ウェルビーイングの調査・報告書

2025年版テーマ:「こどもまんなか社会」を構築するための施策・取組(居場所づくり、ライフデザイン、保育政策、こどもの悩みへの寄り添い)

令和7年版こども白書(2025年6月13日閣議決定)

こども家庭庁

令和7年版こども白書は、こども家庭庁が2025年6月13日に閣議決定・国会提出した、2024年度(令和6年度)のこどもをめぐる状況と政府のこども施策をまとめた年次報告である。こども基本法に基づく法定白書としては2回目にあたる。第1部の特集は「居場所づくり」「若い世代のライフデザインや出会いの支援」「保育政策の新たな方向性」「こどもの悩みに寄り添う社会」の4本である。第2部では、2023年の出生数が72万7,288人で統計開始以来最少、合計特殊出生率が1.20で過去最低となったことや、不登校といじめの重大事態が過去最多となったことなど、厳しい数字が並ぶ。

この号の内容

全てのこどもに居場所を

白書は、居場所づくりは自殺対策や孤独・孤立対策と関連して、複合的な課題を抱えるこども・若者への支援として論じられることが多いとしている。そのうえで、そうしたこども・若者も含めて、全てのこども・若者が居場所を見つけられる環境を整えることが重要だと位置づけている。全国で居場所づくりを進めるため、「こどもの居場所づくりに関する指針」が2023年12月22日に閣議決定された。こども家庭庁はこの指針を踏まえ、【ふやす】【つなぐ】【みがく】【ふりかえる】の4つの視点で施策を進めている。具体的には、居場所づくりコーディネーターの配置支援、支援体制の強化、放課後や夏休みの居場所、災害時の居場所、困難を抱えるこどもの居場所などである。白書は、居場所づくりが関わる大人にとっても地域の新たな交流の機会になると述べ、「こどもまんなかアクション」を通じて機運を高めるとしている。

📖 報告書では:第1部第1章 特集①(概要版PDF p.4、概要版の印刷ページ2)

若者の結婚・子育て展望

特集②は、若者の結婚の意思は大きく変わっていないように見えるのに、なぜ結婚の希望が実現しない社会になっているのかという問題意識から出発している。こども政策担当大臣のもとで「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(WG)」が開かれた。WGは構成員12名のうち半数を超える7名を20代とし、男女比の偏りを避け、地方在住の若者も多く参加する形をとった。WGは15〜39歳の男女2万人を対象とした調査や「こども若者★いけんぷらす」(こども・若者の意見を聴く取組)での意見聴取も踏まえて議論した。その結果、次の取組を進めることが決まった。「地域少子化対策重点推進交付金」でライフデザイン支援や官民連携の結婚支援を重点メニューとし、交付金の要件も大幅に緩和する。あわせて、マッチングアプリの使い方や第三者認証の普及啓発、結婚支援センタースタッフの研修なども行う。

📖 報告書では:第1部第1章 特集②(概要版PDF p.4、概要版の印刷ページ2)

保育は「量」から「質」へ

こども家庭庁は2024年12月20日に「保育政策の新たな方向性」をとりまとめた。これは2025年度から2028年度末を見据えた保育政策の在り方を示すものである。柱は3本ある。柱1は地域のニーズに対応した質の高い保育の確保・充実で、職員配置基準の改善などを含む。柱2は全てのこどもの育ちと子育て家庭を支援する取組で、こども誰でも通園制度の推進などを含む。柱3は保育人材の確保とテクノロジーの活用などによる業務改善で、処遇改善や保育DXなどを含む。白書は、今後の保育政策を「量の拡大」から「質の向上」に転換し、全国どこでも質の高い保育が受けられる社会を目指すと明記している。

📖 報告書では:第1部第1章 特集③(概要版PDF p.5、概要版の印刷ページ3)

こどもの悩みを受け止める

2024年11月、こども家庭庁に「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」が発足した。メンバーは若手職員や、民間企業・自治体からの出向者など多様な背景を持つ職員である。目的は、全てのこどもが信頼できる大人に思いや悩みを打ち明けられる環境づくりに向けて、課題や周囲の大人に必要なことを明らかにすることである。チームは2025年3月までに、当事者のこども、相談・支援団体、地方自治体など延べ27団体等と意見交換した。2025年3月30日には大臣と小・中学生との意見交換会も開かれた。得られた意見は「こどもたちの声」「相談・支援団体等からの意見」「こどもの皆さん・大人の皆さん・社会に伝えたいこと」としてまとめられ、2025年度以降も取組を続けるとしている。

