2026.10.17

猫と飼い主は「幸せホルモン」でつながっている

猫と飼い主は「幸せホルモン」でつながっている

猫と飼い主のホルモンの関係についての、日本の最新研究

京都大学・麻布大学のチームが、飼い主19人と猫29匹を1か月追いかけて調査。


調べたのは、

  • 飼い主と猫それぞれのオキシトシン(愛着や安心に関わる、いわゆる幸せホルモン)
  • 飼い主と猫それぞれのコルチゾール(ストレスホルモン)
  • 飼い主の気分(イライラ、落ち込み、不安、活気など)
  • 猫と飼い主の物理的な距離(猫の首輪にBluetoothビーコンをつけて、スマホで24時間計測!)
    を、1か月分まとめて分析。

結果としては、
①飼い主のオキシトシンが高いと、猫のオキシトシンも高い。
②猫のオキシトシンが高いと、飼い主のストレスホルモンは低く、イライラ・落ち込み・不安も少ない。
③一方で、ストレスホルモン同士は、飼い主と猫でほぼ連動していない。

(犬は飼い主とストレスが連動することが知られているので、猫は違うタイプ。)


さらに面白いのが、
④猫と「物理的に近くにいる時間が長い」飼い主ほど、活気がある。
⑤「一緒に住んでいる年数が長い」だけだと、むしろ僅かにネガティブな気分と関連。
(ただしこちらは解析方法を変えると消えるので、話半分で。)

つまり、何年飼っているかより、日々どれだけそばにいるか、が効いてそう。


おまけで、
オキシトシンが高い猫は、飼い主だけでなく知らない人にも寄っていきやすい。
ストレスホルモンが高い猫は、知らない人には近づかない。

猫の性格って、ホルモンにも出ているんですね。


という、猫好きにはたまらない結果。
注意点としては、

  • 人数がかなり少ない
  • 同じ家に住んでいるので「家の環境が似ているだけ」の可能性もある
  • どっちが原因かは分からない(幸せな飼い主がよく撫でるから猫のオキシトシンが上がるのか、猫がよく寄ってくるから飼い主が幸せになるのか)
    ので、まだ「かもしれない」段階です。

幸せの4つの因子のひとつに「つながりと感謝」がありますが、
そのつながりの相手は、人間じゃなくてもいい。というのがこの研究のポイントかなと思います。
猫は「そこにいるだけの同居人」ではなく、お互いのホルモンに影響し合う、れっきとした社会的パートナー。
そして、長く一緒にいること自体より、今日どれだけ近くで過ごしたか、が大事。
これは人間同士の関係にも、そのまま当てはまるかもしれませんね。

猫と暮らしている方は、今日ちょっと多めにそばにいてあげると、お互いに良いことがあるかも。という感じでしょうか。


Cats and humans show correlated affiliative physiological states
猫と人は、親和的な生理状態が相関している
Saho Takagi(京都大学、日本), Taisuke Tsubomura, Miho Nagasawa, Takefumi Kikusui(麻布大学、日本)
iScience, 2026(2026/9/30受理)
https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.117934
日本の研究での日本語での解説
https://research-er.jp/articles/view/160932

