ウェルビーイングの調査・報告書

2025年版テーマ:年齢層別に見た心の健康:若い世代ほど低いMind Health

The Mental State of the World in 2024(82か国、2025年2月28日)

Sapien Labs(米国の非営利研究機関)のGlobal Mind Project

米国の非営利研究機関Sapien Labsが毎年出す「世界のこころの健康」レポートの2024年版である。2023〜2024年に82か国で集めた661,426件の回答をもとにしている。今号は国別の総合順位をやめ、年齢層別に国をグループ分けして示した。いちばんの話題は世代間の大きな差である。55歳以上の平均MHQは101と標準の100並みだが、18〜34歳は平均38にとどまり、41%が日常生活に支障が出るほどの苦痛を抱えている。

この号の内容

世界平均MHQは63

2024年のインターネット利用人口の平均MHQは63である(76か国の人口ベース平均)。MHQ(Mind Health Quotient)は、感情・認知・社会性・意欲・回復力など心の働き全般をまとめた総合点で、-100〜+200の範囲をとる。63は報告書が「Managing(なんとかやれている)」と呼ぶ帯に入る。この帯の人は平均して、生活の約70%の時間、つまり月21日程度を十分に生産的に過ごせていると答えている。

📖 報告書では:第1章「Our Collective Mind in 2024」p.7、図1

コロナ禍後も回復なし

2019年から追跡している英語圏8か国では、2019〜2021年にMHQが約30点下がった。その後、有意な回復は見られない。若い年齢層の低下は40点を超えたのに対し、55歳以上はほとんど変化がなかった。2021年の底からの若い世代の戻りは5〜7点にとどまる。報告書は2024年も「ほとんど何も変わっていない」としている。

📖 報告書では:第1章「Mind Health & Wellbeing trends across time / by age」p.7–8、図2・図3

55歳以上は平均101

55歳以上の国別平均MHQは78〜122の範囲に分布し、82か国の平均は101である。標準の100に近い値で、46か国が100以上だった。100を超えるのは中南米の多くの国、フィンランド、サハラ以南アフリカの一部、シンガポールやマレーシアなどである。90未満の下位にはドイツ、ベルギー、英国など西欧の多くの国と、ウクライナ、日本が入る。MHQが0未満の「苦痛・苦闘」層の割合は、得点帯ごとの国平均で110以上が7%、90未満が12%である。

📖 報告書では:第2章「The Mind Health and Wellbeing of older adults」p.9–10、図4と得点帯別国リスト

18〜34歳は平均38

35歳未満の国別平均MHQは5〜71で、79か国の平均はわずか38である。これは55歳以上より60点以上低い。平均41%が「苦痛・苦闘」層に分類された。この層は、臨床レベルの症状を平均5つ以上抱え、生活に大きな支障が出ている人たちである。平均が50を超えたのは79か国中15か国だけで、65を超えたのは1か国のみだった。65は55歳以上で最も低い国の値に相当する。上位は中南米とサハラ以南・中部アフリカが占め、70を超えたのはタンザニアだけだった。下位は英国、ニュージーランド、ウクライナである。55歳以上では最上位帯のフィンランドも、若者では中位にとどまる。

📖 報告書では:第3章「The Mind Health and Wellbeing of younger adults」p.11–12、図5と得点帯別国リスト

若者に目立つ症状と能力低下

MHQの47項目について、18〜34歳と55歳以上を比べている。若者の3分の1以上が「生活に支障がある」と答え、かつ高齢層より25ポイント以上多かった項目は次の6つである。望まない・奇妙・強迫的な考え、罪悪感・自責、気分の波、悲しみ・絶望感、恐れ・不安、現実から切り離された感覚。倍率でみると、計画・段取り、話す・言葉、集中、社会的なやり取り・協力、人間関係、自制・衝動性などが5.4倍〜4倍と高い。報告書はこれらを、社会の中でうまくやっていく力の多くにあたると位置づけている。一方、身体の健康問題や感染しやすさは倍率が最も小さかったが、それでも若者のほうが高かった。

📖 報告書では:第4章「Growing symptoms and diminishing capacities」p.13–15、図6・図7

報告書が挙げる根本要因

報告書は、世代間の低下の背景として、互いに絡み合う複数の要因を挙げている。1つ目は社会的つながりの弱まりである。若い世代ほど家族の絆が弱く、実生活で頼れる親友が少ない。2つ目はスマートフォンで、最初のスマホを持った年齢が低いほど、大人になってから苦しむ傾向がある。3つ目は超加工食品で、常食する人は、まれにしか食べない人より「苦痛・苦闘」層である割合が3倍高い。4つ目は農薬・重金属・マイクロプラスチックなどの環境毒素である。支出の面にも触れている。米国は2024年に精神保健研究へ22億ドル、成人の治療に毎年それをはるかに上回る額を支出し、英国NHSは2021〜2022年度にイングランドで120億ポンドを使った。それでも、支出の少ないサハラ以南アフリカの方が結果は良い。報告書は「同じことを続けても答えにならない」とし、根本原因の研究と予防への転換を求めている。

📖 報告書では:「Insights and Interpretations」p.16–18

日本の結果

日本は、55歳以上の平均MHQが90未満の下位グループに入る。同じ帯にはドイツ、ベルギー、英国、ウクライナなどがあり、この帯の「苦痛・苦闘」層の割合は国平均で12%である。18〜34歳では、日本は平均MHQ20〜30の帯に分類されている。この帯の「苦痛・苦闘」層の割合は国平均45%である。日本の正確な数値は本文にはなく、付属のデータ表に載っている。調査は日本語でも実施された。

この号の調べ方

対象は18歳以上のインターネット利用者である。2023年1月1日〜2024年12月31日に集めた1,001,627件のうち、MetaやGoogleの広告で募集した回答だけを使い、除外基準を適用して82か国661,426件を分析した。2024年単独の分析は76か国329,478件である。回答者はMHQ(47項目、約15分、17言語)に答える。国別の値は国連の人口推計で年齢・性別を補正しており、MHQは2019年のコロナ前データで平均100になるよう調整されている。

この号から言えること

  • 今号は国別の総合順位を出していない。年齢構成が国の平均を大きく左右するためで、代わりに年齢層別に国をグループ分けしている。
  • どの地域でも高齢層は比較的良好で、若い世代ほど低い。国による違いは、若い世代の低下がどこまで進んでいるかの差である。
  • 若者の問題は気分や不安にとどまらない。計画・段取り、言葉、集中、人間関係といった認知・社会的な能力にも4〜5倍の差が出ている。
  • 豊かさや精神保健への支出の多さは、若者のMHQの高さと一致していない。サハラ以南アフリカの若者の方が西欧より高い。

読むときの注意

データはインターネットを使い、調査言語ができ、自ら15分の調査に応じた人に限られる。オフラインの人々を含む国全体の傾向とは大きく異なりうる。言語や文化による受け止め方の差があり、MHQの小さな差は統計的に有意でないことが多い。根本要因の部分は、報告書自身の解釈と関連データ(多くはプレプリントや自社レポート)に基づいており、因果関係が確定したものではない。

出典

主に参照した箇所:本文PDF p.2(序文)、p.6(要約)、p.7–15(第1〜4章)、p.16–18(解釈)、p.20–23(付録・方法)。この記事は、上の公式資料に書かれていることだけをもとにAIが書き、記事中の数字が元資料にあることを照合しています(2026-10-12取得)。正確な値や文脈は原典で確かめてください。

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