ウェルビーイングの調査・報告書

2024年版テーマ:ポジティブ経験の回復完了と、孤独感の初測定

Gallup Global Emotions 2024(2023年データ、142の国・地域、2024年6月)

Gallup

Gallupが毎年出している「世界の感情レポート」の2024年版で、2023年に142の国・地域で集めたデータをまとめた号である。最大の話題は、世界全体でポジティブな感情がコロナ前の水準に戻り、ネガティブな感情が2014年以来初めて下がったことである。前日に「面白いことを学んだ・した」人は54%で過去最高になった。今回初めて、孤独感の調査結果も示された。

この号の内容

ポジティブ指数71、コロナ前に回復

ポジティブ経験指数は、前日に5つの良い経験をしたかを「はい/いいえ」で尋ね、「はい」の割合の平均を0〜100で表したものである。2023年の世界全体のスコアは71で、2022年から1ポイント上がった。コロナ前の数年の水準に戻り、過去最高に並んだ。項目別では、よく休めた71%、大いに楽しんだ73%、よく笑った73%で、いずれも前年並みである。敬意を持って扱われたは85%で2ポイント下がり、面白いことを学んだ・したは54%で4ポイント上がった。年齢別では30歳未満が74で最も高く、コロナ前の水準に戻ったのも上の世代より1年早い。2023年の改善の大半は30歳以上で起きた。

📖 報告書では:「Positive Experience Index Rebound Complete」p.4–5、図「Positive Experience Index Rebounds in 2023」「Young People the Most Positive Worldwide」

首位は中南米と東南アジア

国別の首位はパラグアイとパナマで、ともに86である。以下、グアテマラ85、メキシコ84、インドネシア84、エルサルバドル83、コスタリカ83が続く。マレーシア、セネガル、フィリピン、タイはいずれも82である。上位はこれまでも中南米が多かったが、今回は東南アジアも多く入った。アフリカで上位に入ったのはセネガルだけで、同国は2021年にも上位に入っている。

📖 報告書では:「Latin American, Southeast Asian Countries Again Led Positive Experiences」p.5–6、表「Highest Positive Experiences Worldwide in 2023」

最下位はまたアフガニスタン

ポジティブ指数の最下位はアフガニスタンの38である。同国は2017年以降、調査できなかった2020年を除いて毎年最下位である。2021年には世界最低記録の32まで落ち、その後は毎年少しずつ上がっているが、2012年の最高値68より30ポイント低い。改善は主に男性で見られ、2023年は男性42に対して女性34である。生活評価がきわめて低く「苦しんでいる(suffering)」に分類される人は93%で、タリバンの全土掌握以降、90%を下回っていない。下位にはほかに北キプロス46(同地域の過去最低)、トルコ47、レバノン51が並ぶ。レバノンの51は2018年以降で最も高い。

📖 報告書では:「Countries/Areas With the Lowest Positive Experiences」p.7–8、表「Lowest Positive Experiences Worldwide in 2023」、図「Afghans Still Among Least Likely to Experience Positive Emotions」

「面白いことを学んだ」54%

前日に面白いことを学んだ・した人の割合は、約20年間ほとんど50%を超えなかった。2023年は54%で過去最高である。どの年齢層でも前年より増え、30歳未満が59%で最も高い。30〜49歳の54%と50歳以上の50%は、それぞれの年齢層で過去最高である。インドは12ポイント、アイスランドは11ポイント、ギリシャと中国は10ポイント増えた。世界全体の増加の多くは、人口の多いインドと中国の伸びによるものである。国別の首位はセネガルの79%で、最も低いのはアフガニスタンとバングラデシュの各17%である。

📖 報告書では:「The World Learned Something in 2023」p.9、図「More of the World Learned Something Interesting in 2023」

ネガティブ指数31、10年前より高い

ネガティブ経験指数(前日の痛み・心配・悲しみ・ストレス・怒りの「はい」の割合の平均)は、2014年以来初めて下がった。2022年から2ポイント下がって31になり、2019年と同じ水準である。ただし、それ以前のどの年よりは高い。項目別では、心配40%、ストレス37%、身体の痛み30%、悲しみ26%、怒り22%である。5項目すべてが下がったが、いずれも10年前より高い。中国(5ポイント減)とインド(4ポイント減)の低下が全体に効いているが、両国を除いても指数は32である。年齢別では30歳未満が28で最も低く、30〜49歳は34、50歳以上は31である。