飼い主とネコのホルモンの関連は オキシトシンが中心 ホルモンの関連 飼い主のオキシトシン → 正の関連 → ネコのオキシトシン 飼い主のコルチゾール ← 双方向 ← ネコのコルチゾール ↑ 卵児効果なし ネコのオキシトシンが高い → 飼い主のオキシトシンが高い ネコの鳴き声 → 飼い主のオキシトシンを高める 飼い主のオキシトシンが高い → ネコの順応力が高い ネコの順応力が高い → 飼い主の活躍が高い 猫と飼い主を繋ぐ「オキシトシン」の共鳴:ホルモンと同調する心と行動 イヌと飼い主の関係ではストレスホルモン(コルチゾール)の同調が知られていますが、 猫と飼い主の間でも「オキシトシン」を中心とした 日常的な物理的距離の近さが、飼い主の連力や気分改善に大きく寄与しています。 ホルモンの相関:オキシトシンが刻む絆 猫のオキシトシンは飼い主 の側にいることで高まる傾向が あります 飼い主のオキシトシンが高いほど 猫のオキシトシンも高くなります。 飼い主:ストレス低下 (コルチゾール↓) 飼い主のストレス低下が 猫のオキシトシンを高める 飼い主のコルチゾールが 低いと猫とのコルチゾール 溶度が上昇します。 心理的効果と行動:日常の「近さ」がもたらす益 不安 猫する まい 猫のオキシトシンは飼い主の ネガティブ気分を軽減 不安、怖う、悲しみ、落ち込みなどの 気分低下に関連しています。 同居年数 ? 活力(Vigor) UP! (長い) 単なる同居年数より 「日常の物理的近さ」が 活力を与える BLEビーコンで測定された距離が 飼い主の力 (Vigor) 向上を予測します。 社会的アプローチ↑ 高いオキシトシンは猫の 自発的接近行動をする 社会的アプローチを高め、相互の 絆のタイプの関係性を強化します。 猫と飼い主の間では コルチゾール(ストレス)の 同調は見られません。 Ⓟ Clemens Notebook 猫と人の見えない絆 最新科学が解き明かす「つながり」の正体 「犬は人につき、猫は家につく」とよく言われます。猫はマイペースで、人間には関心ない同居人だと思っていませんか? しかし最新の研究により、猫と飼い主の間には、目に見えない「愛情ホルモン」の過いシグロオキシトージン(同間)が起きていることが証明されました。 科学が証明した、猫が私たちにもたらす本当の癒しの力とは? これまでの常識 犬と人間は強い絆で結ばれており、ホルモンレベルでも感情が同期する(生理的同調)ことが証明されている。 科学の疑問 19人の飼い主と29匹の猫を対象にした1ヶ月の追跡調査がスタート。 単独行動を好む祖先を持つ猫も、人間と同じように深い生理的な絆を築くことができるのか? オキシトシン 「愛情と絆のホルモン」 スキンシップや信頼関係によって分泌される。 ストレスを和らげ、幸福感をもたらす。 コルチゾール 「ストレスホルモン」 緊張や不安を感じたときに分泌される。身体を 戦闘モードにするが、多すぎると心身に悪影響。 この2つのホルモンの波が、猫と人でどう連動するのかを測定しました。 1. 尿検査でホルモン測定 飼い主と猫の尿を1ヶ月に 3回採取。オキシトシンと コルチゾールの平均値を分析。 2. Bluetoothで距離を測定 猫の首輪にビーコンを装着。 家の中で飼い主どれくらい 近くにいたか(物理的距離) を24時間記録。 3. 心理テストで感情を評価 POMS2(気分状態評価尺度) を使用し、飼い主の怒り、疲労、活気などの心理状態をス コア化。 Genomics Notebook 発見1:猫と人は「愛情」だけで繋がる 飼い主のオキシトシンが高いと、猫のオキシトシンも高くなることが判明しました。興味深いことに、犬に見られるような「ストレス(コルチゾール)の伝染」は猫には見られませんでした。 オキシトシン (愛情) 強いシンクロ オキシトシン (愛情) 飼い主 猫 コルチゾール (ストレス) × 関連性なし コルチゾール (ストレス) つまりどういうこと?🐱 猫はあなたのストレスには巻き込まれず、愛情だけを共有してくれます。 Genius Notebook 発見2:愛情深い猫は、飼い主の「心の盾」になる 猫のオキシトシン値が高い家庭では、飼い主のネガティブな感情(怒りや不安など)が顕著に低いことがデータで実証されました。猫の愛情ホルモンは、飼い主の心の健康状態を映し出す鏡でもあります。 怒り・敵意↓ 抑うつ・落ち込み↓ 緊張・不安↓ つまりどういうこと?💛リラックスして愛情に満ちた猫と一緒にいることは、人間のメンタルヘルスを劇的に改善します。 科学が描く「猫と人の癒しのサイクル」 あなたが猫を愛せば猫のオキシトシンが高まり、その猫の存在があなたのストレスを和らげます。しかし逆に、飼い主のストレス(コルチゾール)が高いと、猫の愛情ホルモンを下げてしまうこともわかりました。 飼い主のオキシトシン 猫のオキシトシン ポジティブループ 飼い主のネガティブな気分が低下 飼い主のコルチゾールが高い 猫のオキシトシンが高い 猫のオキシトシンが低下 Gonmei Notebooks 「一緒に生きた長さ」より「物理的な近さ」 一緒に暮らした期間 YEARS MONTHS DAYS 飼育期間が長いだけでは、気分の改善には繋がらず、むしろ「混乱」や「不安」と相関するケースもありました(高齢猫の介護などが要因の可能性)。 物理的な距離の近さ ビーコンで測定された「近づいている時間」が長い飼い主ほど、明確に「活気・活力」が高いことが証明されました。 つまりどういうこと? 「家に猫がいる」ことではなく、「猫のそばで過ごす時間」が人間に活力を与えます。 ホルモンが変える、猫の「性格」と「行動」 見知らぬ人が部屋に入ってきたときの猫の反応をテストしました。 オキシトシンが高い猫 飼い主にも、見知らぬ人にも積極的に近づく(高い社会的モチベーション)。 コルチゾールが高い猫 見知らぬ人を避け、距離を置こうとする(警戒心と不安)。 猫の「人懐っこさ」は、生まれつきの性格だけでなく、日々のホルモン状態が大きく影響しています。 なぜ猫と犬で「絆の形」が違うのか? 犬 群れで狩りをする動物。 他者の感情を読み取り、協力する必要 があった。 猫 単独で狩りをする動物。 自立しており、群れの空気を読む必 要がなかった。 進化の背景 ホルモンの同調 愛情(オキシトシン)だけでなく、 ストレス(コルチゾール)も伝染する。 飼い主が緊張するとともも緊張する。 ストレスは伝染しない。 愛情(オキシトシン)のネットワーク だけで人間と繋がることができる。 猫は、人間のストレスに巻き込まれず、適度な距離感で愛情だけを共有できる特別なパートナーです。 科学が教える、猫との「見えない絆」の深め方 物理的な距離を縮める 同じ空間にいるだけでなく、そばに座ったり、撫でたりする時間を増やしましょう。あなたの「活気」の源になります。 猫からのアプローチに応じる 猫が自分から近づいてきたときのスキンシップは、双方の幸情ホルモン(オキシトシン)を最も高めます。 まず、あなたがリラックスする あなた
投稿者による補足(4件)
補足 1