📖 報告書では:第1部第1章 特集④(概要版PDF p.5、概要版の印刷ページ3)

出生・結婚・若者の働き方

2023年の出生数は72万7,288人で統計開始以来最少、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むこどもの数の目安)は1.20で過去最低である。2023年の婚姻件数は474,741組、離婚件数は183,814組、2021年の夫婦の完結出生児数(結婚を終えた夫婦が最終的に持つこどもの数)は1.90である。2024年の若者の非正規雇用割合は、男性が15〜24歳で51.0%、25〜34歳で14.8%、女性が15〜24歳で56.9%、25〜34歳で30.6%である。25〜34歳では、女性の割合が男性の約2倍にあたる。週60時間以上の長時間労働をしている男性の割合は、40歳代が他の年代より最も高い。

📖 報告書では:第2部第1章(概要版PDF p.7「こどもをめぐる状況」、概要版の印刷ページ5)

成育環境・安全と意識

安心できる場所があると思うこども・若者、「どこかに助けてくれる人がいる」と思うこども・若者は、いずれも9割を超える。一方で、「社会生活や日常生活を円滑に送ることができている」と思うこども・若者は約半数にとどまる。2022年の国民生活基礎調査に基づく相対的貧困(その社会の標準的な所得の半分に満たない状態)にあるこどもの割合は11.5%で、ひとり親世帯の貧困率は44.5%と高い。2023年度の児童相談所の児童虐待相談対応件数は22万5,509件と依然として多い。同じ2023年度に、小・中学校の不登校児童生徒数と、いじめの重大事態の発生件数がともに過去最多となった。「こどもまんなか社会の実現に向かっている」と思う人の割合は2割弱である。

📖 報告書では:第2部第1章(概要版PDF p.7「成育環境」「安心・安全」「社会認識」、概要版の印刷ページ5)

日本の結果

こども大綱の指標のうち、「どこかに助けてくれる人がいる」と思うこども・若者の割合は97.1%である。「自分の将来について明るい希望がある」は66.4%で、こどもの半数以上が「生活に満足している」と感じている。一方、「自国の将来は明るい」と思うこども・若者は23.1%にとどまり、身近な支えと社会の将来像の間に大きな差がある。「社会生活や日常生活を円滑に送ることができている」は51.5%、「結婚、妊娠、こども・子育てに温かい社会の実現に向かっている」と思う人は27.8%である。

この号の調べ方

本白書は、こども基本法第8条第1項に基づき毎年国会に報告する法定白書で、今回は2024年度の状況を報告している。少子化社会対策、子ども・若者育成支援、こどもの貧困対策の年次報告もこの白書に一本化されている。第2部は、こども大綱(2023年12月22日閣議決定)に掲げた指標などをもとに、各種統計でこども・若者と子育て当事者の状況を概説している。特集②で触れた調査は、15〜39歳の男女2万人が対象である。

この号から言えること

  • 「助けてくれる人がいる」97.1%、「将来に明るい希望がある」66.4%と身近な見通しは高い。一方で「自国の将来は明るい」は23.1%、「こどもまんなか社会に向かっている」は2割弱と、社会全体への評価は低い。
  • 出生数72万7,288人、合計特殊出生率1.20はいずれも過去最少・最低である。これに対応して、特集②は若い世代が結婚・子育ての将来展望を描けない状況の分析と対策を取り上げている。
  • 保育政策は「量の拡大」から「質の向上」への転換を打ち出し、2025年度から2028年度末を見据えた3本柱を示している。
  • 第1部のダイジェストでは、こども性暴力防止法(教育・保育従事者の性犯罪歴確認を学校等に義務付ける法律)、こどもホスピス、プレコンセプションケアなど15の取組を紹介している。

読むときの注意

本記事の数字は概要版(日本語版・英訳版)に掲載されたもので、各指標の調査対象・年齢層・実施時期の詳細は概要版には書かれていない。指標は意識の割合を示すもので、施策との因果関係を示すものではない。詳細は全体版の第2部第1章で確かめる必要がある。

出典

主に参照した箇所:概要版PDF p.3–8(日本語版・英訳版。数値は英訳版 p.7 を参照)、第1部第1章 特集①〜④、第2部第1章。この記事は、上の公式資料に書かれていることだけをもとにAIが書き、記事中の数字が元資料にあることを照合しています(2026-10-12取得)。正確な値や文脈は原典で確かめてください。

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