幸せの名言集

カール・ロジャーズの名言3選

米国の心理学者(1902-1987)。来談者中心療法の創始者

「無条件の肯定的配慮こそ、人が育つ土壌である」

— カール・ロジャーズ 来談者中心療法の中核条件(1957)

条件付きでない受容が成長の前提となる

心理学では
ロジャーズのいう無条件の肯定的配慮(成果や行動にかかわらず、その人の存在を尊重する態度)は、「こうでなければ認められない」という価値の条件をゆるめ、自己受容(ありのままの自分を認めること)を育てる土台である。Farber & Doolin(2011)は心理療法研究のメタ分析で、セラピストの肯定的配慮が良好な治療成果と関連することを示した。またAssorら(2004)は大学生とその母親を対象に、親の愛情を条件付きと感じてきた人ほど、成功時の満足が長続きせず、失敗時に恥を感じやすく、自尊感情が揺らぎやすいことを報告した。叱るときも行動への助言と存在への承認を分けて伝えることが、相手の成長を支える。 参考:Farber & Doolin(2011)「Positive regard.」 ↗/Assorら(2004)「The Emotional Costs of Parents' Co…」
「共感的理解とは、相手の私的な世界を、あたかも自分自身のものであるかのように ── しかし「あたかも」という性質を決して失わずに ── 感じ取ることである」

To sense the client's private world as if it were your own, but without ever losing the "as if" quality—this is empathy.

— カール・ロジャーズ 「治療的人格変化の必要十分条件」(1957)

共感の最も引用される学術的定義。相手に呑み込まれて一緒に溺れるのでも(同一化)、外から観察するのでもなく、「あたかも」を保ったまま内側を感じる ── この絶妙な距離の指定が、共感疲労と冷淡の両方を避ける鍵になる

心理学では
ロジャーズのいう「あたかも」は、心理学でいう自他の区別(相手の感情と自分の感情を分けて捉える力)にあたる。Batsonら(1987)は、他者の苦境への反応を、相手を思いやる共感的関心と、自分が動揺する個人的苦痛に分けた。実験では、個人的苦痛の強い人は立ち去りやすい状況で援助が減る一方、共感的関心の強い人は立ち去れる状況でも援助した。Klimeckiら(2014)の訓練研究では、苦しみを共有する練習は否定的感情を強めたが、続く思いやりの訓練は肯定的感情を高めた。悩みを聞くときは、寄り添いつつ「これは相手の体験だ」と意識することが、疲れずに支え続ける力になる。 参考:Batsonら(1987)「Distress and Empathy: Two Qualitat…」 ↗/Klimeckiら(2014)「Differential pattern of functional…」 ↗
「不思議な逆説だが、私が自分をありのままに受け入れたとき、私は変わることができる」

The curious paradox is that when I accept myself just as I am, then I can change.

— カール・ロジャーズ 『オン・ビカミング・ア・パーソン』(1961)

自己受容は変化の敵ではなく前提である

心理学では
ロジャーズの言葉は、自己受容(長所も短所も含めた自分を、条件をつけずに認めること)が変化の土台になるという考えである。この考えは、セルフコンパッション(自分への思いやり)の研究とも重なる。Breines & Chen(2012)は大学生を対象にした実験で、失敗や弱点を思いやりをもって受け止めるよう促すと、それを改めようとする意欲が高まり、再テストに向けた勉強時間も長くなることを示した。またWohlら(2010)の縦断研究では、試験前の先延ばしについて自分を許せた学生ほど、次の試験での先延ばしが少なかった。つまずいたときは自分を責めるより「人間だから仕方ない、次はどうするか」と声をかけることが、変わる力につながる。 参考:Breines & Chen(2012)「Self-Compassion Increases Self-Imp…」 ↗/Wohlら(2010)「I forgive myself, now I can study:…」 ↗

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