動画解説はこちら😊
https://youtu.be/9gS0p9c2tdU

補足 2

本研究のウェルビーイング小話はこちら😊
はぴテク相談室:長く一緒にいる猫と、「そばにいる時間」をもう一度
https://archive.happytech.co.jp/posts/2026-10-17-1792179721/

補足 3

【研究背景】

■ この研究の前提となる研究背景(既存研究のまとめ)

▼ 1. ネコは身近な存在だが、飼うことの効果は一定しない
  • ヒトとイエネコ(Felis catus)は少なくとも2,000年以上にわたって共に暮らしてきており、ネコは今や世界で最も人気のあるコンパニオンアニマル(伴侶動物)の一つです(Driscoll et al. (2007)、De Martino et al. (2025))。
  • 日本では約884万7千頭のネコが飼われており、イヌの682万頭を上回っていて、その差は広がり続けているとされています(Japan Pet Food Association (2025))。
  • ペットを飼うことは、病気の減少や心理的ウェルビーイング(幸福感・心の健康)の向上といった健康上の恩恵をもたらすとされますが、ネコを飼うことの効果はイヌの場合とかなり異なるようです。
  • Bao & Schreer (2016) は、ウェルビーイングのすべての次元、さらに性格特性、感情調整の方略、欲求充足の指標においても、イヌの飼い主がネコの飼い主より高い得点を示したと報告しています。
  • Serpell (1991) は、新たにイヌまたはネコを飼い始めた成人を10か月間追跡した前向き研究で、イヌの飼い主では健康上の恩恵が10か月間持続した一方、ネコの飼い主では最初の1か月のみ有意で、その後は対照群と差がなかったと報告しています。
  • Endo et al. (2020) も、イヌの飼育は精神的ウェルビーイングと正の関連を示したのに対し、ネコの飼育は負の関連を示したと報告しています。
  • まとめると、ネコ飼育の効果は一貫しておらず、イヌ飼育の効果からしばしば乖離しています。こうした食い違いは、飼い主の飼育のしかたや日々のヒト–ネコのやりとりの性質の違いを反映している可能性がありますが、そうしたやりとりが飼い主の生理的・心理的状態にどのように影響するのか、その仕組みはよく分かっていませんでした。

▼ 2. 候補となる仕組み:ストレスホルモンと「絆ホルモン」
  • 候補となる仕組みの一つが、HPA軸(視床下部–下垂体–副腎軸)です。これはストレスに応じてコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を調節する主要なホルモンネットワークです(Tsigos & Chrousos (2002))。
  • オキシトシン(OT)は、コルチゾール反応を弱めることでHPA軸の活動を調節し(Cardoso et al. (2014))、抗ストレス作用を発揮します(Uvnäs-Moberg et al. (2014))。これは心血管疾患リスクの低減にも寄与しうるとされています(Qureshi et al. (2009)、Ogechi et al. (2016))。
  • これらのホルモン指標は、感情を含む心理状態とも密接に結びついています(O'Connor et al. (1989))。
  • こうした生理と心理の双方向的な相互作用はヒトと動物の関係にも広がりうると考えられ、その研究はヒト–イヌの二者関係(dyad)で最も広く行われてきました。

