国籍を持つ人で、標本数は5,000人である。抽出には層化2段無作為抽出法を用いている。これは、地域や都市規模でグループ(層)に分けたうえで、地点、次に個人の順に無作為に選ぶ方法である。調査は令和7年8月7日~9月14日に郵送法で行われ、実施機関は一般社団法人中央調査社である。有効回収数は2,938人、有効回収率は58.8%である。
この号から言えること
- 生活全体の満足度は満足50.0%、不満49.7%と拮抗し、前回から大きな変化はない。
- 側面別に見ると、住まいや食事の満足度は高く、所得・収入と資産・貯蓄は「不満」が6~7割を占める。悩みの上位も老後の生活設計や今後の収入・資産の見通しであり、お金にかかわる項目に不満と不安が集まっている。
- 食生活の満足度は低下し(67.6%→61.6%)、政府への要望で物価対策が上昇している(66.1%→73.1%)。前回から目に見えて動いたのは、食と物価にかかわる項目である。
- 50歳代と60歳代は、生活への不満が高い。50歳代は悩みや不安を感じる割合が高く、60歳代は暮らし向きの「低下」感が強い。これに対し、18~29歳と70歳以上は満足の割合が高い。
読むときの注意
性別や年齢別の差は、その属性の人ほど回答の割合が高いという傾向を示すにとどまり、原因を示すものではない。前回比較の「大きな変化は見られない」は報告書自身の判断であり、複数回答の質問は上位の選択肢のみを本文で紹介している。有効回収率は58.8%の郵送調査であり、回答しなかった人の意識は数字に含まれない。