この号の内容
平均74%が幸せ、25か国で上昇
29か国平均で「とても幸せ」は18%、「まあ幸せ」は56%で、合わせて74%が幸せと答えた。前年より幸せの割合が上がった国は29か国中25か国で、下がったのはオランダ、インド、アルゼンチンの3か国だけである。インドは88%から72%へ16ポイント下がり、下げ幅が際立つ。シンガポールは73%で前年と同じだった。
📖 報告書では:p.2「What to know」、p.3 国別グラフ、p.9「Happiness through the years」
首位インドネシア、最下位ハンガリー
幸せの割合が最も高いのはインドネシアの85%で、「とても幸せ」だけで43%を占める。2位はオランダの84%、3位はメキシコの83%である。最も低いのはハンガリーの54%で、46%が幸せではないと答えた。下から2番目は韓国の57%で、その上にトルコ(59%)、日本(63%)が続く。
📖 報告書では:p.3 Q1の国別グラフ、公式ページ「Where are people happiest?」
2011年比では多くの国で低下
イプソスは2011年から幸福感を追跡しており、両方の調査に含まれる20か国のうち15か国で幸せの割合が下がった。最も大きく下がったのはトルコで、2011年の89%から59%へ30ポイント低下した。インドは17ポイント、カナダと米国は12ポイント下がっている。逆に上がったのはスペイン(14ポイント増)、ハンガリー(11ポイント増)、メキシコ、アルゼンチン、ブラジルの5か国だけである。
📖 報告書では:p.9「Happiness through the years: 2011 - 2026」、公式ページ「Are we getting happier?」
幸せは人間関係、不幸はお金
幸せと答えた人に、幸せに寄与している生活の領域を3つまで選んでもらうと、「認められている・愛されていると感じる」(37%)と「家族や子ども」(36%)が上位だった。続いて心の健康(27%)、自分の人生を自分で動かせている感覚(25%)が並ぶ。不幸せと答えた人では「自分の経済状況」が57%と突出し、2位の心の健康(30%)を大きく上回る。経済状況が不幸の理由の首位なのは29か国中28か国である。報告書は、幸せは身近な人間関係から、不幸は外的な要因から生じていると整理している。
📖 報告書では:p.2、p.4「What makes us happy?」、p.10・p.11 理由別グラフ、p.13・p.15 国別表
高齢層と高所得層ほど幸せの割合が高い
年代別では20代74%、30代76%、40代73%、50代72%とほぼ横ばいで、60代で76%、70歳以上で82%に上がる。所得別では低所得層67%、中所得層76%、高所得層79%で、所得が低い層ほど幸せの割合が低い傾向がある。幸せの理由の首位は、低所得層では「認められている・愛されていると感じる」(39%)、中所得層(37%)と高所得層(40%)では「家族や子ども」である。不幸の理由はどの所得層でも「自分の経済状況」が首位で、低所得層61%、中所得層57%、高所得層54%だった。
📖 報告書では:p.5「At what age are we happiest?」、p.6「Does money bring happiness?」
国の経済を不幸の理由に挙げる人は減少
不幸の理由に「自国の経済状況」を挙げる人は、4か国を除くすべての国で2025年より減った。イプソスの別調査「What Worries the World(世界は何を心配しているか)」では、自国経済が良いと考える人が前年より増えた国が29か国中18か国にのぼる。韓国は21ポイント増、ペルー・イスラエルは12ポイント増だった。報告書は、経済状況のわずかな改善が今年の幸福感の上昇を説明しうると示唆している。
📖 報告書では:p.2「Struggling economies having less of an impact on happiness」、p.7 経済状況の変化グラフ
日本の結果
この号の調べ方
イプソスのオンライン調査基盤「Global Advisor」(インドは対面中心の「IndiaBus」)を使い、2025年12月24日〜2026年1月9日に29か国の成人計23,268人に尋ねた。対象年齢は多くの国で16〜74歳、日本の標本は約2,000人で、75歳未満の成人全体を代表するとされる。幸福度は「全体として、あなたは幸せですか」への4択で、「とても幸せ」と「まあ幸せ」の合計を「幸せ」の割合とする。幸せ・不幸せと答えた人には、それぞれの理由となる生活の領域を17項目から3つまで選んでもらっている。
この号から言えること
- 「とても」と「まあ」の合計で見ると多数派は幸せだが、2011年と比べると多くの国で幸せの割合は下がっており、1年の上昇だけで長期の流れは判断できない。
- 幸せの理由は「認められている」「家族」といった人間関係が上位に来る一方、不幸の理由は所得水準や国を問わず自分の経済状況が首位で、幸せと不幸せで中身が異なる。
- 日本は平均より11ポイント低い26位で、不幸の理由に自分の経済状況を挙げる割合(66%)が平均より高く、幸せの理由に心の健康を挙げる割合(14%)が平均の約半分である。
読むときの注意
ブラジル、インドネシア、メキシコ、トルコなど一部の国の標本は一般人口より都市部・高学歴・高所得に偏っており、その国の「つながっている」層の意見とみなす必要がある。29か国平均は各国の人口規模で調整していない単純平均で、誤差は標本1,000人で±3.5ポイント、500人で±5.0ポイントあるため、近い順位の差は小さい。年齢・所得と幸福度の関係や経済の見方と幸福感の上昇の関係は同時に見た傾向であり、因果を示すものではない。