▼ 3. ヒトとイヌの間では「生理的同調」がよく確立されている
  • Nagasawa et al. (2015) は、飼い主とイヌの見つめ合いが、ヒトの親子の絆形成で見られるものと類似したオキシトシンの正のフィードバックループ(見つめ合う→オキシトシンが出る→さらに見つめ合う、という循環)を活性化することを示しました。
  • 神経レベルの同調も報告されており、見つめ合いの最中にヒトとイヌの脳波(EEG)信号が同期することが見出されています(Ren et al. (2024))。
  • ホルモンレベルでは、長期的なコルチゾール濃度がイヌと飼い主の間で相関することが示されています(Sundman et al. (2019))。
  • さらに、飼い主からのキスの頻度がイヌのオキシトシン濃度と正の相関を示したという報告もあります(Handlin et al. (2012))。
  • イヌ–飼い主間のコルチゾールの関連は、アジリティ競技(Buttner et al. (2015))や捜索救助作業(Wojtas et al. (2020))といった短期的な場面でも、毛髪コルチゾール(数か月の蓄積を反映する指標)を用いた長期的な研究(Sundman et al. (2019))でも、一貫して記録されています。
  • イヌ–飼い主のコルチゾール同調は「情動伝染」(ストレス状態が個体間で映し合われること)によって仲介されると考えられており、共同作業中の心拍変動の同期(Katayama et al. (2019))や、イヌがヒトのストレス臭を識別でき、その臭いがイヌの情動状態に影響するという知見(Parr-Cortes et al. (2024)、Wilson et al. (2022))によって支持されています。
  • Höglin et al. (2021) は、イヌのコルチゾール同調は、ヒトとの緊密な協力のために選抜された犬種に特徴的で、関係の質によって強く調節される可能性があると示唆しています。

▼ 4. ネコについて分かっていること:まだ「片側」しか測られていない
  • ヒトとネコの間に同様の同調があるかどうかは、未解決の問いでした。
  • 短期的なやりとりに関しては、Chang et al. (2025) が飼い主との自由なやりとりの前後でネコの唾液中オキシトシンを測定し、安定型の愛着をもつネコでオキシトシンの有意な増加が見られ、接近やそばをうろつく行動(hovering)をより多く示した個体でその増加が大きかったと報告しています。
  • ヒト側では、Johnson et al. (2021) が、飼いネコとやりとりする前後の女性の唾液中オキシトシンを測定しましたが、全体としては有意な変化はありませんでした。ただし、ネコを撫でる、ネコから接近してくる、といった特定の行動はオキシトシンの変化と正の相関を示しており、やりとりの質や種類がオキシトシン放出を調節することが示唆されています。
  • これらを合わせると、ネコから始まる接近や身体接触といった類似の親和的行動が、二者双方のオキシトシン反応と関連している可能性があります。しかし、ヒトとネコ双方のオキシトシンを同時に測定した研究はこれまでなく、種間のオキシトシンの関連という問いは未解決のままでした。
  • 長期的な観点では、Nagasawa, T. et al. (2022) が、飼い主からの触覚的・音声的なやりとりがより頻繁な家庭のネコは尿中オキシトシン濃度が高い一方、尿中コルチゾールに関連する要因は特定されなかったと報告しています。ただし、この研究はネコのオキシトシンのみを測定しており、ネコ飼育がヒトとネコ双方に協調した生理的変化をもたらすのかは分かっていませんでした。
  • 毛髪コルチゾールについては、Wojtas et al. (2022) が、ネコと飼い主の間に有意な相関を見出していません。
  • ネコとヒトのやりとりの短期的な心理的効果としては、ネコとのやりとりの後に感情的覚醒が高まることが報告されています(Nagasawa, T. et al. (2023))。

▼ 5. ネコ側の社会性・コミュニケーションに関する知見
  • ネコは「ゆっくりしたまばたき」を通じてヒトと親和的なコミュニケーションを行うことが示されており、これはリラックスした肯定的な情動の信号と解釈されています(Humphrey et al. (2020))。
  • Koyasu et al. (2022) は、集団で飼われているネコにおいて、オキシトシンがネコ同士の接触と負の関連を示したと報告しており、これは集団生活をする種でのオキシトシンの典型的な親和的役割とは逆の方向です。
  • ネコはヒトの情動に関連する臭いを識別し、それに行動的に反応できることも示されています(d'Ingeo et al. (2023))。
  • ネコの愛着に関しては、Vitale et al. (2019) がヒトに対するネコの愛着の絆を調べる手法(セキュアベーステスト)を報告しています。
  • 系統的な背景として、イヌの祖先は高度に群れで暮らす種である一方、イエネコは主に単独性あるいは状況に応じて社会的になる(facultatively social)組織を保持しているとされます(Driscoll et al. (2007))。

▼ 6. 既存研究の限界と、本研究が埋めようとしたギャップ
  • 既存研究のもう一つの限界は、日々のやりとりの評価をアンケートに頼っている点です。アンケートは実際の行動を正確に反映していない可能性があります。飼い主とネコの物理的な近さを客観的に測ることは、自然な日常のやりとりをより直接的に捉える指標になりえます。
  • 以上を踏まえ、本研究は、飼い主とネコ双方のオキシトシンとコルチゾールの関連を調べ、種間の生理的相関の可能性を探ることを目的としました。具体的には、(1)ヒト–イヌで報告されたパターンと同様に、飼い主とネコのオキシトシン・コルチゾール濃度が二者内で相関する、(2)双方のホルモン濃度が飼い主の気分と関連する、(3)BLEビーコン(Bluetooth信号の強さで距離を推定する小型機器)で客観的に測った日々の物理的近さは飼い主のより肯定的な気分と関連する一方、同居期間だけでは関連が弱い、という仮説を立てています。さらに補足的な探索として、セキュアベーステストを用い、ネコのホルモン濃度が飼い主および見知らぬ人への接近行動と関連するかを調べています。
補足 4