📖 報告書では:「Negative Experience Index Slipped」p.10–11、図「Negative Experience Index Dipped in 2023」「Negative Experiences Drop in All Age Groups」

ギニアが最悪、イスラエル急上昇

ネガティブ指数が最も高いのはギニアの53で、最も低いのはベトナムの11である。ギニアでは2021年に軍事クーデターがあり、ストレスが1年で10ポイント上がって過去最高の52%になった。心配は65%、痛みは59%である。イスラエルは10月7日のハマスの攻撃の2週間後に調査され、47で初めて上位に入った。心配67%、ストレス62%、悲しみ51%はいずれも同国の過去最高である。世界全体のストレスは3ポイント下がって37%だが、10年前の33%より高い。国別の変化では、アゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフ停戦後に40%から14%へ下がり、イスラエルは38ポイント上がった。

📖 報告書では:「Guinea Led the World in Negative Experiences」p.12–13、「Stress Levels Fell Globally」p.14、表「Highest Negative Experiences Worldwide in 2023」

初の孤独感調査、世界で23%

今回初めて、前日の大半の時間に孤独を感じたかを尋ねた。世界全体では23%が「はい」と答えた。国別ではコモロの45%が最も高く、ベトナムの6%が最も低い。孤独を感じた人ほど、ほかのネガティブな感情も経験している傾向がある。たとえば悲しみを感じた人は、孤独を感じた人では54%、感じなかった人では18%で、約3倍の差がある。孤独を感じた人はポジティブな経験も少ない傾向にあるが、「面白いことを学んだ・した」以外の多くの項目では、孤独を感じた人でも過半数が経験している。報告書によると、孤独感を指数に含めると、生活評価との関係がわずかに強くなり、1人あたりGDPや自殺死亡率との負の関係も強くなる。

📖 報告書では:「Over One in Five Adults Worldwide Felt Lonely」p.16–17、図「Feelings of Loneliness Span the Globe」「Loneliness and Experiencing Other Emotions」

この号の調べ方

2023年に142の国・地域で、15歳以上の成人約146,000人に行った調査である。対象は全国を代表する確率標本(無作為に選んだ回答者)で、中国以外は各国およそ1,000人以上に電話または対面で尋ねた。中国はウェブで2,200人に尋ねた。標本誤差は95%の信頼水準で±2.2〜±5.5ポイントである。指数は、前日の5つの経験について「はい」と答えた割合の平均に100を掛けたもので、0〜100で表す。

この号から言えること

  • 2023年は、ポジティブ指数71がコロナ前の水準に戻り、ネガティブ指数31が2014年以来初めて下がった。ただし、ネガティブな感情はどれも10年前より高い。
  • 世界全体の変化には、人口の多い中国とインドの動きが大きく効いている。ネガティブ指数は、両国を除くと32である。
  • 紛争やクーデターに直面した国(イスラエル、ギニア、アフガニスタン)では、感情の数字が大きく悪化したか、低い水準のままである。
  • 初めて測った孤独感は世界で23%である。孤独を感じる人ほど、ほかのネガティブな感情が多く、ポジティブな感情が少ない傾向がある。

読むときの注意

指数は「前日」1日の経験を尋ねたもので、調査時期の出来事に左右されやすい。たとえばイスラエルは攻撃の2週間後に調査されている。中国は2022年に調査されておらず、2023年はウェブ調査のため比較に注意が要る。孤独感の質問は「一人でいる」と受け取られた可能性があると報告書自身が注記しており、孤独感と他の感情の関係も相関を示したものである。この報告書の本文には、日本についての記述はない。

出典

主に参照した箇所:本文PDF p.3–18(指数の定義 p.3、ポジティブ経験 p.4–9、ネガティブ経験 p.10–15、孤独感 p.16–17、方法 p.18)。この記事は、上の公式資料に書かれていることだけをもとにAIが書き、記事中の数字が元資料にあることを照合しています(2026-10-12取得)。正確な値や文脈は原典で確かめてください。

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