幸せの名言集

デール・カーネギーの名言4選

米国の作家・話し方教室の創始者(1888-1955)

このうち1件は「出典に諸説あり」です。デール・カーネギーの言葉として流通していますが、一次資料での確認が難しいものです。

「人の名前は、その人にとって、あらゆる言葉の中で最も甘く、最も重要な響きを持つ」

A person's name is to that person the sweetest and most important sound in any language.

— デール・カーネギー 『人を動かす』(1936)

名前を覚え、名前で呼ぶ ── それだけで相手は「一人の重要な人間として扱われた」と感じる。人間関係の古典が挙げる、最小コストで最大の承認を届ける技法

心理学では
この名言は、自分の名前が持つ強い自己関連性(自分に関わる情報ほど注意を引き、重く受け止められる性質)を言い当てている。Moray(1959)は、左右の耳に別々の音声を流して片方だけに集中させる実験で、聞き流していた側の音声でも、自分の名前が含まれると気づかれやすいことを示した。これが、騒がしい場でも自分の名前だけは耳に入る「カクテルパーティー効果」である。さらにHowardら(1995)の実験では、相手が自分の名前を覚えていた条件の参加者は、その相手の頼みに応じやすくなった。名前を覚えていることが、相手への敬意として受け取られたのである。初対面で聞いた名前を会話の中ですぐに呼んでみることが、手間のかからない確かな承認として相手に届く。 参考:Moray(1959)「Attention in Dichotic Listening: A…」 ↗/Howardら(1995)「What's in a Name? A Complimentary …」 ↗
「友を得るには、相手の関心を引こうとするのではなく、相手に純粋な関心を寄せることだ」

You can make more friends by becoming interested in other people than by trying to get other people interested in you.

— デール・カーネギー 『人を動かす』(1936)

関係構築の出発点は相手への関心である

心理学では
この名言は、心理学でいう応答性(相手を理解し、認め、気づかう姿勢)が親しさの土台になるという考えと重なる。Huangら(2017)は、初対面の人どうしの会話を対象にした実験で、相手に多く質問した人、とくに相手の話を受けて掘り下げる質問をした人ほど、相手から好感を持たれることを示した。また、大学寮のルームメイトを追跡したCanevello & Crocker(2010)の縦断研究では、自分をよく見せようとする目標よりも、相手を思いやる目標を持つ人ほど応答的にふるまい、互いの関係の質も良好であることと関連していた。会話では、自分の話を用意するより、相手の言葉にひとつ問いを返すことが、友情の入り口になる。 参考:Huangら(2017)「It doesn’t hurt to ask: Question-a…」 ↗/Canevello & Crocker(2010)「Creating good relationships: Respo…」 ↗
「起こりうる最悪の事態を受け入れてしまえば、あとは良くなるだけである」

— デール・カーネギー 『道は開ける』(1948)

最悪の受容は不安の上限を画定する

心理学では
この名言は、認知行動療法でいう脱破局化(最悪の事態を具体的に思い描き、それでも対処できると確かめること)にあたる。Hoyerら(2009)は全般性不安障害の人を対象にした臨床試験で、最悪の場面をあえて繰り返し想像する「心配への曝露」が、リラクセーション法と並んで不安を和らげる効果をもつことを示した。またLaFreniere & Newman(2020)は、心配の強い人が記録した日々の心配の大半が、実際には起こらなかったことを報告している。漠然とした不安に輪郭を与えれば、恐れの上限が見える。心配ごとが頭を離れないときは、最悪の結末とそのときの手立てを紙に書き出すことが、次の一歩を踏み出す助けになる。 参考:Hoyerら(2009)「Worry Exposure versus Applied Rela…」 ↗/LaFreniere & Newman(2020)「Exposing Worry’s Deceit: Percentag…」 ↗
「運命がレモンをくれたら、それでレモネードを作れ」

When fate hands you a lemon, make lemonade.

— デール・カーネギー 『道は開ける』(1948)。実業家ジュリアス・ローゼンウォルドの言葉として紹介

原型はエルバート・ハバードの追悼文(1915)とされる

不利な材料を有利な結果に転換せよ

心理学では
この名言は、ベネフィット・ファインディング(逆境の中に得たものを見いだすこと)や肯定的再評価(出来事の意味を前向きに捉え直すこと)にあたる。Affleckら(1987)は、初めて心臓発作を経験した男性を長期にわたって追跡する縦断研究を行った。その結果、発作後に生き方の見直しなどの利点を見いだした人ほど、その後の再発や病気が少なかった。Helgesonら(2006)のメタ分析でも、逆境に利点を見いだす人ほど抑うつが低く、前向きな気分が高い傾向が示されている。ただし、つらさの渦中では無理に意味を探さず、気持ちが落ち着いてから振り返るとよい。不運のあとに「ここで何が手に入ったか」を一つ書き出すことが、次の一歩につながる。 参考:Affleckら(1987)「Causal attribution, perceived bene…」 ↗/Helgesonら(2006)「A meta-analytic review of benefit …」

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