ウェルビーイングの調査・報告書

2023年版テーマ:社会情動的スキル(21世紀型スキル)の格差と、ウェルビーイング・健康行動・学業などの成果との関連

SSES 2023(第2回)国際報告書「Social and Emotional Skills for Better Lives」(16の国・都市、2024年4月26日)

OECD(経済協力開発機構)。日本は2023年に群馬県が参加(群馬県教育委員会)

OECDの社会情動的スキル調査(SSES)第2回、2023年調査の国際報告書である。社会情動的スキルとは、粘り強さ・楽観性・好奇心・共感など、学力テストでは測りにくい「人と関わり、感情を整え、物事に取り組む力」を指す。報告書は、16の国・都市の主に15歳の生徒について、これらのスキルが年齢・性別・家庭の経済状況で偏って分布していると示している。また、スキルが学業成績、生活満足度、健康的な行動、テストや授業への不安の少なさ、意欲的な進路希望と結びついているとも示している。特に目立つのは、楽観性・活力・信頼が低い生徒ほど生活満足度などが低い傾向と、15歳の半数超が睡眠8時間未満という結果である。

この号の内容

5領域15スキルを測る調査

SSESは、10歳と15歳の生徒の社会情動的スキルを集める国際調査である。報告書はこれを、この種の調査として世界最大の取り組みと位置づけている。測定するのは5領域15スキルである。課題遂行(粘り強さ・責任感・自制心・達成動機)、感情調整(ストレス耐性・感情コントロール・楽観性)、他者との関わり(自己主張・社交性・活力)、開かれた心(好奇心・創造性・寛容さ)、協働(共感・信頼)の5つに分かれる。報告書は、これらのスキルが学業成功、高い生活満足度、健康的な行動、テストや授業への不安の少なさ、意欲的な進路希望と結びついていると示している。

📖 報告書では:要旨(Abstract)、エグゼクティブ・サマリー冒頭

年齢・性別・家庭背景で差

10歳の生徒は15歳より社会情動的スキルを高く自己評価する傾向があり、特に信頼・活力・楽観性で差が大きい。15歳では、男子が感情調整スキル(特にストレス耐性)、活力、信頼、社交性で女子を上回る。これらの男女差は主に思春期に現れるが、ストレス耐性だけは10歳の時点で既に差が見られる。一方、女子は寛容さ、達成動機、共感、責任感で男子を上回る。社会経済的に不利な家庭の生徒は、すべてのスキルで有利な家庭の生徒より低い。差が最も大きいのは、開かれた心のスキル(創造性・寛容さ・好奇心)と、他者と関わるスキルである。

📖 報告書では:エグゼクティブ・サマリー「There are disparities in social and emotional skills by students’ age, gender and family background」

2019年より多くのスキルが低下

2019年と2023年の両方に参加したのは、ヘルシンキ(フィンランド)とボゴタ(コロンビア)の2都市である。両都市では、10歳・15歳ともに2023年のスキルが2019年より低い傾向が見られた。差が最も大きいのは開かれた心のスキル(寛容さ・創造性・好奇心)で、責任感・自制心・信頼・社交性でも低下が見られた。また、感情調整スキルと活力の男女差は両都市で広がり、2023年には男子が女子をさらに上回った。2019年調査は新型コロナウイルス流行前に行われたものである。

📖 報告書では:エグゼクティブ・サマリー「Students reported lower levels of most social and emotional skills in 2023 than in 2019 in the two sites that participated in both years」

女子はウェルビーイングが低く不安が高い

女子は男子に比べ、朝食をとる・十分に眠る・定期的に運動するといった健康的な行動を報告する割合が低い。女子は、生活満足度、心理的ウェルビーイング(心の健やかさ)、人間関係への満足、身体イメージでも男子より低い傾向がある。テストや授業への不安は女子のほうが高い。一方で、女子は男子より大学など高等教育を修了し、管理職・専門職に就くと見込む傾向が強い。

📖 報告書では:エグゼクティブ・サマリー「Girls report less healthy behaviours and lower levels of life satisfaction and psychological well-being than boys, however they tend to be more ambitious」

15歳の半数超が睡眠8時間未満

参加国・都市の平均では、15歳の半数超が「ほとんどの夜、睡眠が8時間未満」と答えている。報告書は、健康行動の中で十分な睡眠が、心理的ウェルビーイングや生活満足度と最も強く関連すると示している。楽観性・活力・課題遂行スキル(特に達成動機・粘り強さ・責任感)が高い生徒ほど、十分な睡眠、健康的な食事、定期的な運動といった健康的な行動をとる傾向がある。

📖 報告書では:エグゼクティブ・サマリー「Most 15-year-olds are not getting enough sleep which can negatively impact their well-being」

楽観・活力・信頼とウェルビーイング

感情調整スキル(特に楽観性)、活力、信頼が低い生徒ほど、生活満足度や心理的ウェルビーイングが低い傾向がある。報告書は、ウェルビーイングと最も強く一貫して関連するのがこの楽観性・活力・信頼であると述べる。そしてこの3つは、10歳から15歳にかけての低下が最も大きいスキルでもあると指摘している。

📖 報告書では:エグゼクティブ・サマリー「Students with lower social and emotional skills tend to have poorer well-being outcomes」

日本の結果

日本からは群馬県(Gunma)が2023年調査の参加地域の一つとして加わっている。今回の元資料の抜粋(要旨とエグゼクティブ・サマリー)には、群馬県の個別の数値や順位は含まれていない。

この号の調べ方

SSES 2023には6か国を含む16の国・都市が参加した。15歳の測定は全地域で必須、10歳の測定は任意であり、報告書の結果は特記がない限り15歳についてのものである。結果は生徒自身の回答(自己報告)に基づく。報告書では、可能な範囲で2019年調査に参加した別の7地域のデータも合わせて分析し、新型コロナ流行前の2019年調査と比較している。

この号から言えること

  • 社会情動的スキルは均等に分布しておらず、年齢が上がるほど、また女子や不利な家庭の生徒ほど低く出るスキルがある。
  • ウェルビーイングと最も強く結びつく楽観性・活力・信頼は、10歳から15歳にかけて最も大きく低下するスキルでもある。
  • 睡眠は健康行動の中で生活満足度・心理的ウェルビーイングと最も強く関連しており、15歳の半数超が8時間未満しか眠っていない。
  • 女子はウェルビーイングが低く不安が高い一方で、高等教育や専門職への期待は男子より高い。

読むときの注意

示されているのはスキルと成果の関連であり、スキルを伸ばせば満足度が上がるという因果を直接示したものではない。2019年からの変化は2都市だけの比較であり、全参加地域の傾向とは言えない。日本の参加は群馬県のみで、日本全体を代表する結果ではない点にも注意が要る。

出典

主に参照した箇所:OECD公式ページの要旨(Abstract)とエグゼクティブ・サマリー(抜粋。本文PDFのページ番号は元資料に記載なし)。この記事は、上の公式資料に書かれていることだけをもとにAIが書き、記事中の数字が元資料にあることを照合しています(2026-10-12取得)。正確な値や文脈は原典で確かめてください。

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