この号の内容
4指標すべてが悪化
ONS4は「生活満足度」「人生でしていることに価値があると感じる程度」「昨日の幸福感」「昨日の不安」を、それぞれ0〜10点で尋ねる4つの質問である。公式の要約によれば、2021年3月期にはこの4指標のすべてが前年より悪化した。不安は数値が高いほど悪い状態を示すため、不安の上昇も悪化にあたる。
📖 報告書では:公式の一行メモ(リリースページ「Summary」で4指標の定義を確認できる)
変化幅は測定開始以来最大
前年からの変化幅は、測定を始めて以来最も大きかった。生活満足度は0.27点低下し、不安は0.26点上昇した。幸福感は0.17点、「人生でしていることに価値がある」は0.15点、それぞれ低下した。4指標の中では、生活満足度の低下と不安の上昇が特に大きい。
📖 報告書では:公式の一行メモ(詳細は本文「Personal well-being in the UK: April 2020 to March 2021」)
国から自治体まで地域別に推計
この号は、4指標の推計値を細かな地域単位で示している。単位は英国全体、構成国(イングランド・スコットランドなど)、地域、カウンティ(州)、地方自治体である。英国全体の平均だけでなく、地域ごとの違いも確認できる。
📖 報告書では:リリースページ「Summary」「Publications」
個人の属性別の分析データ
年次推計のデータセット(Annual personal well-being estimates)も公開されている。地域別の値に加えて、個人の属性別の推計を収録している。さらに、個人のウェルビーイングに影響する可能性が最も高い属性を分析した結果も含まれる。
📖 報告書では:リリースページ「Data」―Annual personal well-being estimates
信頼区間と標本数も公開
品質情報のデータセットも別に公開されている。地域別・属性別の推計それぞれについて、信頼区間とサンプルサイズ(回答者数)を収録している。信頼区間とは、推計値の誤差の幅を示す範囲のことである。小さな地域の値を比べる際は、この誤差の幅を確認することで、差が意味のある大きさかどうかを判断できる。
📖 報告書では:リリースページ「Data」―Quality information for annual personal well-being estimates
認定公的統計としての位置づけ
この統計は「認定公的統計(Accredited Official Statistics)」である。統計規制局(OSR)が独立に審査し、統計実務規範が定める信頼性・品質・価値の基準を満たすと認めている。具体的には次の4点を満たすとされる。利用者のニーズに応えていること、明瞭で利用しやすい形で示されていること、適切なデータと健全な手法で作成されていること、公益のために公平かつ客観的に管理されていることである。
📖 報告書では:リリースページ「About the data」
この号の調べ方
対象は英国で、期間は2020年4月〜2021年3月の1年間である。公表日は2021年10月15日である。指標はONS4の4項目で、いずれも0〜10点で測る。推計値は英国全体から地方自治体までの地域別と、個人の属性別に示されている。
この号から言えること
- コロナ禍の1年に、英国では生活満足度・価値実感・幸福感・不安の4指標すべてが悪化した。前年からの変化幅は測定開始以来最大である。
- 最も大きく動いたのは生活満足度(0.27点低下)と不安(0.26点上昇)である。
- 地域別・属性別の値と信頼区間が公開されており、自分の地域の変化を誤差の幅も含めて確認できる。
読むときの注意
今回参照した元資料はリリースページの抜粋のみである。各指標の水準値(平均点)や地域別・属性別の具体的な数字は本文PDFとデータセットで確認する必要がある。変化幅の数値は公式の要約に基づく。また、時期の重なりだけからは、悪化の原因をコロナ禍と断定できない。