ウェルビーイングの調査・報告書

2024年版テーマ:生活の質「8+1」指標の最後の次元「人生の全体的な経験」—生活満足度の国別・属性別比較(2024年)

Quality of life indicators - overall experience of life(2024年データ、EU平均7.2、データ抽出2025年12月)

ユーロスタット(Eurostat、EU統計局)。各国の統計局が実施

ユーロスタット(EU統計局)の「生活の質指標」のうち、人生の全体的な経験を扱う記事で、2024年データを2025年12月に抽出したものである。いちばんの話題は、2024年のEUの生活満足度の平均が10点満点で7.2だったことである。国別では首位がフィンランドの7.8、最低がブルガリアの6.2で、全加盟国が6を上回った。年齢、学歴、世帯構成、所得による違いも示している。

この号の内容

EU平均7.2、全加盟国で6超

2024年のEU居住者の生活満足度の平均は10点満点で7.2である。最も高いのはフィンランドの7.8で、ルーマニアとスロベニアの7.7が続く。最も低いのはブルガリアの6.2で、ギリシャの6.7、ラトビアの6.9がこれに次ぐ。全EU加盟国の平均が6を上回っており、報告書はこれを「回答者が不満より満足の側にいる」ことを示すと説明している。

📖 報告書では:p.1「EU citizens were generally satisfied with their lives in 2024」、p.2 地図1(Map 1)

16〜29歳が最も満足

EU全体では、2024年に16〜29歳がほかの年齢層より高い生活満足度を報告した。ただし、この傾向は国によって異なる。多くの国では年齢が上がるほど満足度が下がる。一方で、25〜64歳と65歳以上の差は、どちらかの層と16〜29歳との差より小さい。若年層(16〜29歳)と高齢層(65歳以上)の差が最も大きいのはクロアチア(2.6ポイント)とリトアニア(2.2ポイント)である。スロバキア、ポーランド、フランスなど11か国では中間の25〜64歳が最も低く、デンマーク、フィンランド、オランダでは65歳以上が最も高い。

📖 報告書では:p.2–3「Young people in the EU were more satisfied with their lives」、図1(Figure 1)

学歴が高いほど満足度も高い

EU全体でも各国でも、学歴が高いほど生活満足度が高い。中等教育未満の層では、平均がブルガリアの5.6からフィンランドの7.7まで幅がある。中等教育の層では最低がブルガリアの6.2、最高がルーマニアの7.8である。高等教育の層ではブルガリアの6.8からルーマニアの8.4までである。中等教育未満と高等教育の差が最も大きいのはスロバキアの1.4ポイントで、ギリシャ、クロアチア、ハンガリーがいずれも1.3ポイントで続く。

📖 報告書では:p.3「Life satisfaction increased with level of education」、p.4 図2(Figure 2)

子どものいる世帯は7.4

EU全体の満足度の違いは、主に世帯構成と所得水準によって生じている。扶養する子どものいる世帯は、どの世帯類型と比べても一貫して満足度が最も高く、2024年は7.4だった。大人2人の世帯は7.3、子どものいない大人3人以上の世帯は7.2、単身世帯は6.8である。EUでは単身世帯に住む人の割合が増えている。報告書によれば、子どものいる世帯のほうが満足度が高いことはヨーロッパにかなり特有の傾向で、他の大陸の研究ではしばしば逆の結果が出ている。

📖 報告書では:p.4–5「Other factors: income, household type, sex and level of urbanisation」、p.5 図3(Figure 3)

所得上位7.8、下位6.6

所得五分位(所得順に人口を5等分した区分)の最上位層の満足度は7.8で、最下位層の6.6より高い。それでも、最下位層の多くも平均すると6を上回っている。所得五分位と満足度の関係は、過去10年間ほぼ変わっていない。男女の差はわずか0.1ポイントである。EU平均では都市と農村の差は見られない。ただし国ごとには違いがあり、都市住民の満足度が高い国もあれば、農村住民のほうが高い国もある。

📖 報告書では:p.5 図3(Figure 3)および本文

主観的幸福の3つの側面

主観的なウェルビーイングは、互いに補い合う3つの側面からなる。1つ目は生活満足度(人生全体の評価)、2つ目は感情(喜びなどの良い感情があり、悲しみや怒りなどの悪い感情がないこと)である。3つ目はユーダイモニア(人生に意味や目的があるという感覚)で、OECDの「主観的ウェルビーイング測定ガイドライン」の定義による。生活満足度はEU-SILCの基本調査で毎年集めている。感情は6年ごとの特別モジュールで、ユーダイモニアは2013年の特別モジュールで一度だけ集め、その後は繰り返していない。この記事は生活満足度だけを扱っている。

📖 報告書では:p.5–6「Data sources」

この号の調べ方

データは主にEU所得・生活条件統計(EU-SILC)による。EU-SILCは、EUの所得、生活条件、生活の質のさまざまな側面を、個人と世帯の両方の単位で測る統計である。指標は、本人が0〜10の尺度で自己評価する生活満足度である。2024年データを国、年齢層(16〜29歳、25〜64歳、65歳以上)、学歴、世帯類型、所得五分位、性別、都市化の度合いで比べている。データは2025年12月に抽出され、次回の更新は2026年12月の予定である。

この号から言えること

  • EUの生活満足度は平均7.2で、首位はフィンランドの7.8、最低はブルガリアの6.2である。それでも全加盟国が6を超えている。
  • 子どものいる世帯(7.4)は単身世帯(6.8)より満足度が高い。報告書はこれを、他の大陸ではしばしば逆になるヨーロッパ特有の傾向と位置づけている。
  • 所得上位層(7.8)は下位層(6.6)より満足度が高く、この関係は過去10年ほぼ一定である。一方、男女差は0.1ポイントにとどまり、EU平均では都市と農村の差もない。
  • 年齢では16〜29歳が最も高いが、デンマーク、フィンランド、オランダでは65歳以上が最も高い。同じ指標でも国によって年齢との関係が異なる。

読むときの注意

示されている違いは属性ごとの平均の比較であり、学歴や所得、子どもの有無が満足度を高めることを示すものではない。報告書自身も、生活満足度は回答のタイミングや状況、天候、時間帯、曜日の影響を受けうると述べている。さらに、客観的な指標で検証できる対応物がないという方法上の課題も挙げている。

出典

主に参照した箇所:本文PDF p.1–6(Highlights、地図1、図1〜3、Data sources、Context)。この記事は、上の公式資料に書かれていることだけをもとにAIが書き、記事中の数字が元資料にあることを照合しています(2026-10-12取得)。正確な値や文脈は原典で確かめてください。

あわせて読む 世界の主要ウェルビーイング研究 → 調査の数字の背景にある研究を。幸せの研究の著名論文2,358本を、要旨・研究の系譜・28の概念で。 最新の論文は 世界の最新ウェルビーイング研究 → AIが毎日集める最新の論文データベース。調査を使った新しい研究もここに。
URL・数字は公式の資料で確かめたものだけを載せ、各ページに確認日を添えています。順位や割合は版によって変わるので、引用するときは各版の公式資料をご確認ください。調べものと記入はAI(Claude)を活用し、はぴテックが確認しました。 調査・報告書の一覧(Excel)
© 株式会社はぴテック