この号の内容
生活満足度5.89で過去最高
全体の生活満足度は2019年5.78、2020年5.83、2021年5.74、2022年5.76、2023年5.79と推移し、2024年は5.89点となった。男性は5.67から5.81へ、女性は5.90から5.96へと男女とも最高水準で、上昇幅は男性のほうが大きい。年齢層別では39歳以下5.89、65歳以上6.61とすべての層で上がったが、40歳-64歳は5.57で2020年の5.70に届いていない。地域別では三大都市圏6.03、地方圏5.84と同程度に上昇した。雇用形態別では正規雇用5.85に対し非正規雇用は5.67まで上がり、2021年(正規雇用5.75、非正規雇用5.37)と比べて両者の差は縮小した。
📖 報告書では:概要p.3「①-1 生活満足度の動向」図表1-1〜1-4
若い男性で多分野が上昇
前年からの上昇に寄与したのは、男性では39歳以下、女性では40歳-64歳の層である。地域別では三大都市圏で40歳-64歳、地方圏で39歳以下の層が寄与した。男性の39歳以下では、生活満足度が0.21点上がったほか、「家計と資産」0.19点、「仕事と生活(WLB)」0.17点、「健康状態」0.15点、「子育てのしやすさ」0.22点、「生活の楽しさ・面白さ」0.19点と、多くの分野で統計的に有意な上昇が見られた。女性では39歳以下0.13点、40歳-64歳0.09点、65歳以上0.15点と、すべての年齢層で「家計と資産」の満足度が上がった。
📖 報告書では:概要p.4「①-2 年齢別にみた生活満足度上昇の寄与度分解・分野別満足度の動向」図表2-1、2-2
最頻値は7点、年齢で山が違う
生活満足度の点数分布では7点が最も多く、次いで8点、5点が多い。前回調査と比べて7点以上の割合が上がり、7点は1.0ポイント、8点は0.8ポイント増えた。年齢層別に最も多い点数は、39歳以下が7点、40歳-64歳が5点、65歳以上が8点であり、分布の形が年齢によって異なる。
📖 報告書では:概要p.5「①-3 生活満足度の点数別分布」図表3-1、3-2
重視するのは家計・健康・楽しさ
生活満足度を判断する際に重視した分野(13分野から上位3つを選ぶ)は年齢層で違いがあるが、「家計と資産」「健康状態」「生活の楽しさ・面白さ」はどの年齢層でも重視されている。「健康状態」と「生活の楽しさ・面白さ」は重視する人に対して高く評価する人の割合も高い一方、「家計と資産」は重視する人に対して低く評価する人の割合が比較的高い。重視する分野を高く評価している人の生活満足度は6.18点で、重視する分野を低く評価している人の5.28点、その他の5.98点より高い傾向がある。「自然環境」や「身の回りの安全」は重視されていないが、高く評価されている。
📖 報告書では:概要p.6「②-1 生活満足度を判断する上で重視している事項」図表4-1〜4-4
5年後の満足度は控えめに予想
5年前を振り返った満足度(5年前回顧満足度)は全体で5.51、現在は5.89、5年後の予想満足度は5.39で、現在は5年前より高いが、5年後は5年前より低く見積もる傾向がある。年齢層別では40歳-64歳が5.20・5.57・5.07、65歳以上が6.31・6.61・5.58である。過去5年間で満足度が上がった人の約6割が将来の満足度低下を予想している。5年間の変化では39歳以下で上昇・低下とも割合が高く変動が大きく、5年の間に結婚した人では5割の満足度が上昇した。
📖 報告書では:概要p.7「②-2 満足度の過去、現在、未来の動向」図表5-1〜5-4
転職・起業・高齢期就業と満足度
転職意向のない人の生活満足度が最も高く、39歳以下で6.12、40歳-64歳で5.91である。40歳-64歳の転職活動中の人は4.96と大きく落ち込み、「雇用環境と賃金」の満足度も3.99にとどまる。起業については、39歳以下では起業経験者6.03、準備中5.92と満足度が高い一方、40歳-64歳では起業経験者が5.32で最も低い。60歳未満の現役世代の7割が60歳以降も働き続けたいと考えており、60歳以上では男性の70歳-74歳(48%)、女性の65歳-69歳(49%)の約5割が就業を希望している。就業希望者のうち男性は75歳以上でも56%が就業しているが、女性は70歳以上で5割を下回り、男性では就業を希望しながら無業の人の満足度が就業者を大きく下回る。
📖 報告書では:概要p.8「②-3 働き方(転職・起業)と満足度」図表6-1〜6-4、p.9「②-4 生涯を通じた就業意向と満足度」図表7-1〜7-4
日本の結果
この号の調べ方
内閣府が2019年2月に始めた「満足度・生活の質に関する調査」の第6回(2024年2月実施)の結果で、約1万人を対象としたインターネット調査である。うち約5,500人は前回調査から継続して回答したパネル(同じ人を追跡する)サンプルである。総合的な生活満足度と13分野別の満足度(いずれも0〜10点の自己申告)に、基本属性や仕事・家庭の状況を組み合わせて分析している。5年間の満足度変化などの分析は、2019年と2024年の両方に回答した約2,700人を用いている。
この号から言えること
- 生活満足度は5.89点で過去最高となり、特に39歳以下の男性で家計・WLB・健康・子育て・楽しさなど多くの分野の満足度が同時に上がった。
- 40歳-64歳は最頻値が5点、2024年でも2020年の水準に届かず、転職活動中の人の満足度が4.96と低いなど、中年層の満足度の低さが各所に表れている。
- 「家計と資産」はどの年齢層でも重視されながら低評価の人が比較的多く、重視する分野を低く評価する人ほど生活満足度が低い傾向がある。
- 人々は現在より5年後の満足度を低く予想する傾向があり、満足度が上がった人でも約6割が将来の低下を見込んでいる。
読むときの注意
本稿は報告書の概要版(9ページ)に基づくもので、図表の数値も概要に掲載された範囲に限られる。転職・起業・就業状況と満足度の関係は同時点での比較であり、ある働き方をすると満足度が上がるという因果関係を示すものではない。インターネット調査であり、5年前の満足度は回顧、5年後は予想による自己申告である点にも注意が必要である。