「己を忘れて他を利するは、慈悲の極みなり(忘己利他)」
— 最澄 『山家学生式』(818)
「一隅を照らす」と並ぶ天台の中核理念
自分を忘れるほどの利他こそ慈悲の極致
- 心理学では
- 忘己利他は、心理学でいう自己超越(自分へのこだわりが薄れ、より大きなものとのつながりを感じる状態)と向社会的行動(他者のためになる行動)の結びつきを言い当てている。Piffら(2015)は一連の実験で、畏敬の念によって「自分が小さく感じられる」状態になった人が、他者に対してより寛大にふるまうことを示した。またWeinstein & Ryan(2010)の実験と日誌研究では、人を自ら望んで助けたとき、助けた側も助けられた側も幸福感が高まっていた。日々、自分の損得をいったん脇に置いて小さな手助けを重ねることが、慈悲の心を育てる一歩になる。 参考:Piffら(2015)「Awe, the small self, and prosocial…」/Weinstein & Ryan(2010)「When helping helps: Autonomous mot…」