【研究内容】

■ この研究の背景と目的

▼ 猫と人の関係は犬とは違う?
  • 猫は世界で最も人気のある伴侶動物のひとつで、日本では飼育数が犬を上回り、その差は広がり続けています。
  • ペット飼育は健康面でよい影響があるとされますが、猫飼育の効果は犬飼育と異なる報告が多くあります。Bao & Schreer (2016) は犬の飼い主のほうが猫の飼い主より幸福度などの指標が高いと報告し、Serpell (1991) は新しくペットを迎えた人を10か月追跡した結果、犬の飼い主では健康上の利点が続いたのに対し、猫の飼い主では最初の1か月しか有意でなかったと報告しています。Endo et al. (2020) でも、犬の飼育は精神的健康と正の関連、猫の飼育は負の関連を示しました。
  • つまり猫飼育の効果は一貫せず、その仕組みはよく分かっていません。
▼ 注目したホルモン
  • コルチゾール:ストレスに応じて分泌されるホルモン。HPA軸(視床下部・下垂体・副腎をつなぐストレス応答の仕組み)が調節しています。
  • オキシトシン:親子の絆や愛着に関わる神経ペプチド(脳内で働く小さなタンパク質)。コルチゾール反応を弱める方向に働くとされます。
▼ 犬ではすでに知られている「同調」
  • Nagasawa et al. (2015) は、飼い主と犬が見つめ合うことで両者のオキシトシンが高まる「正のフィードバックループ」を示しました。
  • Sundman et al. (2019) は、犬と飼い主の長期的なコルチゾール濃度が相関することを報告しています。
  • 猫については、Chang et al. (2025) が飼い主との交流後に猫のオキシトシンが上昇すること、Johnson et al. (2021) が女性の飼い主で撫でる行動や猫からの接近がオキシトシン変化と相関することを報告していますが、猫と人の両方のオキシトシンを同時に測った研究はありませんでした。
  • また、Nagasawa et al. (2022) は飼い主からの接触や声かけが多い家庭の猫ほど尿中オキシトシンが高いことを示しましたが、猫側しか測っておらず、交流の評価も質問紙頼みでした。
▼ 本研究の仮説
  • (1) 飼い主と猫のオキシトシン・コルチゾール濃度はペア内で相関する(犬と同様のパターン)。
  • (2) 両者のホルモン濃度は飼い主の気分と関連する。
  • (3) 客観的に測った日常の「物理的な近さ」は飼い主の良い気分と関連し、同居期間だけではその関連は弱い。
  • さらに補足として、猫のホルモン濃度が、飼い主や見知らぬ人への接近行動と関連するかを探索的に調べました。

■ 方法

▼ 参加者
  • 飼い主19人(女性16人、男性3人、18〜60歳)と、その猫29匹(オス20匹、メス9匹、4〜162か月齢、28匹が避妊去勢済み)。
  • 1人の飼い主が複数の猫を飼っている家庭も含まれ、合計29の「飼い主‐猫ペア」が分析されました。
  • 調査期間は1か月。
▼ 尿サンプルによるホルモン測定
  • 飼い主と猫の両方から、期間中に3回ずつ尿を採取。飼い主は起床時の尿、猫は自然排尿時に綿棒で採取しました(採取日は人と猫で必ずしも同じではありません)。
  • 尿の濃さの違いを補正するため、クレアチニン(尿の濃縮度の指標)に対する比で濃度を表しました。
  • オキシトシンとコルチゾールをELISA(抗体を使ってホルモン量を測る方法)で測定し、各個体について3回分の平均値を「1か月の代表値」としました。
  • 採取が難しかった5匹の猫は尿が得られず、猫のホルモンを含む分析は24ペアで行われました。
▼ 日常の近さの測定
  • 猫の首輪にBLEビーコン(Bluetoothの小型発信機)を1か月24時間装着し、飼い主が持つスマートフォンで電波強度(RSSI)を記録しました。電波が強いほど近くにいることを意味します。
  • 飼い主は在宅中はスマホを携帯し、外出時は電源を切り、就寝時は枕元で充電するよう指示されました。
  • ノイズが大きいため、期間中のRSSIの中央値を「近さ」の指標としました(−90 dBm未満の値は信頼できないため除外)。
▼ 飼い主の気分
  • POMS2日本語短縮版(過去2週間の気分を評価する質問紙)を1回実施。「怒り‐敵意」「混乱‐当惑」「抑うつ‐落ち込み」「疲労‐無気力」「緊張‐不安」「友好」「活気‐活力」の7つの下位尺度と、総合的気分状態(TMD)を算出しました。
▼ 安全基地テスト(SBT)
  • Vitale et al. (2019) の手続きを改変した行動テスト。床に直径1mの円を描き、その中心に「飼い主」または「見知らぬ人」(全ペアで同じ男性実験者)が座ります。
  • 「ベースライン(2分)→一人にされる(2分)→再会(2分)」の3段階を、飼い主条件と見知らぬ人条件で実施。円の外にいる猫は完全に無視し、猫が円に入ったときだけ声かけや撫でるなどの交流をしました。
  • 猫が円に入ったか、入った場合はどれくらい滞在したかを指標にしました(別の評定者による再コーディングで一致度ICC=0.991)。
▼ 統計
  • ベイズ回帰モデルを用い、「95%信用区間がゼロを含まない」関連を支持されたものとみなしました。
  • 飼い主と猫のホルモンの関連は、猫のオキシトシンと猫のコルチゾールを同時に結果変数とし、飼い主のオキシトシンとコルチゾールを同時に説明変数に入れた多変量モデルで検討しました。
  • 気分の分析では、同じ家庭の猫どうしは独立でないため、家庭単位にまとめ直した感度分析も行いました。

