幸せの名言集

パウロの名言2選

初期キリスト教の使徒(1世紀)。獄中からの手紙

「私は、いかなる境遇にあっても満足することを学んだ」

I have learned, in whatsoever state I am, therewith to be content.

— パウロ 新約聖書・フィリピの信徒への手紙4:11

獄中書簡の一節

満足は境遇ではなく学習の産物である

心理学では
この言葉は、満足が境遇よりも受け止め方で決まることを示す。心理学では、これを快楽順応(良い変化にも悪い変化にもやがて慣れ、幸福感が元の水準に戻る傾向)として説明する。Brickmanら(1978)は、宝くじの高額当選者と事故で重い障害を負った人を調べ、境遇の差ほどには幸福感に開きがないことを報告した。またEmmons & McCullough(2003)の実験では、感謝したことを毎週書き留めた人は、わずらわしい出来事を書いた人より、人生を前向きに評価するようになった。満足は練習で育つ力である。寝る前にその日ありがたかったことを三つ書き出す習慣が、どんな日にも満ち足りる心を養う。 参考:Brickmanら(1978)「Lottery winners and accident victi…」/Emmons & McCullough(2003)「Counting blessings versus burdens:…」
「神の恵みによって、今の私があるのです」

By the grace of God I am what I am.

— パウロ 新約聖書・コリントの信徒への手紙一 15:10

過去も欠点も含めて、今の自分を引き受ける

心理学では
迫害者だった過去を持つパウロのこの言葉は、過去ごと今の自分を引き受ける告白である。心理学では、出来事をつないで「自分とは何者か」を語る物語をナラティブ・アイデンティティ(物語としての自己)と呼ぶ。McAdamsら(2001)は大学生と中年の成人の人生の語りを分析した。その相関研究では、つらい出来事が良い方向へ転じる「贖いの筋書き」で語る人ほど、幸福感が高かった。Pals(2006)の縦断研究(同じ人を長く追う研究)でも、困難な経験に向き合い、前向きな意味づけにたどり着いた女性ほど、後年の人生満足度が高かった。失敗を消すのではなく「あの経験があって今がある」と語り直すことが、揺るがない自己の土台になる。 参考:McAdamsら(2001)「When Bad Things Turn Good and Good…」/Pals(2006)「Narrative Identity Processing of D…」 ↗

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