幸せの名言集

ブレーズ・パスカルの名言3選

フランスの数学者・思想家(1623-1662)

「人間は考える葦である」

L'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature; mais c'est un roseau pensant.

— ブレーズ・パスカル 『パンセ』(1670)

「考える葦」として流通

人間は自然の中で最も弱い一本の葦にすぎないが、考えることができる。宇宙は人間をたやすく押しつぶせるが、人間は自分が死ぬことを知っており、宇宙はそれを知らない。弱さと尊厳が同居する人間観

心理学では
パスカルの言葉は、人間の尊厳を外からの評価ではなく、自分を省みる内なる力に置く。心理学では、自己内省(自分の考えや感情を振り返ること)が自己概念の明確さ(自分が何者かがはっきりしている程度)を支えるという見方にあたる。Campbellら(1996)の相関研究では、自己概念が明確な人ほど自尊感情が高く、不安や落ち込みが少なかった。Trapnell & Campbell(1999)は、好奇心から自分を探る「内省」と、不安から同じ考えを繰り返す「反すう」を区別し、前者が開放性と関連することを示した。ただし考えが堂々巡りになるときは、問いを「なぜ」から「何を大切にしたいか」へ切り替えるとよい。一日の終わりに感じたことを静かに振り返る時間が、自分の軸を育てる。 参考:Campbellら(1996)「Self-concept clarity: Measurement,…」 ↗/Trapnell & Campbell(1999)「Private self-consciousness and the…」 ↗
「すべての人間は幸福を求める。例外はない。戦争に行く者も避ける者も、この同じ欲望から動いている」

All men seek happiness. This is without exception.

— ブレーズ・パスカル 『パンセ』(1670)

あらゆる行動の根底に幸福への欲求がある

心理学では
パスカルの言葉は、人の目標が階層構造(具体的な目標の上に、より抽象的な目標が連なる仕組み)をなし、その頂点に幸福があるという見方に重なる。Austin & Vancouver(1996)は目標研究のレビューで、日々の行動は上位の目標に結びついて組織されると整理した。Suhら(1998)は60か国以上を対象とした相関研究で、生活満足(人生全体への満足度)を判断するときの拠り所が、個人主義の国ほど自分の感情に、集団主義の国ほど周囲の規範に重みを置くことを示した。求めるものは同じでも、そこへ至る道筋は人や文化によって異なる。正反対の選択をする人にも同じ願いがあると想像することが、相手への理解につながる。 参考:Austin & Vancouver(1996)「Goal constructs in psychology: Str…」 ↗/Suhら(1998)「The shifting basis of life satisfa…」
「人間の不幸はすべて、たった一つのこと ── 部屋の中に静かに座っていられないこと ── から生じる」

All of humanity's problems stem from man's inability to sit quietly in a room alone.

— ブレーズ・パスカル 『パンセ』断章139(1670)

人は自分と向き合う静けさに耐えられず、賭け事や戦争や社交という「気晴らし(ディヴェルティスマン)」へ逃げ続ける、という診断。刺激を追い続ける現代の busyness を350年前に言い当てた言葉

心理学では
パスカルの言う「気晴らし」は、心理学でいう体験の回避(不快な思考や感情から目をそらそうとする傾向)に近い。Wilsonら(2014)は大学生や地域の成人を対象に一連の実験を行った。その結果、参加者の多くは、一人で何もせずに考えるだけの短い時間を楽しめず、退屈しのぎに自分へ軽い電気ショックを与える人さえいた。またTrapnell & Campbell(1999)は質問紙による研究で、好奇心にもとづく省察(自分を知ろうとする内省)と、同じ悩みを繰り返す反すうを区別した。前者は開放性と、後者は神経症傾向と関連していた。静けさを苦行にせず、問いを一つ携えて座ることが、自分と向き合う時間を実りある省察につなげる。 参考:Wilsonら(2014)「Just think: The challenges of the …」 ↗/Trapnell & Campbell(1999)「Private self-consciousness and the…」 ↗

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