■ 結果

▼ 飼い主と猫のホルモンの関連(24ペア)
  • 飼い主のオキシトシンが高いほど、猫のオキシトシンも高い(β=0.55、95%信用区間 [0.17, 0.91])。
  • 飼い主のコルチゾールが高いほど、猫のオキシトシンは低い(β=−0.47 [−0.82, −0.12])。
  • 一方、飼い主オキシトシンと猫コルチゾール、飼い主コルチゾールと猫コルチゾールの関連は、どちらも信用区間がゼロをまたぎ、明確な支持は得られませんでした。

図1 飼い主と猫のホルモンの関連。Aは回帰係数の推定値で、点が中央

図1 飼い主と猫のホルモンの関連。Aは回帰係数の推定値で、点が中央値、太線が50%、細線が95%信用区間を示し、点線のゼロをまたがなければ関連が支持されます。BとCは24ペアの実データ(点)と、モデルが推定した関係(線と帯は95%信用区間)です。
出典:論文のFigure 1。Takagi et al. (2026). iScience.(CC BY 4.0) https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.117934

  • 飼い主ごとのクラスタリング(同じ家庭の猫が似る効果)は無視できない大きさでした。

表1 飼い主と猫のホルモン濃度の関連(多変量ベイズモデル、24ペア)

飼い主側(説明変数) 猫側(結果変数) β(事後推定値) 95%信用区間 判定
オキシトシン オキシトシン 0.55 [0.17, 0.91] 支持(ゼロを含まない)
コルチゾール オキシトシン −0.47 [−0.82, −0.12] 支持(ゼロを含まない)
オキシトシン コルチゾール −0.37 [−0.80, 0.09] 不明確(ゼロを含む)
コルチゾール コルチゾール 0.18 [−0.24, 0.62] 不明確(ゼロを含む)

飼い主のオキシトシンが高いほど猫のオキシトシンも高く、飼い主のコルチゾールが高いほど猫のオキシトシンは低い一方、コルチゾール同士の関連ははっきりしませんでした。
注:βは標準化した回帰係数。飼い主のオキシトシンとコルチゾールを同時に説明変数とし、猫の両ホルモンを同時に結果変数とした1つのモデルから得た値。因果の方向を示すものではない。
Takagiら(2026)の本文の結果の節、Figure 1A、Table S2の数値をもとに、はぴテックが作成。出典:Takagi et al. (2026). iScience. https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.117934

▼ ホルモンと飼い主の気分
  • 飼い主のコルチゾールが高いほど、混乱、抑うつ、疲労、緊張、総合的気分状態の各得点が一貫して高く、活気は低いという関連が見られました。
  • 猫のオキシトシンが高いほど、飼い主の怒り、混乱、抑うつ、緊張、総合的気分状態の得点が低い関連が見られました。友好・活気との関連はゼロを含みました。
  • 飼い主自身のオキシトシンは、怒り‐敵意との負の関連のみ支持されました。
  • 猫のコルチゾールは、どの気分尺度とも明確な関連を示しませんでした。

図2 飼い主・猫のオキシトシンとコルチゾールが、飼い主の気分(PO

図2 飼い主・猫のオキシトシンとコルチゾールが、飼い主の気分(POMS2の各下位尺度)とどう関連するかの推定値。横軸が標準化した回帰係数で、点が中央値、太い横棒と細い横棒が信用区間を示します。点線のゼロをまたがない尺度が、関連が支持されたものです。
出典:論文のFigure 2。Takagi et al. (2026). iScience.(CC BY 4.0) https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.117934

  • 家庭単位の感度分析では、飼い主コルチゾールと負の気分の関連、猫オキシトシンと混乱・緊張の関連は維持されましたが、猫オキシトシンのその他の関連と、飼い主オキシトシンと怒りの関連は支持されなくなりました。

