この号の内容
3指標が初めてそろって悪化
2020年3月までの1年間で、生活満足度、幸福感、不安の平均が、2011年の測定開始以来初めてそろって前年より有意に悪化した。ここでいう「有意」とは、偶然のばらつきでは説明しにくい統計的に確かな変化を指す。不安は高いほど悪い指標であり、数値の上昇が悪化を意味する。
📖 報告書では:公式の要約(一行メモ)。抜粋には本文PDFの該当ページが含まれていない
不安の伸びは過去最大
「昨日どの程度不安を感じたか」を0〜10で尋ねる不安の平均は、前年の2.87から3.05へ上がった。上昇率は6.3%で、測定開始以来最大の伸びである。一方、「昨日どの程度幸せだったか」を尋ねる幸福感の平均は1.1%下がった。
📖 報告書では:公式の要約(一行メモ)。抜粋には本文PDFの該当ページが含まれていない
ロックダウン直前の1年
この号は、2019年4月から2020年3月までを対象とする。公開ページは、この期間を新型コロナウイルスへの対応として英国が全国ロックダウンに入るまでの時期だと説明している。つまりこの号の数字は、ロックダウンに向かう局面を含む1年間の推計である。
📖 報告書では:公開ページ「Publications」の説明文
4つの問いで測る
推計の対象は4つの指標で、まとめて「ONS4」と呼ばれる。内訳は、生活満足度、人生でしていることに価値があると感じる程度、昨日の幸福感、昨日の不安であり、いずれも0〜10で答える。推計値は、英国全体、構成国(イングランドなど)、地域、カウンティ、地方自治体の各単位で公表されている。
📖 報告書では:公開ページ「Summary」「Publications」
年次・四半期のデータ表
年次推計は、地域単位に加えて、個人の属性別にも集計されている。そこには、個人のウェルビーイングに影響しやすい属性についての分析も含まれる。四半期推計は、季節調整なし(季節による変動をそのまま含む値)と季節調整あり(季節要因をならした値)の両方が公開されている。年次・四半期のいずれについても、信頼区間(推計値の誤差の幅)とサンプルサイズの表が別に用意されている。
📖 報告書では:公開ページ「Data」
認定公式統計
これらの数字は「認定公式統計」(Accredited Official Statistics)に位置づけられている。統計規制局(Office for Statistics Regulation、OSR)の独立審査を受け、統計実務規範が定める信頼性・品質・価値の基準を満たすと認められた統計である。公開ページは、利用者のニーズに応え、適切なデータと手法で作られ、公益のために中立に管理されていることを意味すると説明している。
📖 報告書では:公開ページ「About the data」
この号の調べ方
対象は英国全体で、構成国・地域・カウンティ・地方自治体の単位でも推計している。期間は2019年4月〜2020年3月の1年間で、2020年7月30日に公表された。指標はONS4の4項目で、いずれも0〜10で回答し、その平均を年次と四半期で推計している。調査の回答者数は抜粋に記載がなく、信頼区間とサンプルサイズは別表で公開されている。
この号から言えること
- 2011年の測定開始以来初めて、生活満足度・幸福感・不安の3指標がそろって前年より有意に悪化した。新型コロナのロックダウン直前の時期にあたる点が読みどころである。
- 不安の平均は2.87から3.05へ6.3%上がり、過去最大の伸びとなった。4指標のなかでも不安の変化がとくに目立つ。
- 地方自治体単位の推計や属性別の分析、四半期の季節調整値まで公開されている。地域や時期を絞った比較ができるデータである。
読むときの注意
今回の抜粋は公開ページのみで、本文PDFの記述は含まれていない。悪化幅などの数字は公式の要約に基づいており、ページ番号や図番号は原典で確かめる必要がある。また対象期間はロックダウン直前までであり、ロックダウン期間そのものの状況を示す数字ではない。