幸せの名言集

クルアーンの名言3選

イスラム教の聖典(7世紀)

「あなたがたが感謝するならば、われは必ず、あなたがたに増し加えるであろう」

If you are grateful, I will surely increase you.

— クルアーン 第14章「イブラーヒームの章」7節

感謝(シュクル)は恵みへの「返礼」であると同時に、さらなる恵みの「入口」でもある、という循環の約束。イスラムの感謝実践(日々の礼拝や「アルハムドゥリッラー(神に讃えあれ)」)の根拠となる章句

心理学では
この章句は、感謝が恵みへの応答であると同時に次の恵みを呼び込む入口にもなるという「上方スパイラル」(よい感情と資源が互いを強め合う循環)を言い表している。大学生を追跡したWoodら(2008)の縦断研究では、感謝傾向の高い人ほど、その後に周囲からの社会的支援が増え、ストレスや抑うつが低いことが示された。またEmmons & McCullough(2003)の実験では、感謝したことを毎週書き留めた人は、そうでない人に比べて人生をより肯定的に評価し、運動の時間も増えた。一日の終わりに「ありがたかったこと」を一つ口にする習慣が、恵みの循環を回す入口になる。 参考:Woodら(2008)「The role of gratitude in the devel…」/Emmons & McCullough(2003)「Counting blessings versus burdens:…」
「まことに、困難とともに、安楽がある。まことに、困難とともに、安楽がある」

Verily, with hardship comes ease.

— クルアーン 第94章「胸を開く章」5-6節

イスラム世界で最も暗誦される章句の一つ

同じ一文が二度繰り返されるのは強調のため。困難の「後に」ではなく「とともに(マア)」とあるのが要点で、苦しみの真っ只中にも安楽は同時に潜んでいる、と読まれてきた

心理学では
この名言は、心理学でいう混合感情(喜びと悲しみのような相反する感情を同時に抱くこと)の見方に重なる。苦しみが去った後ではなく、その最中にも安らぎは並んで存在するという理解である。Folkman(1997)は、エイズを患うパートナーを介護し看取った人々を追った縦断研究で、強い苦痛のさなかにも前向きな感情がたびたび生じていたことを示した。Adler & Hershfield(2012)も、心理療法を受ける人々の縦断研究で、つらさと前向きさが入り混じった体験が、その後の心の健康の改善に先立って現れることを見いだした。苦しい日にも、一杯の茶や誰かの一言に宿る小さな安らぎに目を留めることが、困難を乗り切る支えになる。 参考:Folkman(1997)「Positive psychological states and …」 ↗/Adler & Hershfield(2012)「Mixed Emotional Experience Is Asso…」 ↗
「アッラーは、いかなる魂にも、その能力以上の重荷を負わせない」

Allah does not burden a soul beyond that it can bear.

— クルアーン 第2章「雌牛の章」286節

いま自分に降りかかっている試練は、定義上、自分に負えないものではない ── 信仰者が困難の中で最も頼りにしてきた章句。「これは私の手に余る」という圧倒感への聖典からの応答

心理学では
この章句は、心理学でいう二次的評価(「自分はこれに対処できるか」という見積もり)を力づける言葉である。Lazarus & Folkman(1984)のストレス理論では、同じ出来事でも「手に負える」と評価するか「手に余る」と評価するかによって、心身が受ける影響は大きく変わるとされる。また、Ano & Vasconcelles(2005)は宗教的コーピング(信仰を頼りにした困難への対処)に関する多くの研究をメタ分析(複数の研究結果の統合)した。その結果、神とのつながりを感じたり、試練に意味を見いだしたりする前向きな対処をとる人ほど、抑うつが低く、心理的な適応がよいことが示された。圧倒されそうなときはこの一節を思い出し、「いまの自分に担える一歩」を一つだけ選ぶことが、心の重さを軽くする助けになる。 参考:Lazarus & Folkman(1984)「Stress, Appraisal, and Coping. New…」 ↗/Ano & Vasconcelles(2005)「Religious coping and psychological…」 ↗

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