表2 ホルモン濃度と飼い主の気分(POMS2)の関連:事後推定値 [95%信用区間]

気分尺度 飼い主コルチゾール 猫オキシトシン 飼い主オキシトシン
怒り‐敵意 ゼロを含む −0.48 [−0.92, −0.04] −0.40 [−0.77, −0.03]
混乱‐当惑 0.75 [0.49, 1.02] −0.55 [−0.90, −0.20] ゼロを含む
抑うつ‐落ち込み 0.79 [0.53, 1.03] −0.39 [−0.75, −0.02] ゼロを含む
疲労‐無気力 0.72 [0.43, 0.99] ゼロを含む ゼロを含む
緊張‐不安 0.74 [0.46, 1.01] −0.47 [−0.86, −0.08] ゼロを含む
活気‐活力 −0.43 [−0.79, −0.06] ゼロを含む ゼロを含む
総合的気分状態(TMD) 0.76 [0.50, 1.03] −0.43 [−0.81, −0.05] ゼロを含む

飼い主のコルチゾールが高いほど否定的な気分が強く、猫のオキシトシンが高いほど飼い主の否定的な気分が弱いという関連が複数の尺度で見られました。
注:ペア単位の分析(飼い主ホルモン:29ペア、猫ホルモン:24ペア)。正の値は得点が高い方向、負の値は低い方向の関連。「ゼロを含む」は95%信用区間がゼロをまたぎ明確な支持がなかったもの(本文に数値の記載なし)。「友好」はいずれのホルモンともゼロを含んだため省略。猫コルチゾールはどの尺度とも明確な関連なし。家庭単位の感度分析では一部の関連は支持されなかった(本文参照)。
Takagiら(2026)の本文の結果の節、Figure 2、Table S4の数値をもとに、はぴテックが作成。出典:Takagi et al. (2026). iScience. https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.117934

▼ 近さ・同居期間と飼い主の気分(29ペア)
  • 猫との物理的な近さが大きいほど、飼い主の「活気‐活力」が高い関連が見られ(0.46 [0.12, 0.82])、これは家庭単位の分析でも維持されました。
  • 同居期間が長いほど、混乱、抑うつ、緊張、総合的気分状態が高い関連がペア単位では見られましたが、家庭単位の感度分析ではいずれも支持されませんでした。

図3 猫との物理的な近さ(オレンジ)と同居期間(緑)が、飼い主の気

図3 猫との物理的な近さ(オレンジ)と同居期間(緑)が、飼い主の気分の各尺度とどう関連するかを示した図。横軸は標準化した回帰係数で、点が中央値、横線が95%信用区間です。点線のゼロを横線が含まない場合に関連が支持されたと読みます。
出典:論文のFigure 3。Takagi et al. (2026). iScience.(CC BY 4.0) https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.117934

▼ 安全基地テストでの行動
  • 猫のオキシトシンが高いほど、円に入る(接近する)確率が高いという関連が見られました。相手が飼い主か見知らぬ人かによる違いは明確ではありませんでした。
  • 猫のコルチゾールが高いほど、飼い主と比べて見知らぬ人のそばで過ごす時間が短い傾向がありましたが、この関連はゼロと明確に区別できませんでした。

