幸せの名言集

『淮南子』人間訓の名言2選

日本でも処世訓・家訓として広く定着した

「陰徳あれば、必ず陽報あり」

— 『淮南子』人間訓 前漢の思想書(BC2世紀)

人知れず積んだ善行(陰徳)には、必ず目に見える良い報い(陽報)がある。誰も見ていないところでの善行こそ価値が高い、とする東アジアで広く定着した倫理観

心理学では
この名言は、人目や見返りを求めない向社会的行動(他者のためになる自発的な行い)が、やがて本人の幸福として返ってくることを語っている。Weinstein & Ryan(2010)は日誌研究と実験を組み合わせ、自分の意思で選んだ援助(自律的動機づけによる援助)は、義務感や体面から行う援助よりも、助けた側の活力や満足感を高め、助けられた側が受け取る恩恵も大きくすることを示した。またDunnら(2008)の実験では、他人のためにお金を使うよう割り当てられた人は、自分のために使った人より幸福感が高まった。誰にも知られない場面で小さな親切を一つ自分で選んで行うことが、確かな「陽報」につながる。 参考:Weinstein & Ryan(2010)「When helping helps: Autonomous mot…」/Dunnら(2008)「Spending Money on Others Promotes …」
「人間万事塞翁が馬」

— 『淮南子』人間訓

福→禍→福と転じる胡人の老人の故事

砦の老人(塞翁)の馬が逃げた(禍)→名馬を連れて帰った(福)→息子がその馬から落ちて骨折した(禍)→そのおかげで徴兵を免れ生き延びた(福)。禍福は最後まで分からないから、目先の出来事で一喜一憂するなという故事

心理学では
この故事の知恵は、感情予測(将来の出来事で自分がどう感じるかの見積もり)の研究と重なる。Gilbertら(1998)は、失恋や大学教員の終身雇用審査などを題材に予想と実際の気持ちを比べ、人は悪い出来事のつらさが長く続くと過大に見積もりやすいことを示した。心には出来事を受け止めて意味づけ直す働き(心理的免疫)があるのに、それを見落とすのである。また、全米の成人を数年追ったSeeryら(2010)の縦断研究では、逆境をまったく経験しなかった人よりも、ほどほどに経験した人ほど心の健康が良好だった。うまくいかない日こそ「まだ途中だ」と考え、結論を急がない構えが気持ちの切り替えにつながる。 参考:Gilbertら(1998)「Immune neglect: A source of durabi…」 ↗/Seeryら(2010)「Whatever does not kill us: Cumulat…」

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