「一切、なりゆき」
— 樹木希林 『一切なりゆき 樹木希林のことば』(2019)
書名は没後に編まれた語録集による
「どう生きたいか」と問われ続けた晩年の答え。計画も抵抗も手放して、来たものを面白がって受けて立つ ── がんと共に生き、役を選ばず、家も持たない暮らしを貫いた女優の、五文字の人生哲学
- 心理学では
- 「なりゆき」は、心理学でいう受容(acceptance:思い通りにならない出来事や感情を、否定せずにそのまま受けとめる姿勢)に通じる。投げやりとは違い、変えられないものと争うのをやめて、目の前の現実に力を注ぐ構えである。Fordら(2018)は成人を対象に、実験室・日記・縦断の手法を組み合わせて調べた。その結果、つらい感情や考えを受け入れる傾向の高い人ほど、ストレス場面での否定的感情が少なく、半年後の抑うつ症状も少なかった。予定が崩れた日や思わぬ役目が回ってきたときは、「さて、これをどう面白がろうか」とつぶやいてから動き出す。それが心の余白を守る助けになる。 参考:Fordら(2018)「The psychological health benefits …」 ↗