「人の名前は、その人にとって、あらゆる言葉の中で最も甘く、最も重要な響きを持つ」
A person's name is to that person the sweetest and most important sound in any language.
— デール・カーネギー 『人を動かす』(1936)
名前を覚え、名前で呼ぶ ── それだけで相手は「一人の重要な人間として扱われた」と感じる。人間関係の古典が挙げる、最小コストで最大の承認を届ける技法
- 心理学では
- この名言は、自分の名前が持つ強い自己関連性(自分に関わる情報ほど注意を引き、重く受け止められる性質)を言い当てている。Moray(1959)は、左右の耳に別々の音声を流して片方だけに集中させる実験で、聞き流していた側の音声でも、自分の名前が含まれると気づかれやすいことを示した。これが、騒がしい場でも自分の名前だけは耳に入る「カクテルパーティー効果」である。さらにHowardら(1995)の実験では、相手が自分の名前を覚えていた条件の参加者は、その相手の頼みに応じやすくなった。名前を覚えていることが、相手への敬意として受け取られたのである。初対面で聞いた名前を会話の中ですぐに呼んでみることが、手間のかからない確かな承認として相手に届く。 参考:Moray(1959)「Attention in Dichotic Listening: A…」 ↗/Howardら(1995)「What's in a Name? A Complimentary …」 ↗