幸せの名言集

ブレネー・ブラウンの名言4選

米国の社会福祉学研究者。恥(shame)と脆弱性の研究

「私は、このままで十分である(I am enough)」

— ブレネー・ブラウン 『The Gifts of Imperfection』(2010)ほか

欠乏の物語から充足の前提へ切り替える

心理学では
この言葉は、心理学でいう無条件の自己価値(成果や評価に左右されない「自分には価値がある」という感覚)を、自分に向けて言い直す宣言である。Crocker & Park(2004)は多くの研究を整理し、成績や他人の承認を得たときだけ自分を認める「条件つきの自尊感情」を追い求める人ほど、不安や対人関係のこじれを抱えやすいことを示した。またCreswellら(2005)の実験では、大切にしている価値観について書いてからストレス課題に臨んだ大学生は、ストレスホルモンの反応が小さかった。うまくいかない日ほど、結果とは別に自分が大切にしているものを思い出し、「このままで十分」と唱えてから次の一歩に向かうことが助けになる。 参考:Crocker & Park(2004)「The Costly Pursuit of Self-Esteem.」 ↗/Creswellら(2005)「Affirmation of Personal Values Buf…」 ↗
「「勇気(courage)」の語源は、ラテン語の「心(cor)」。もともとは「自分が何者であるかを、心をこめて語ること」を意味した」

Courage originally meant to tell the story of who you are with your whole heart.

— ブレネー・ブラウン 『本当の勇気は「弱さ」を認めること』(2012)ほか

勇気の原義は、竜と戦うことではなく、自分の物語 ── 弱さや失敗を含めて ── を隠さず語ることだった。「弱さの開示こそ最大の勇気」というブラウンの研究の、語源からの根拠づけ

心理学では
この名言は、自己開示(自分の気持ちや弱さを人に打ち明けること)を勇気の核心に置いている。強みと美徳を分類したPeterson & Seligman(2004)も、誠実さ(ありのままの自分を偽りなく示すこと)を「勇気」の美徳に含めている。Brukら(2018)の一連の実験では、失敗や好意の告白など弱さを見せる行為を、本人は「みっともない」と低く見積もった。一方で周りの人は、同じ行為をむしろ好ましく誠実なものと受け止めていた。ただし打ち明ける深さは、関係の段階に合わせて少しずつ深めるとよい。まずは身近な人に小さな失敗を一つ話すことが、信頼への入口になる。 参考:Peterson & Seligman(2004)「Character strengths and virtues」 ↗/Brukら(2018)「Beautiful mess effect: Self–other …」 ↗
「共感とは、相手の暗闇に降りていって、「あなたは一人じゃない」と伝える選択である」

Empathy is feeling with people.

— ブレネー・ブラウン 講演「共感と同情の違い」(RSAアニメーションで世界的に知られる)

穴に落ちた人に、上から「大変ね」と声をかけるのが同情(sympathy)。梯子を降りて隣に座り「この感じ、知ってる」と言うのが共感(empathy)── 二つを鮮やかに区別し、共感を感情ではなく「選択」と定義した講演

心理学では
この名言は、共感を自然に湧く感情ではなく「動機づけられた選択」(相手の気持ちに近づくか避けるかを自分で決める心の働き)としてとらえる見方と重なる。Zaki(2014)は多くの研究を整理し、人は相手の苦しみに触れる負担を恐れて共感を避けることもあれば、相手との関係を大切に思うときには自ら近づくことも示した。さらにTeding van Berkhout & Malouff(2016)は、共感訓練の研究をまとめたメタ分析(多数の研究の統合)で、訓練が共感を高める効果を確かめた。共感は選び、磨けるスキルである。つらそうな人の前では助言を急がず、まず隣に座る気持ちで「そう感じるのは当然だ」と受けとめることが、相手の孤独をほどく第一歩になる。 参考:Zaki(2014)「Empathy: A motivated account.」 ↗/Teding van Berkhout & Malouff(2016)「The efficacy of empathy training: …」 ↗
「本来の自分でいるとは、「こうあるべき自分」を手放し、ありのままの自分を受け入れる日々の実践である」

— ブレネー・ブラウン 『The Gifts of Imperfection』(2010)

自分らしさは状態ではなく毎日の実践である

心理学では
この言葉は、心理学でいう本来感(自分らしくいられているという感覚)を、日々選び直す行為としてとらえている。Higgins(1987)の自己不一致理論(現実の自分と、理想の自分や「こうあるべき自分」とのずれに注目する理論)によれば、「こうあるべき自分」と現実の自分の隔たりが大きい人ほど、不安や焦りを抱きやすい。またLentonら(2013)は、自分らしいと感じた体験とそうでない体験を思い出してもらう研究を行った。その結果、本来感は固定した性格ではなく場面ごとに揺れ動く状態であり、自分らしいと感じた体験ほど前向きな感情を伴うことを報告している。一日の終わりに「今日、無理に演じた場面はどこか」を振り返る習慣が、ありのままの自分へ戻る小さな練習になる。 参考:Higgins(1987)「Self-discrepancy: A theory relatin…」/Lentonら(2013)「How Does “Being Real” Feel? The Ex…」

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