この号の内容
ポジティブ指数は70に回復
ポジティブ経験指数は、前日に「よく休めた」「一日中敬意を持って扱われた」「よく笑った」「面白いことを学んだ/した」「楽しんだ」と答えた人の割合を平均した0〜100の値である。2022年の世界の値は70で、2021年から1ポイント上がった。それでも、パンデミック前の数年間とパンデミック1年目の71には届いていない。項目別では、敬意を持って扱われたが87%、よく笑ったが73%、楽しんだが72%、よく休めたが71%、面白いことを学んだ/したが50%である。前年と比べると、よく休めたと楽しんだが各2ポイント、よく笑ったと敬意が各1ポイント上がり、学びは横ばいだった。
📖 報告書では:「Positive Experience Index Rebounds」p.4、図「Positive Experience Index Rebounds in 2022」
上位は中南米と東南アジア
ポジティブ経験指数の首位は、インドネシア、メキシコ、パラグアイ、フィリピン、ベトナムの5か国で、いずれも85である。続いてグアテマラとパナマが84、エルサルバドルが83、コスタリカ・マレーシア・ニカラグアが82である。報告書によれば、これまでは中南米の国々が上位をほぼ占めてきた。2022年は東南アジアも上位に並び、この2地域以外の国は上位に入らなかった。
📖 報告書では:p.5「Positive Experience Index in 2022」、「Latin American, Southeast Asian Countries Lead Positive Experiences」p.6
アフガニスタンが最下位
アフガニスタンのポジティブ経験指数は34で、世界最低である。同国は2020年(パンデミックのため調査できなかった年)を除き、2017年から毎年最下位である。2021年には世界の過去最低となる32を記録しており、2022年もほとんど変わらなかった。タリバン復権から1年にあたる2022年7〜8月の調査では、98%が自分の生活を非常に低く評価し、「苦しんでいる(suffering)」層に分類された。これは2021年の94%を上回る割合である。下位にはほかに、トルコ(45、前年から統計的に変化なし)とレバノン(37から46に改善)が並ぶ。
📖 報告書では:「Afghanistan Remains Least Positive」p.7–8、図「Positive Emotions Fade」「Lowest Positive Experiences Worldwide in 2022」
よく休めた人は71%に増加
「よく休めた」と答えた人の割合は、2021年に2008年の世界経済危機のさなか以来の低さまで落ちていた。2022年はこれが69%から71%へ上がった。2桁の上昇を見せた国もあり、レバノンは24ポイント、メキシコは11ポイント、ロシアは10ポイント上がった。最も低いのはアフガニスタンの35%で、前年の31%から統計的に変化はない。
📖 報告書では:「The World Felt More Well‑Rested in 2022」p.9、地図「Percentage of People Who Felt Well-Rested in 2022」
ネガティブ指数は33で高止まり
ネガティブ経験指数は、前日に身体の痛み・心配・悲しみ・ストレス・怒りを多く感じた人の割合を平均した0〜100の値である。2022年の世界の値は33で、前年に記録した過去最高水準のままである。項目別では、心配が41%、ストレスが40%、身体の痛みが32%、悲しみが27%、怒りが23%である。心配・ストレス・悲しみは前年からそれぞれ1ポイント下がったが、2021年の過去最高に近い水準にとどまる。国別の値は、最も高いアフガニスタンとシエラレオネの58から、最も低いベトナムの11まで幅がある。ベトナムが最低になったのはこれが初めてである。
📖 報告書では:「Negative Experience Index Stalls」p.10–11、図「Negative Experience Index Stable in 2022」
痛みは記録的、最少はベトナム
アフガニスタンのネガティブ経験指数は58で、2年連続の世界最高である(前年は過去最高の59)。シエラレオネも58で並ぶ。同国の調査は、生活費の高騰に抗議する死者の出たデモの後に行われた。シエラレオネで前日に身体の痛みを感じた人は77%で、Gallupがこれまでに記録した国別の値として1ポイント差で最も高い。世界全体でも、身体の痛みは前年から1ポイント上がって32%となり、記録上の最高水準である。逆にネガティブ指数が低いのは、ベトナム11、台湾14、カザフスタン・リトアニア・ポーランド15である。報告書は、ネガティブが低い国が必ずしもポジティブが高いわけではないと指摘している。たとえばリトアニアはネガティブが15と低い一方、ポジティブも55で下位に入っている。
📖 報告書では:「Afghanistan, Sierra Leone Lead the World in Negative Experiences」p.12–13、「Nearly a Third of the World Is in Pain Daily」p.14、「Countries/Areas With the Lowest Negative Experiences」p.15
この号の調べ方
対象は142の国・地域の15歳以上の成人で、各国を代表するよう確率抽出した標本を用いている。2022年に、1か国あたりおよそ1,000人以上へ電話または対面で調査し、面接の総数は147,000件を超える。世界全体の推計には、中国の2021年のデータが含まれる。各指数は「前日に〜を経験したか」への「はい」の割合を平均して100倍したもので、標本誤差は95%信頼水準で±1.6〜±5.6ポイントと記載されている。
この号から言えること
- 2022年は、ポジティブな感情がやや回復したものの、ネガティブな感情は過去最高の水準から下がっていない。「回復」と「高止まり」が同時に起きた年である。
- アフガニスタンは、ポジティブで世界最低、ネガティブで世界最高という両面で突出している。生活を非常に低く評価する人が98%にのぼる。
- 身体の痛みだけが上昇し、世界の32%が前日に痛みを経験した。シエラレオネの77%は、Gallupの記録上で最も高い値である。
- ネガティブが少ない国とポジティブが多い国は一致しない。ベトナムは両方で上位に入るが、リトアニアのようにネガティブもポジティブも低い国もある。
読むときの注意
この号の抜粋には日本の値や順位が載っていないため、日本の位置づけはこの資料からは分からない。報告書は、ポジティブ指数が生活水準・個人の自由・人とのつながりの感じ方と強く関係し、健康問題や食料を買えるかどうかがネガティブ指数の高さを予測するとしている。ただし、これらは関連を示すもので、原因を示すものではない。世界の値には中国の2021年データが含まれ、国別の値には±1.6〜±5.6ポイントの誤差がある点にも注意が必要である。