■ 考察

▼ 人と猫の関係は「オキシトシン中心」かもしれない
  • 著者らの知る限り、家庭という自然な環境で飼い主と猫のオキシトシン濃度の正の関連を示した初めての研究です。
  • 犬では、Nagasawa et al. (2015) の視線によるオキシトシンループや、Handlin et al. (2012) の飼い主のキスの頻度と犬のオキシトシンの相関など、親和的な行動の文脈でオキシトシンの同調が示されてきました。本研究は、人と猫のペアにも同様の親和的なオキシトシンのつながりがある可能性を示しています。
  • 身体接触だけでなく、猫のゆっくりしたまばたき(Humphrey et al. (2020) がリラックスした肯定的な情動の信号と解釈)など、接触を伴わない親和的な信号も関わる可能性が議論されています。
  • なお、Koyasu et al. (2022) は集団飼育の猫でオキシトシンが猫同士の接触と負の関連を示したと報告しており、著者らは「家畜化によって猫のオキシトシン系が同種より人への親和に向くよう変化した」という推測を述べていますが、両研究とも相関研究であり、これは検証されていない仮説だと明記されています。
▼ 犬との違い:コルチゾールの同調は見られなかった
  • 犬では、アジリティ競技中(Buttner et al. (2015))や捜索救助活動中(Wojtas et al. (2020))、長期的な毛髪コルチゾール(Sundman et al. (2019))でコルチゾールの同調が報告されています。
  • 本研究では飼い主と猫のコルチゾールの関連は限定的でした。Höglin et al. (2021) は犬のコルチゾール同調が人との協力のために選抜された犬種に特徴的で関係の質に左右されると示唆しており、猫は異なる家畜化の歴史を持ち、単独性の強い社会生態を保っていることが背景にあると著者らは考えています。
  • これは、猫と飼い主の毛髪コルチゾールに有意な相関がなかったというWojtas et al. (2022) の報告とも一致します。
  • ただし、犬の研究と本研究ではサンプル(毛髪・唾液・血清 vs 尿)や時間スケールが大きく異なるため、種の違いを単純に結論づけることはできないと注意されています。
▼ 猫のオキシトシンと飼い主の気分
  • オキシトシンの高い猫(より親和的で社会的な傾向を反映している可能性)は、心理的に良好な飼い主と暮らしている傾向がありました。
  • 猫のオキシトシンのほうが飼い主自身のオキシトシンより幅広い気分尺度と関連した点について、人のオキシトシンは他の人との交流や生殖状態など多くの要因の影響を受けるのに対し、猫のオキシトシンは飼い主との交流をより純粋に反映するのかもしれない、と著者らは推測しています。ただし、測定のばらつきの違いなど別の説明も否定できないとしています。
  • 因果の方向は不明です。心理的に健康な飼い主がより親和的に猫と接することで猫のオキシトシンが高まる可能性も、逆にオキシトシンの高い猫が接近や親和行動を多く示すことで飼い主の気分が良くなる可能性も、どちらも考えられます。
▼ 「どれだけ長く一緒にいるか」より「どれだけ近くにいるか」
  • 近さは活気という肯定的な気分と、同居期間は複数の否定的な気分と関連するという、質的に異なるパターンでした。
  • 従来の研究の多くは「猫を飼っているか」「何年飼っているか」しか測っておらず、日常の交流の質や量を捉えていませんでした。著者らは、近くで過ごす時間(撫でる・遊ぶなどの直接的な関わりを反映すると考えられる)が、より即時的な肯定的気分と関連するのかもしれないと述べ、これが過去の猫飼育研究の結果の不一致を一部説明する可能性を挙げています。
  • 同居期間は猫の年齢と強く相関していましたが(r=0.89)、モデル比較の結果、同居期間のみのモデルが最も予測力が高く、猫の年齢では説明できないとされました。一方、同居期間の関連は家庭単位の分析で支持されなかったため、同じ家庭の猫が独立でないことを反映している可能性も指摘されています。
▼ 行動テストが示すオキシトシンとコルチゾールの役割の違い
  • オキシトシンの高い猫は、相手が飼い主でも見知らぬ人でも接近しやすかったことから、オキシトシンは飼い主への愛着そのものというより、猫の全般的な社会的動機を反映している可能性があります。これはChang et al. (2025) の報告とも整合します。
  • コルチゾールの高い猫が見知らぬ人のそばにいる時間が短い傾向は、脊椎動物全般で糖質コルチコイドの上昇が社会的接近の減少と関連するというRaulo & Dantzer (2018) や、人でコルチゾール反応が高いと社会的刺激への接近が減るというRoelofs et al. (2005) と似たパターンです。

■ 研究の限界(著者らが挙げているもの)

  • 探索的研究で事前登録はなく、再現が必要。
  • サンプルが小さく(19人・29匹)、同じ飼い主の猫が複数含まれるため観測が完全には独立していない。
  • BLEによる距離推定は住宅の構造などの影響を受けやすく、在宅時間の総量も検証できなかった。
  • 飼い主と猫は同じ家庭環境を共有しているため、ホルモンの関連は騒音・温度・生活リズムなど共通の環境要因を反映している可能性があり、ペア固有の交流によるものとは断定できない。
  • 参加者の多くが女性で、オキシトシンには性差が報告されているため男性の飼い主への一般化には注意が必要。
  • 気分(1回)、ホルモン(1か月の3回平均)、近さ(1か月の連続記録)の測定タイミングが揃っておらず、人と猫で尿採取の時間帯も異なる(特に猫のコルチゾールのばらつきを増やした可能性)。
  • 横断的・相関的デザインのため、因果の方向は決められない。

■ まとめ

  • 飼い主と猫のオキシトシン濃度は正の関連を示し、飼い主のコルチゾールは猫のオキシトシンと負の関連を示した一方、両者のコルチゾール同士の関連は限定的でした。
  • 猫のオキシトシンが高いほど飼い主の否定的な気分が低く、猫との物理的な近さが大きいほど飼い主の活気が高いという関連も見られました。
  • 犬で報告されてきたコルチゾール中心の同調とは異なり、人と猫の関係はオキシトシン系を中心にしている可能性が示唆されますが、共有環境の影響や因果の方向は今後の縦断的・実験的研究で検証する必要があります。
  • 著者らは、猫が受動的な同居者ではなく、人と双方向の生理的・情動的な相互作用を行う能動的な社会的パートナーである可能性を示唆しています。
論文紹介 ありがとう 主観的幸福・幸福測定人間関係・恋愛神経科学・生物学的基盤

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